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 7時半には部屋に戻ったので、朝食前に入浴することもできた。予約しておいたホテルの無料送迎バス(松本駅行き)は、11時半発車である。チェックアウト後2時間あまり時間がある。美ヶ原の理想的な過ごし方は「何もせず高原に浸りきってゆったりくつろぐこと」なんだけど、山にいて晴れていたら歩き回る、というのが習性となっているので、2時間もジッとしているのはもったいないと思ってしまう(笑)

 前日歩いて気持ちが良かった、ホテルの下の小道を散策することにした。何時までにどこまで行かなくてはという縛りがない山歩きはいっそう楽しい。「逍遥」の楽しさを味わった。

王ヶ頭ホテル下の南斜面
王ヶ頭下の南斜面
王ヶ頭ホテル南斜面歩道を散策
王ヶ頭ホテル南斜面歩道を散策
休業中or廃業の王ヶ山荘
休業中or廃業の王ヶ山荘

 林道に出て休業中(廃業?)の王ヶ山荘を覗いた。美ヶ原の山小屋が次々消えていくのは淋しい。2000mの高みに泊ることが気軽にできて、また星空や夜景、早朝の大パノラマなど泊ってこそ味わえる感動があるのが美ヶ原である。デラックスなリゾートホテルではない宿泊施設も残っていてほしい。

 美ヶ原は観光地だという思い込みがあるが、観光施設は高原美術館くらいである。鉄塔群やホテルや牧場や林道が人工的・俗化であっても、それは乱開発ではない。美ヶ原高原の西側には、各地のスキーリゾートよりずっと自然が残っていたし、観光客が散策しない静かな場所もある。麓の各登山道から登りついて “ふいにひらけた眼前の風景にしばらくは世界の天井が抜けたか” と思うのも良し、楽してやってきて高原を逍遥するも良し、何もしないでくつろぐだけでも良い。人それぞれ、場合に応じた楽しみ方ができるのが美ヶ原だと思う。

 再びホテルに戻っても、送迎バスの乗車時間までまだ1時間は暇。売店前のベンチに座り今度こそ何もしないでボーッとして過ごしていたときの、あの風の爽やかさがこの山旅のいちばん忘れられない思い出になった。

美ヶ原 晩夏の花々

ヤナギランが咲く晩夏の美ヶ原
ヤナギランが咲く晩夏の美ヶ原

※ マツムシソウ、ウメバチソウ、オヤマリンドウ、ノアザミ、ハンゴンソウ、ホタルブクロ、タカネナデシコ、ヤマハハコ、ウスユキソウ、ハクサンフウロなど

扉温泉 湯元群鷹館

《2015年4月追記》 湯元群鷹館は2011年8月で閉館しましたので、記事と写真を一部割愛しました。


 扉温泉は昔から『西の白骨東の扉』と言われるほどの名湯である。松本駅から薄川を遡った山奥に、日帰り入浴施設が1箇所と、明神館 と湯元群鷹館の2軒の旅館がある。明神館はわりあい人気の宿らしくネット上に口コミなども多く見かけるが、宿泊料金が高めでハイシーズンは予約が埋まっている。

扉温泉 湯元群鷹館
扉温泉 湯元群鷹館(廃業)

 2006年に美ヶ原を下りてからこの扉温泉に“寄り道お泊まり”をした。そのとき宿泊したのが湯元群鷹館で、団体客が来ない静かな雰囲気とお料理の美味しさが気に入り、また泊りたいと思っていた。今回の機会を活かして再びやってきた。

 旅館まで行く路線バスがないので、松本駅からの送迎をお願いした。標高2000mの高原から下りた身には松本盆地にある松本駅はただただ暑かった。迎えに来てくれたご主人が旅館に着けば涼しいですよと仰るとおり、到着して車から出ると空気がひんやりしていた。ここは標高1100mなので、松本市街地の気温より数度低いのだ。

 前回のときには館内リニューアルの途上だったが、木のぬくもりを活かした造りの雰囲気は以前と同じ。ただ9室ある客室の7室が露天風呂付きの客室に改装されて、「露天風呂付き客室の宿」をセールスポイントにした旅館に生まれ変わっていた。チェックインのとき、玄関脇のバーラウンジがあるロビー兼用のギャラリーの雰囲気が、4年前とはちょっと違う感じに思えた。以前は夜には音を絞ったモダンジャズが流れ、ギャラリーにはジャズ関連のレコードなどが飾ってあったような記憶がある。それが仏画やらの仏教関連の展示に変わっていたのだ。そういえば建物前に「行者の宿」という旗も…。この4年の間にご主人は修験の道を志し、「行者」さんに変貌されたようだ。

 ご主人は温泉管理にこだわりがあるらしく、時間が経って酸化していない新鮮な温泉に入浴できるように、客の到着に合わせてお湯を入れる。入浴できるのは午後4時からだった。客室の露天風呂も入浴直前に自分で湯を入れて、新鮮なお湯を楽しんでくださいとのこと。

 アルカリ性単純泉の源泉温度は29.9℃なので、ボイラーで加熱している。内湯は加水せずにかけ流しである。夏なので湯が熱いときがあるのと湯船が浅いのが玉にきずだが、柔らかな湯は何度も入りたくなる。館外に露天風呂が2つあり、時間予約の貸し切り制だった。秘湯にふさわしい手作り感があるお風呂だ。

 夕食のイワナの塩焼きには驚いた。食卓用の七輪が運ばれ焼き方の説明を聞いていたら、焼かれているイワナの口がパクパクしたのだ。お刺身でも食べられる活け魚を、生きたまま塩焼きとはなんと贅沢な!

 朝食のご飯はお焦げも美味しい石釜炊き。味噌汁も食卓で自分で味噌を溶き頂く。ご主人の美味しい料理へのこだわりは、温泉に対するのと同様半端ではない。

 中庭に建築資材が置いてあるので、リニューアルはまだ完了していないようだ。訪ねてみると、建築士でもあるご主人が時間を遣り繰りして作業しているので、なかなか終わりませんと苦笑しておられた。


登山データ

王ヶ頭 標高:2034m

場所 長野県


アクセス

JR松本駅から松本電鉄バス、JR上田駅から千曲バス
いずれも美ヶ原高原美術館行きで期間限定運行。あるいは宿泊施設の送迎車利用


山行日 2010/08/22-23

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