余計な前書き 富士山麓の朝霧高原では、野焼き後の4月中・下旬にかけてキスミレが咲くそうだ。数年前から気になっていて一応計画してみるのだが、路線バスと宿泊施設の連携が不便なのが致命的で実行できずにいた。今年東京の桜が満開の頃、朝霧高原周辺の宿泊施設をチェックしていたら「休暇村富士」に空室が見つかった。実は休暇村富士に宿泊しても朝霧高原へダイレクトに繋ぐ路線バスはない。しかし休暇村富士のサイトを見ていたら、泊まってみたくなった。本館客室全室が富士山ビューイングで、大浴場からも富士山の絶景。しかも知らない間に天然温泉の宿に変わっていた(2010年温泉の掘削に成功)。

 田貫湖畔にはソメイヨシノが植えられていて、静岡県のお花見名所のひとつである。田貫湖畔の桜は平年4月15日頃に満開を迎えるとのこと。また田貫湖畔はダイヤモンド富士の鑑賞地・撮影ポイントとしても有名で、見られるのは毎年4月20日頃と8月20日頃である。正確な日時は年によって、また田貫湖畔の位置によってもズレがある。で、休暇村富士前の展望デッキからの場合、今年4月のダイヤモンド富士のどんぴしゃな日時は、ネット検索や利用しているソフト「カシミール3D」によれば24日から26日の6時頃らしい。「休暇村富士」の空室検索で4月中旬までと週末の20日以降が満室で、その間の日にちに空室がちらほら…だったのは、なるほどそういう訳だったのだ。

 桜の見頃時期は天気次第で遅れる可能性もあるし、“ダイヤモンド富士直前”の逆さ富士が、なんと客室窓から見られそう。朝霧高原のキスミレよりも富士山と桜と温泉の魅力に引っ張られてしまい、2泊での予約を完了。2003年に登っている長者ヶ岳は休暇村富士のすぐ裏手から登ることができるので、再び登ることにした。

 ところで3月にカメラを買い換えた。2012年春から使っているミラーレスカメラは使い勝手が良いのだが、センサーサイズが小さい機種なのでやはり限界を感じ、そろそろ上級カメラへとステップアップしたくなっていた。昨今の趨勢を見ていると、デジタル一眼レフカメラよりフルサイズミラーレスカメラのほうが進化と普及の将来性がありそうな感じ。小柄で手が小さい私にとっても、デジタル一眼レフよりミラーレスの方が良い。そんな気持につけ込むようなタイミングで、より小型のフルサイズミラーレスカメラの新機種が発売された。幾つかのこだわりでニコンファンだったのだが、わずかでも小型軽量の魅力には逆らえずキヤノンに鞍替え(笑)。そんなわけで今回の山旅の最大目的は、富士山でも桜でもなく長者ヶ岳登山でもない。大きくて重い新しいカメラの、携帯と操作に慣れることなのである。

長者ヶ岳・天子ヶ岳(2003年11月)の山行記録 »

 田貫湖に映る逆さ富士を撮りたいので、三脚を持って行くことになり荷物が重い。なので東京駅から休暇村富士への高速バスを利用した。

 休暇村富士にチェックインすると、1階の客室だとのこと。フロントが3階なのでエレベーターで下りる……少し不吉な予感を抱きつつ部屋に入った。う~ん、大きな窓からはもちろん正面に富士山が見えるのだが、入り江の湖面がほとんど見えないではないか。おまけにちょうど富士山の中腹を隠すような位置に大きな桜の木があり、富士山の景観の邪魔をしていた。逆さ富士を部屋の窓から…という目論見は外れ、早朝に外の湖畔デッキか、建物3階の宿泊者専用デッキに行かなければならないことになった。

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休暇村富士2階デッキからの富士山展望
休暇村富士2階デッキからの富士山展望
休暇村富士2階デッキから望む湖畔歩道と富士山
休暇村富士2階デッキから望む湖畔歩道

 14時前にチェックインしたので、田貫湖畔へ散策に出かけた。まず3階の宿泊者専用デッキからの富士山展望を下見。3階通用出入り口から建物裏手下のデッキへ直接下りられる。2階の宿泊者専用デッキでも展望の案配を確認。客室窓からの富士山と田貫湖の展望は、やはり4階か5階の部屋がベストだろう。

田貫湖

 田貫湖は富士五湖とは異なり人造湖である。元々は狸沼あるいは田貫沼と呼ばれていた小さな沼地で、農業用水を確保するために沼を拡張して湖となった。湖畔にキャンプサイトやバンガロー、サイクリングロードや釣り場などが整備され、自然と触れ合えるレクリエーションエリアになっている。

田貫湖キャンプ場 »

展望デッキ

田貫湖畔展望デッキからの富士山
湖畔展望デッキからの富士山

 休暇村富士の裏手にある展望デッキに下りた。湖畔の西南端に位置していて富士山を正面に望む。入り江になっているため湖面にさざ波が立ちにくく、逆さ富士が見られる可能性が高いそうだ。そして条件に恵まれれば、湖面に投影するダイヤモンド富士、つまり「ダブルダイヤモンド富士」が見られる確率が高く、カメラマンたちからは「ダブルダイヤモンド富士の聖地」と呼ばれているそうだ。

 天気予報は旅の最終日20日が快晴という予報である。翌々日の朝が無風であることに期待しながら、富士山を眺めた。

田貫湖南岸歩道

田貫湖畔の桜
田貫湖畔の桜
田貫湖畔の桜
田貫湖畔の桜

 翌日に長者ヶ岳を下山した際、湖畔北側サイクリングロードを歩き休暇村富士に戻ることになる。そこで今は湖畔の南側歩道(サイクリングロード)を歩くことにした。芝生の緑に満開の桜が映えて美しい。桜の見頃情報では2,3日前にピークは終えたということだった。確かに葉桜になりかけている木もあるが、まだ散り始めていない木も多く充分美しかった。

田貫湖南岸芝生広場

田貫湖畔から富士山と桜
田貫湖畔の桜
田貫湖畔から富士山と桜
田貫湖畔から富士山と桜
田貫湖芝生広場
田貫湖芝生広場

 芝生広場に入ると富士山と桜とのコラボレーションの風景が広がる。中腹と頂上に雲がかかりこの日の富士山は満足度70%の眺めだったが、それでも絵画のような風景には満足。富士山と満開の桜とのコラボは日本の絶景のひとつと言っても過言ではない。田貫湖畔のサクラはソメイヨシノだけではなく、オオシマザクラやマメザクラ(フジザクラ)も見られた。

田貫湖畔
田貫湖畔
田貫湖畔のテラス
田貫湖畔のテラス

 歩道が湖畔に沿うようになり、展望テラスが見えてきた。平日なので人は少なく、桟橋の上で釣り糸を垂れる人、休憩する人、のどかな景色に癒やされる。

富士山にズームイン
富士山にズームイン
富士山にズームイン
富士山にズームイン
田貫湖畔の富士山と桜
田貫湖畔の富士山と桜

 展望テラス付近のテントサイトをうろうろし、展望遊具の上にも上ってみたりもし、田貫湖畔の富士山と桜を思う存分撮影した。翌日の天気予報は「晴れのち曇り」なので、富士山を見られる時間は午前中だけかもしれないからだった。

 1時間半ほど散策していたら、ようやく収まってきていたヒノキ花粉症の症状が復活してしまった。あらためて見回せば、田貫湖・休暇村富士の周囲はヒノキの木だらけである。


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