フレペの滝コース スノーシューハイク (3)

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 羅臼岳は最後まで顔を見せてくれなかったが、タイミング良く晴れ間が出て断崖のそばでも風もなく、ゆっくり景色を楽しむことができた。帰路は遊歩道をたどって知床ネイチャーセンターへ。

雲に隠れている羅臼岳 / フレペの滝コース スノーシューハイク
雲に隠れている羅臼岳
知床ネイチャーセンターへ / フレペの滝コース スノーシューハイク
知床ネイチャーセンターへと戻る
流氷が浮かぶオホーツク海 / フレペの滝コース スノーシューハイク
落葉していないカシワの木

 自然草原の手前の林で、ネイチャーガイドさんによるレクチャーあり。枝に枯葉が残ったままの木はカシワの木で、厳しい寒さや強い寒風が吹く環境に耐えるため、落葉樹なのに落葉せずに翌春まで枯葉を残すのだそうだ。枯葉は春に若葉が出てくると落ちる。新芽が塩分を含んだ風から護られる効果もある。

 興味を持ったので調べたら、枯葉が落ちないで枝に残ることは「枯凋性」と呼ばれているとのこと。またこの現象をネタにしたアイヌの言い伝え(和人を相手に「枯葉が落ちるまでの借金」と「葉が落ちた頃にカシワの林を売る約束」の2パターン)があることも知り、面白かった。

 自然草原の平坦地から知床ネイチャーセンターへは上り坂である。そろそろ坂が目前という頃、夫が遅れだしてグループについて来ない。振り返って見るとずっと後ろで立ち止まっていた。スノーシューが外れてしまい履き直しているらしい。前を行く添乗員さん、ネーチャーガイドさんに声をかけて待ってもらった。ところが夫がこちらに向かって叫んだのは、仰天の一言。「スノーシューが壊れたぁ!」

 追いついた夫のスノーシューは足首のビンディングベルトがバキッと折れていた。ベルトはプラスチック製なので明らかに経年劣化による破損である。2005年12月に購入したスノーシューだから、起きるべくして起こったということ。今まで「10年超えても壊れないから新モデルも買えないねぇ……あはは」と言っていたけど、わざわざ北海道に持ってきて、それもスノーシューの最中に壊れるなんて笑えない。ネイチャーガイドさんがご自分のを貸してくださるとおっしゃってくれたが、残りは圧雪されたトレイルの上り坂なので、夫はスノーシューなしで歩くことにした。

〔11:50〕遊歩道入り口に戻る:知床ネイチャーセンターへはつづれ織りに登っていく。結構きつくて途中で休みたくなる。行動中に水分補給をしなかったのが災いして、喉がカラカラになってきた。坂を登る前にガイドさんが「飲み物タイム、とりますか?」と確認したのに、もう少しで終了だからとスルーしたのが間違いだった。坂の中盤で腰の辺りの筋肉が攣ってしまい、グループのどん尻で知床ネイチャーセンターに戻った。

フレペの滝遊歩道地形模型 / 知床ネイチャーセンター
フレペの滝遊歩道地形模型

 翌日にも知床ネイチャーセンターに行き館内を見学したところ、フレペの滝遊歩道の地形模型が展示されていた。かなり大雑把な模型だとしても、草原からネイチャーセンターへはやはりそれなりの登り。


流氷ウォーク

 午後のスケジュール前半は流氷ウォークである。まずウトロに戻り、宿泊ホテルの系列ホテルである「北こぶし知床 ホテル&リゾート」1階の「Cafe&Bar 334」へ。2018年4月にリニューアルオープンしたおしゃれなバルでの昼食なのだ。しかしたとえ少人数のツアーだとしても、ツアーはスケジュールの時間配分に縛られる。おあつらえメニューの地産地消弁当(ちらし寿司と松花堂弁当風のセット)は美味しかったが、個人旅行なら暖かい料理を注文するのに……とわがままな思いも少し。

Cafe&Bar 334 »

 流氷ウォークに備えて北こぶし知床 ホテル&リゾートのトイレを拝借。1階女子化粧室はトイレなのにエントランスホールみたいなスペースがあり、石庭風で太鼓橋まである造り。豪華すぎるトイレで準備完了(笑)

 流氷ウォークでのガイドをする会社の人とホテルロビーで待ち合わせ。流氷ウォークでの服装や携帯品に付いての説明・注意を聞き、いよいよ流氷ウォークへGo!

