野生動物ウォッチング

 流氷ウォークを終えた後は、フレペの滝コースをガイドしてくださったネイチャーガイドさんが再び案内してくれる野生動物ウォッチングが組まれていた。ツアー専用マイクロバスで知床国道を走行し、ネイチャーガイドさんの指示で下車しながら知床に棲む野生動物を見て回る。

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通称 亀岩(チャシコツ崎) / ウトロ
通称 亀岩(チャシコツ崎)

 バスをオシンコシンの滝の前で停めて下車し、国道を横断して海辺の柵へ。チャシコツ崎は通称「亀岩」と呼ばれていて、まさに亀としか見えない景観である。この日は暖かかったので接岸した流氷が緩んできていた。流氷ウォークの最中よりさらに緩まり、沖の方には海面が見えていた。

緩んできた流氷 / ウトロ
緩んできた流氷
緩んできた流氷 / ウトロ
緩んできた流氷

 ネイチャーガイドさんは車を降りて三脚にセットした長い望遠鏡を担いで国道を渡り、すぐさま海を狙って据えた。女性なのだがタフな動き。私たちにはフレペの滝ハイキングの時と同様に、用意してくれた双眼鏡を配ってくれた。で、流氷の上に留まっているオオワシがいるそうなのだが……。指さした方向を探しても「どこどこ?」。見つかっても肉眼ではゴマ粒だし、目標物を8倍双眼鏡で探し当てるのも一苦労だ。ネイチャーガイドさんが標準を合わせた20倍ズームの望遠鏡を順番で見せてもらい、「あっ、いたー!」という状況だった。

オオワシ

 再び車で移動すると、山側に断崖がある場所で空にワシが何羽か舞っていたので下車。崖を回り込んだ場所から見える裏山の木に、数羽の大型ワシが陣取っているのが見えた。それぞれが高い木の天辺にいる。

オオワシが留まる裏山
オオワシが留まる裏山
オオワシ
オオワシ

 知床はオオワシ、オジロワシの繁殖地・越冬地となっている。オオワシ、オジロワシは羽を広げると2mを超える猛禽類で、黒や黒褐色の体に頸や尾羽の白い羽が美しい。オオワシ、オジロワシ共に絶滅危惧種Ⅱ類(準絶滅危惧種)であり、日本では天然記念物、国内希少野生動植物種に指定されている。

オオワシ
オオワシ
オオワシ
オオワシ

 明らかに体の色が黒ではなく褐色に近いオジロワシも留まっていたのだが、やがて飛び去っていった。獲物を見つけたのだろう。残った2羽のオオワシは長い間動くことなく悠然と留まったままだった。

 すっかりオオワシに魅了されてしまった。しかしかなり遠い場所からなので、双眼鏡で見ていてもズームレンズで撮影していても、物足りない思いは残った。高倍率望遠レンズで撮影したオオワシの写真を、ネットで見ていたのでなおさらだ。それでも知床の豊かな生態系のひとつである、オオワシを見られたことは幸せだ。

※ オオワシやアザラシを近くで見たり撮影したい場合は、流氷とバードウォッチングを目的としたクルーザーによる遊覧船もある。

知床エゾ鹿ファーム
知床エゾ鹿ファーム
知床エゾ鹿ファーム
知床エゾ鹿ファーム

 オオワシがいたのは実は知床エゾ鹿ファームの裏山だった。増え過ぎたエゾシカを駆除する目的で捕獲して、食肉として利用するため飼育している場所である。

知床エゾ鹿ファームのエゾシカ
知床エゾ鹿ファームのエゾシカ
知床エゾ鹿ファームのエゾシカ
知床エゾ鹿ファームのエゾシカ

 私たちが金網に張り付いてオオワシを見ていたら、奥の方にいたエゾシカたちが「何だ?あの人間たちは」「ねぇ、何してるの~」って様子でこちらに近づいてきた。彼らはとても可愛いのだが、いずれエゾシカカレーやエゾシカハンバーガーやエゾシカすき焼きになってしまう運命。

キタキツネ物語

 再びバスに乗車して知床国道をウトロ港方面へと引き返した。オシンコシンの滝の手前で、流氷の上を歩いているキタキツネを車窓から発見。車を降りることにした。2匹のキツネは同じくらいの大きさなのでカップルらしい。日が暮れる前に餌を探しに来たのだろうか。10分ほど見ていたら陸に向けて歩き出した。前を行くキツネは後ろに付いてくるキツネが遅れて間隔が開くと、振り返って立ち止まったまま待っている。胸にジーンと来るものがある。

流氷の上を歩くキタキツネ
流氷の上を歩くキタキツネ
流氷の上を歩くキタキツネ
流氷の上を歩くキタキツネ
流氷の上を歩くキタキツネ
流氷の上を歩くキタキツネ
流氷の上を歩くキタキツネ
流氷の上を歩くキタキツネ
国道を歩くキタキツネ
国道を歩くキタキツネ

 彼らが海から上がり国道を横断するときにはハラハラしながら見つめ、林の奥に姿を消すまで見守ってしまった。

流氷のオホーツク海の夕景
流氷のオホーツク海の夕景

 そろそろ16時になる頃で、かなり太陽が傾いてきた。オシンコシンの滝駐車場に車を停めて、ネイチャーガイドさんだけが降りていった。望遠鏡を据えて熱心に動物を探している様子からは、もっとたくさんの野生動物を見せてあげたいという思いと、仕事を置いて純粋に知床の動物を見るのが好きで好きでたまらないという、動物に寄せる情熱が感じ取れた。

 しばらくしてネイチャーガイドさんがバスに戻ってきた。「かなり遠いですがアザラシがいました」の声に、「寒いから野生動物ウォッチングはもう充分かなぁ」と思っていた私を含めて全員が「おっ、アザラシ!」とばかりにバスを下車(笑)

 渡された双眼鏡で探すのだが見つからない。かなり遠くの流氷の上に小枝が乗っているように見える。あれがアザラシ?
 20倍ズーム望遠鏡を覗かせてもらうと、小枝が幾分太くなった。ガイドネーチャーさん曰く「流氷の上のカリントウ」だそうである。見ているとカリントウがひょいっと動き、一瞬顔をこちらに向けた。間違いなくゴマフアザラシだった。

 ホテルに戻ったのは16時半を回っていた。スノーシューハイキング、流氷ウォーク、野生動物ウォッチングと充実した一日だった。ウトロでは流氷シーズンには国設知床野営場で夜間の「知床流氷フェス」が開催されていて、様々なイベントがありフードコーナーやアイスバーが設営される。添乗員さんからドリンク券付きチラシを配布されているのだが、昼間のアクティビティで目一杯。この晩も出かける気力が残っていなかった。


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