余計な前書き 昨年の8月に「日本秘湯の会」会員旅館のスタンプラリーで10個のスタンプを集めて、優待宿泊の権利を獲得した。宿泊した宿の中からどの宿の無料招待券を貰うのか…。熟慮の末10個目のスタンプを押して貰った、中の湯温泉旅館に決めた。この旅館が宿泊した宿の中で一番だったというわけではなく、旅館の裏手が焼岳登山口というのが決め手。そして崩壊地やら鎖や梯子がある上高地からのルートに比べて、危険箇所がない「中の湯新道」は私たち向きではないかと考えたからだ。

8月18日 / 雨

 今年の夏は晴天に見放されている。今回も松本から雨が降りだし、中の湯温泉のロビーや部屋の窓から穂高の展望はなかった。気象協会のiモードコンテンツ「登山とハイキングの天気予報」を利用しているのだが、山あいに建つ中の湯温泉旅館は携帯電話は圏外で利用不可能。頼りのテレビは地上波が入らずCS放送のみだった。天気予報専用チャンネルがあるのだが、ローカルエリアの情報は不十分なのでもどかしい。

 こんな風でせっかくの「ご招待(タダ)」での中の湯温泉第一夜は、天気予報ばかり気になって落ち着かない。宿の朝食は7時半からなのだが、もし登るなら朝食をお弁当にしてもらって早めに出たかった。その選択を宿に伝えるタイムリミットは19時半。結局登山中止を決めたのだったが……。

8月19日 / 雨

標準コースタイム 約5時間25分

中の湯温泉 --1時間30分-- 分岐-- 1時間45分-- 焼岳北峰(2399m) --1時間10分-- 分岐 --1時間-- 中の湯温泉

 天気予報通り朝から本降りの雨。さてどうしよう…。宿に停滞してもいられず結局行ける所まで行ってみようとなった。古くなってきたレインウェアの防水機能が低下している。びしょ濡れ覚悟。出発しようとしていた旅館の玄関で、前日に登ったグループに話しかけられた。登山道はぬかるみがひどいので、宿で長靴を借りたほうが良いとアドバイスを頂いた。夫は長靴を借りることにした。女性用の長靴も出してくださったが、足が小さい私にはブカブカなので断念。旅館の方曰く「スパッツさえ持ってない人も多いんだよねぇ」。

旅館裏の登山口
旅館裏の登山口

〔8:40〕旅館のすぐ裏手に車道をショートカットする登山道があり、10分くらいで車道に飛び出す。焼岳登山道入口の看板と駐車スペースあり。

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ブナ林の登山道
ブナ林の登山道

 登り始めて30分くらいで周りはブナ林になる。立派な大木も多い。夫はカメラが濡れないようにとしまい込んだまま。夫のカメラでも写真を撮るように頼んだら撮影してくれたが、後で見るとピンボケだった。やる気がなさ過ぎ。

 登山道には倒木が多い。そしてぬかるみがひどくなってきた。水溜りやぬかるみを避けて歩いていたが、避けられない箇所ではズボッとはまってしまう。長靴の夫はぬかるみにはお構いなしにスタスタ登っていく。コメツガ、シラビソの針葉樹林の中の登山道に岩が多くなってきた。ぬかるみと岩を踏み越えて行く。しかし出発して1時間半は歩いているのに分岐はまだ先?

〔10:30〕中の湯温泉に宿泊していた女性3人グループが下山してきた。分岐までまだ1時間以上あるとのこと。う~ん、ここで止めちゃおうか…。根性がなさ過ぎ。

笹とナナカマドの中を歩く
笹とナナカマドの中を歩く

〔12:00〕ようやく急登が終わってナナカマドなどの潅木帯の平坦な道になった。しかし、いくらなんでもここまでの時間がかかり過ぎ。

〔12:10〕分岐到着。雨は相変わらず。昼食は簡単にパンとレトルトスープとお茶。パンと一緒にガサッと変な物を噛んだので何かと思ったら、治療途上の歯の仮歯が取れていた。パンも食べられなくなって、代わりにカップ入り水ようかんを2個。惨め過ぎ(^^;

分岐(釜トンネルからのコース合流点)
分岐(釜トンネルからのコース合流点)

 分岐での昼食中、こんな雨の日でも下山してきたグループ、これから山頂に登る人たちが数組往来した。皆、異句同音に「中の湯からここまでは距離があって長い(登山地図「エアリアマップ」での1時間30分の標準タイムは疑問)」あるいは、「ここから山頂までのほうが楽な感じ」と言う。それでも今日は出発が遅すぎた。今から頂上を目指す気にはなれない。

 気合が足りな過ぎ(^^;

 12時40分に下山開始。ナナカマド茂る開けた場所で携帯電話を取り出してみたら、かろうじてアンテナ1本が立つ。掲示板書き込みに時間を取られていたら夫に急かされた。あとはぬかるみに足を突っ込み、水溜りをバシャバシャと渡って下りていくだけ。雨が小降りになってきたようだ。だがもう遅過ぎ!

焼岳登山道入口
焼岳登山道入口

〔15:30〕駐車場のある登山道入口に戻ってきた。1台の車では下山したご夫婦(40~50代)が帰宅の準備中。彼らは私たちが分岐で休憩中に焼岳に登っていき、登山道入口も間近となったあたりで、下山してきて追い抜いて行った。彼らの足は速過ぎ!

 15時40分中の湯温泉旅館到着。沢水を引いているらしい外の水道で充分に泥を落とし、乾燥室に案内してもらった。ザック、雨具、靴、衣類などを吊るして乾かせ大助かり。

コースタイムについて

 ちなみに中の湯温泉旅館ロビーに貼ってあった上高地全域地図では、中の湯登山口から分岐までの登りは1時間45分と記載されていた(あまり違わないが)。

 一泊分は自前で予約しての連泊。残念だったけど、コースタイムより大幅に時間がかかることがわかったし(あくまで私の場合だが)、ブナの森の雰囲気は良かった。


中の湯温泉 中の湯旅館

飛騨牛の朴葉味噌焼き
飛騨牛の朴葉味噌焼き

 “下見登山”の成功を祝って乾杯(笑)。前日は食堂での夕食、この夜は座敷で静かに味わえた。傍の窓からは雲間に見え隠れしている明神岳のピーク。


8月20日 / 口惜しいくらいの晴!

旅館から明神岳の展望
旅館から明神岳の展望
中の湯温泉旅館
中の湯温泉旅館

 翌朝、どんどん天候が回復しているのを知った。18日夜の天気予報では雨のはずだった。う~ん…もし天気予報が帰宅日には「晴れ」だったなら、やる気満々で早発ちし、根性だして頑張って、気合を込めて山頂を目指したのに…とこれは本気。

焼岳 / 上高地にて
焼岳 / 上高地にて

 チェックアウトし上高地に向かった。ターミナルでバスの整理券を貰い荷物を預け、大正池まで往復の散策。昨夏もそしてそれ以前の夏にも、お決まりパターンとなっている行動だ。

 今年の夏は行動は同じだが気持ちが少し違った。青空がやけに眩しい。そして梓川の向こうにそびえる焼岳、大正池越しの堂々とした焼岳の眺めが恨めしかった。今度来るときには、「あのてっぺんに登ったんだ」との充足感いっぱいで焼岳を眺めたいものである。


登山データ

標高 焼岳:2455m

場所 北アルプス


アクセス

松本電鉄新島々駅下車バス60分 中の湯


山行日 2003/08/19

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