流氷ウォークについて

 保温性が高いダイビング用ドライスーツを着用して、流氷原の上を歩いたり流氷の上に寝転んだりするのを楽しむアクティビティ。ドライスーツは浮力があるため、流氷を割って氷の海に浮かぶこともできる。個人で勝手に行うことは禁止されていて、ガイド会社が催行するツアーに参加し、有資格ガイドの引率の元でしかできない。

 未知の体験「流氷ウォーク」についてあらかじめ予備知識を得たくて、出発前にインターネットでチェックした。流氷ウォークを催行するガイド会社からの発信を始めとして、Instagramの投稿写真まで情報は割合豊富で、流氷ウォークの全般からドライスーツの着方までおおよそのことはつかんだ。できたら流氷ウォーク中の写真撮影をしたい。カメラ持ち込みが無理なのは当然としても、スマートフォンなら携帯できるのだろうか?
 あるガイド会社のサイトには「原則スマートフォンの携帯禁止」とあったので、いったんはスマートフォンの携帯を諦めた。しかしネットにはツアーに参加した人が撮ったと思える写真が山ほどUPされている。流氷の接岸状態が安定しているなら、一時的にグローブを外してスマホを扱えるのでは?と思い直し、出発日間際に首に提げられ水面に浮かぶタイプのスマートフォン用防水ケースを購入した。

 ところが添乗員さんから前日に説明があり、流氷ウォーク中はスマートフォンの携帯は禁止だとのこと。

 私たちのツアーをガイドしたのは普段は地元で漁業や潜水の仕事をしていて、オフシーズンに流氷ウォークのガイドをしている1998年開業の会社。ホテルに迎えに来た代表の方が、「流氷ウォークガイドツアーの先駆け」だと強調していた。

MEPS・マリンエンタープライズプロジェクト知床 »

 会社のサイトには「カメラや持ち物について」の項目に、『参加者がカメラを持ち歩くとお客様自身の安全管理に問題が発生する可能性があるため、ひとグループにつき一台、担当ガイドが防水バックにいれて現地までお持ちし、特定のポイントにて撮影』との説明がある。あらかじめガイド会社が知らされていなかったので、このことを知らず無駄な買い物をしてしまった。まぁ仕方がない。

 ガイド会社MEPSの事務所はウトロ漁港にある漁協組合のビル2階で、ここで用意されたドライスーツを着る。代表自らが「こんな部屋で……」という、いかにも漁協の事務所だが、ネット情報では「着替えが外だった」というガイド会社もあるので外よりまし。といっても服の上に着用するので着替える訳ではない。旅行出発前にツアー添乗員さんに身長と体重を申告してあり、サイズが合うドライスーツが用意されているはずである。告白すると一応参加基準内の体型ではあるが背が低く太めのなので、私に合うスーツがなかったらどうしよう……という密かな不安があった。だが事務所で「あなたのサイズのドライスーツはありません」との報告もなく、いつの間にかドライスーツを渡されて着方の指示が飛んでいた(笑)

