五能線の旅 (1)

 五能(ごのう)線は秋田県の東能代駅と青森県の川部駅を結ぶJR東日本のローカル線で、日本海の海岸沿いを走る。深浦海岸や千畳敷海岸、白神山地を望む車窓風景、そして下車すれば日本海に沈む夕日の絶景スポットなどがあり、一度は乗ってみたいローカル線として全国的に人気である。

 今回の旅でのもう一つの楽しみが「五能線の鉄旅」だった。私も夫も鉄旅が好きである。夫は定年退職後に念願だった鉄道一人旅を2度していて、3年前に五能線全線に乗車していた。私はと言えば、独身時代に五能線に乗車したことがある。若い頃の方が鉄分が濃かったので五能線に乗りたいがため、わざわざ東能代から五所川原まで五能線で移動し、津軽の一人旅をしたことがある。はるか40年くらい昔のことで、思わず遠い目になってしまう(笑)

 今回の旅では東能代駅から川部駅まで、日にちを分けての五能線全線乗車になる。鉄道好きといっても中途半端な「乗り鉄」で、決して「撮り鉄」ではない。だから自慢できるような写真はないが、車窓風景写真で五能線を紹介。

写真のキャプションにアイコン がある場合は、画像をクリックすると拡大表示します。拡大画像の画面は、パソコンの場合は画像下のバーの < > で、モバイル端末ではスワイプで画像を順番に見ることができます。

東能代からウェスパ椿山

5月19日 / 東能代から不老ふ死温泉へ

五能線起点 東能代駅

くまげら待合室 / 五能線東能代駅
くまげら待合室
くまげら待合室 / 五能線東能代駅
くまげら待合室

 東能代駅のホームには「リゾートしらかみ・くまげら編成」デザインの「くまげら待合室」がある。

 待合室の中に入ってみると、なんと運転席があった。キハ58-23の運転席だそうである。鉄道オタクなら興奮もの。

リゾートしらかみ・くまげら編成 / 五能線東能代駅
リゾートしらかみ・くまげら編成
リゾートしらかみ・くまげら編成 / 五能線東能代駅
リゾートしらかみ・くまげら編成

 運転席で遊んでいたら「リゾートしらかみ5号くまげら編成」が入線してきた。

 「リゾートしらかみ」は全車指定席である。平日ということもあり、私たちの車両は空席が目立つ。

岩館駅 - 大間越駅の絶景区間

岩館駅 - 大間越駅の絶景 / 五能線車窓風景
岩館駅 - 大間越駅の絶景

 乗車後しばらくは単調な車窓風景で、東京からの移動の疲れでウトウト。岩館駅を通過後県境を越え、秋田県から青森県に入った。すると『……ここは津軽国定公園に指定されており、荒々しい岩場の風景が続きます。ただ今速度を落として運転しています。わずかな時間でございますが、眼下に広がる日本海の景観美をご覧ください』という車内アナウンス。

 私のカメラは網棚の上のザックの中。ミラーレス一眼カメラに買い換えたため荷物が多い山旅になると、電車での移動の時はとてもじゃないが持ち歩けない。間に合わないのでスマートフォンで撮影。

ウェスパ椿山から鰺ヶ沢

5月21日 / 不老ふ死温泉から鰺ヶ沢へ

深浦駅-広戸駅の区間

 朝から雨。ウェスパ椿山駅のホームには屋根がないので、カメラはザックにパッキング。10時38分発の「リゾートしらかみ1号青池編成」に乗車。窓は雨で濡れていて写真撮影は諦めた。

 しかし深浦駅を過ぎると電車は海岸線に接近して走行するようになり、車窓に日本海の荒々しい風景が広がった。水滴が邪魔な窓ガラス越しでも、スマートフォンのカメラでも、やっぱり撮りたい(笑)

深浦駅-広戸駅 / 五能線車窓風景
深浦駅-広戸駅(夕日撮影スポット?)
深浦駅-広戸駅 / 五能線車窓風景
深浦駅-広戸駅
深浦駅-広戸駅 / 五能線車窓風景
深浦駅-広戸駅
深浦駅-広戸駅 / 五能線車窓風景
深浦駅-広戸駅
深浦駅-広戸駅 / 五能線車窓風景
深浦駅-広戸駅

 この区間は「日本の夕陽百選」にも選ばれている。海岸にポツンとあるステンレス製のフェンスのようなものは、何か関係がありそうな?

 晴れていれば、紺碧の海と赤茶けた岩との絶景だったのに……。

千畳敷海岸 / 五能線車窓風景
千畳敷海岸

 リゾートしらかみ1号は千畳敷駅には停車しない。電車はスピードを緩めずに、あれよあれよと思う間に千畳敷海岸を走り抜け、あっという間に千畳敷駅を通過した。雨の中なのに千畳敷海岸の岩場には何人かの観光客が歩いていた。

 千畳敷駅の次の駅である北金ヶ沢駅も通過。北金ヶ沢駅から徒歩10分のところに「北金ヶ沢のイチョウ」、別名を「垂乳根のイチョウ」と呼ばれるイチョウの木がある。北金ヶ沢のイチョウは環境省の日本の巨樹・巨木林調査で認可された、日本一大きいイチョウの木である。計画段階で最終日に寄れないかと夫に提案したのだが、帰宅が遅くなると却下されたのだった。まぁ、見に行くなら黄葉の時期がベストだろう。

リゾートしらかみ・青池編成 / 五能線鰺ヶ沢駅
リゾートしらかみ・青池編成

 電車が鰺ヶ沢駅に近づいたとき、「本日は鰺ヶ沢駅を過ぎるとイベント車両にて津軽三味線の生演奏を行います」との車内アナウンス。リゾートしらかみの車内イベントは他にも「津軽伝統 金多豆蔵(きんたまめじょ)人形芝居」、「津軽弁「語りべ」実演」、「なまはげ太鼓の披露」があり、一度は見てみたい。

鰺ヶ沢から川部

5月22日 / 鰺ヶ沢から五能線終点駅川部へ

鰺ヶ沢駅

鰺ヶ沢駅 / 五能線鰺ヶ沢駅
鰺ヶ沢駅
鰺ヶ沢駅 駅前広場 / 五能線鰺ヶ沢駅
鰺ヶ沢駅 駅前広場

 旅最終日の朝は快晴。「帰京の朝は晴れ」とういう、私たちの山旅ジンクスはもはやジンクスではなく鉄板かも。

 夫の3年前の旅では、鰺ヶ沢駅でリゾートしらかみと各駅停車との乗り継ぎの必要があり、接続時間の合間に一時下車したそうだ。で、実は私の40年前の旅でも鰺ヶ沢駅で1時間ほどの乗り換え待ち時間があり、一時下車して駅前を歩いている。駅から線路際の小道を少し行くと珈琲店があり、ドアを開けると店内には思いもかけずジャズが流れていた。20代にはジャズもよく聴くことがあった私は、小さな漁村の寂れた駅前には少し似つかわしくないジャズ喫茶に驚いた。ジャズを聴きながらコーヒーを飲んで時間を潰した思い出は忘れられない。

 乗車する電車まで時間があるので、記憶をたどってあのジャズ喫茶の店を探してみたが、当然残ってはいなかった。

 しかし帰宅後に検索してみると……。

 『青森の田舎町のジャズ喫茶』というmixiコミュニティのトピックスページを発見。何というか……インターネットの妙。

[mixi]青森の田舎町のジャズ喫茶 - ジャズ喫茶のことなら何でも・・ | mixiコミュニティ »

鰺ヶ沢駅売店 / 五能線鰺ヶ沢駅
鰺ヶ沢駅売店

 40年が経ち鰺ヶ沢は寂れた漁村ではなく、今や人気犬「わさお」がいる町である。私は「わさお」には少しだけ思い入れがある。2008年春のブログ記事でわさおを有名にしたきっかけを作った、“メレ山メレ子”さんの旅行記ブログを、当時よく読んでいたのだ。

 そしてあれから11年。わさおが健在で何より(^^)。鰺ヶ沢駅の観光駅長でもあるわさおは、駅構内の売店でも頑張っている(笑)。親戚の幼い子供へのお土産に、ぬいぐるみを購入(^^)

ホームから望む岩木山 / 五能線鰺ヶ沢駅
ホームから望む岩木山
ホームから望む岩木山 / 五能線鰺ヶ沢駅
ホームから望む岩木山

 鰺ヶ沢に行ってもわさおに会いに行かないし、焼きイカ通りにも行かない私たちだが、町から見える岩木山にはわくわくしてしまう。

 駅前は駅舎が岩木山を隠してしまうので、岩木山の写真撮影のために早々とホームへ。


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