 ドライスーツは厚いラバーゴムで出来ていて結構重かった。グローブ以外は一体型なので、始めに下半身部分に両脚を入れて腰まで引き上げる。ネット情報で知っていたので、この日は登山用パンツではなくスリムなレギンスパンツを着ておいたからここまでは順調。と思いきや、代表ガイドさんに手招きされて前に進むと、屈強なガイドさんが3人がかりで私の上半身をドライスーツに押し込んだ。袖に腕を通し、次は帽子と眼鏡を外すように言われ、ドライスーツの首の穴に頭を通す。タートルネックのセーターを着る要領なのだが、ゴム製でピチピチだから強引にかぶせてもらい頭を出した、という感じ。胸の鎖骨位置に横開きファスナーがあり、その中の開口部を束ねて縛りスーツの中に押し込み、ファスナーを閉めて着用の終了。結局ほぼ全部着付けてもらったわけで、素人が自分一人で着るのはまず無理。少々手荒な扱いの着付け方だったがおかげで無事、ウルトラマン……いや流氷ウォークスタイルに変身。ちなみに最後にはめるグローブも自分ではめたり外したりできる代物ではなく、ガイドさんが引っ張らないと着脱不可能だった。これじゃ写真撮影なんて絶対無理。

※ 帰宅後に調べたら、この「胸に大きく開いた開口部を専用のヒモで縛る方式」のドライスーツは「O式」と呼ばれる職業ダイバーが使用するタイプ。流氷ウォークのガイド会社の中には、背中に付いている防水ファスナータイプのドライスーツを使用する会社もある。

 ガイドに引率されていざ流氷の海へ。思ったより動くのに支障はないのだが、防水シールの役目があるタートルネック部分の締め付け感が半端じゃなくて、首を絞められ苦しい。さらにファスナーの中に押し込んだ開口部分で胸が強く圧迫され痛い。胸ファスナーを少し開けてもらい少し楽になったが、その結果足下が見えづらい。普通に陸を歩くだけで息切れして、どうなることやら。しかし漁港の浜からそのまま押し寄せている流氷の上をしばらく歩いていると、徐々に締め付け感にも慣れてきていた。

 引率ガイドさんの指示は「まずあの先の赤い灯台まで行きましょう」。埠頭の突端に立つ赤い灯台までは、海を覆う流氷が平坦で歩きやすかった。氷上の積雪が少ないため雪原を歩くより楽。それが埠頭の奥へ向かうに従い流氷が積み重なってきて、ゴロゴロとした岩場を歩くような感じになってきた。見えていない流氷に足を取られて転びそうになることもあった。

 立ち止まって埠頭の岸壁を見ると白い水面がゆらゆらとうねっていて、自分が本当に海の上に立っていると納得する。流氷ガイドさんがうねりが出てきて流氷が割れるなど危険要素が増したと判断し、この先へ歩く予定は中止となった。埠頭の湾内はまだ凪いでいて、流氷同士がぶつかりこすれ合って出す「ギーギー」という音は聞くことが出来なかった。

流氷ウォークでの集合写真
流氷ウォークでの集合写真

 しばらく埠頭の突端辺りで記念写真を撮ってもらったり、各自周辺を歩き回ったりの自由な時間を過ごした。流氷は舐めてもあまり塩辛くないことを確認(笑)。

 陸に戻る途中、流氷を割って丸く穴を開けておいたらしい場所へ。穴の縁に座り足を海に入れてみると、相当冷たいはずなのにドライスーツの保温力恐るべし、全然平気なのだ。ガイドさんに促されてツアーメンバーは次々と海へポチャン。

流氷の海にポチャン
流氷の海にポチャン

 なかなか最後の踏ん切りが付かないが、流氷の縁に体を預けてそろそろと入水……あらら下半身が浮いてしまう。それだけドライスーツの浮力は強いのだった。バランスを保つためには立ち泳ぎのように始終足で水をかいていなければならない。水流で腰の辺りが冷たいが、浸水しているわけでもなさそう。海から這い上がるのは流氷の縁が滑るし沈むしで大変。女性は腕力がないのでなおさらだ。私はhelpを発しメンバーの男性に引きずりあげてもらった。冷たい海なのに見た目は混浴の露天風呂のような情景の中、中高年ばかりのツアーメンバーの皆は子供に返ってはしゃぎまくった。


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