剣山と次郎笈 (1)

見ノ越までのアクセスについて 貞光から見ノ越までの路線バスは夏山シーズンだけだった。途中の集落までは運行されているが、そこから歩ける距離ではない。従ってマイカーやレンタカーでない場合はタクシーを利用するしかない。東京を出発する前に、ガイドブックや剣山観光推進協議会のサイトに掲載されている貞光タクシーに予約の電話を入れた。

 ところが「見ノ越までの送迎は4月下旬からです」との答えが返ってきた。「え!でもインターネットの情報では、山にも道路にも既に積雪はないそうですが」と言っても「いや、昨夜雨が降ったから見ノ越付近では雪になっているかもしれない」と、ほとんど断られそうな雰囲気。こちらも見ノ越まで行けなくなる事態は考えていなかったので、簡単にそうですかと引き下がるわけにはいかない。剣神社へ電話して道路状況を確認してもらうことにして、もう一度電話した。積雪がないとわかってもらってめでたく予約ができたのだが、今シーズンの雪不足はそれほど異常なことだったようだ。

 その今年の異常な雪不足を見込んで、平年ならこの時期では雪山である剣山登山を計画したわけだが、アクセスの点では少し危ない綱渡りだったかもしれない。

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剣神社簡易宿泊所

 貞光駅から予約したタクシーに乗車して、約70分で見ノ越に到着。料金は9980円(2007年当時)だった。

 見ノ越には民宿が多数あるのだが、調べると営業開始は4月からで、3月31日に宿泊できるのは通年営業している剣神社の簡易宿泊所だけだった。また剣山観光登山リフトの営業も平年4月上旬からなので、登山口から西島までも歩いて登ることになる。宿泊所は剣神社の隣にあり、剣山登山道は宿泊所の目の前。つまり玄関を出たら登山道なので便利なことこの上ない。

剣神社簡易宿泊所
剣神社簡易宿泊所

 宿泊所のあごひげのご主人は、おそらく剣神社の宮司さん。ご夫妻で宿泊所を切り盛りされている。家庭的な手料理が美味しく、家庭風呂風の浴室だが入浴もできる。個室にはテレビもあり、暖房は石油ストーブとこたつ。浴衣の用意はなく布団の上げ下ろしは各自で行うので、基本的には山小屋のような感じの宿泊所である。

「天涯の花」記念碑
「天涯の花」記念碑
宮尾登美子の自筆
宮尾登美子の自筆

 敷地の一角には宮尾登美子の自筆の一文が刻まれた「天涯の花」の記念碑が建っている。

 タクシーが見ノ越に向かう途中で雨になり、剣神社簡易宿泊所に宿泊した夜は暴風雨だった。雨量はそれほどでもないが、強風がゴーゴーとうなりを立てて部屋の窓に雨を叩きつけていた。テレビの天気予報では「雨のち曇り」だが携帯電話 iモードの「登山・ハイキング天気~剣山」では3時頃から雨が止み、翌日は一日中晴天という予報だった。宿泊所のご主人は「期待しないほうがいい。風が強ければ山頂部は這って歩くようになる」とおっしゃる。天候が回復しない場合は中止するか西島まで往復とし、カッパを着ての登山となる気配が濃厚。気が晴れないまま就寝した。 

4月1日 / 花曇り

標準コースタイム 約4時間25分

見ノ越・剣神社簡易宿泊所 --50分-- 西島 --45分-- 剣山山頂ヒュッテ --5分-- 剣山山頂 --30分-- 次郎笈峠 --25分-- 次郎笈山頂 --15分-- 次郎笈峠 --20分-- 分岐--40分-- 西島 --35分-- 見ノ越・剣神社簡易宿泊所

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 夜が明けてみれば、前夜の嵐が嘘のように回復し、晴れ間も見える(^^)

〔7:50〕出発:同宿だったドイツ人青年3人組みは三嶺への縦走らしい。ブナやミズナラの樹林帯を鳥のさえずりを聞きながらゆっくり登り始めた。砂礫が多い土質で登山道はぬかるみもなく、とても歩きやすい。

登山リフトの下をくぐる
登山リフトの下をくぐる
道標
道標

 歩き始めてすぐに、登山リフトの下をトタンの簡易トンネルでくぐる。道標も完璧。

〔8:45~8:55〕西島:樹林帯を抜けるとキャンプ場があり、すぐに登山リフトの西島駅。展望が開けていて気持ちが良い。西の方角を見れば深い谷の向こうに三嶺(みうねorさんれい)がそびえている。

登山リフト西島駅
登山リフト西島駅
西島からの展望
西島からの展望
西島から望む三嶺
西島から望む三嶺

 西島から山頂へは3つのコースがあり、所要時間はいずれも同じくらいである。大剣神社を経由するコースで登るつもりだったが、剱神社簡易宿泊所のご主人のアドバイスで、日当りがよく残雪が少ない尾根道のコースに変更した。尾根道コースの分岐は西島駅の裏を回り込んだ所にある。

尾根道コース
尾根道コース
稜線上の山頂ヒュッテ
稜線上の山頂ヒュッテ

 尾根道コースはコンクリートで整備された階段状で、歩き良すぎるくらいである。じきに稜線上の山頂ヒュッテが見えてきた。

刀掛の松

分岐
分岐
刀掛の松
刀掛の松

 左にキレンゲショウマが咲くという行場への道と、右に大剣神社コースと分けている分岐に到着。安徳天皇が山頂に登る途中、松の木に刀を掛けて休んだと伝えられる「刀掛の松」があるが朽ちている。

残雪が現れる
残雪が現れる
山頂ヒュッテ下の残雪
山頂ヒュッテ下の残雪

 登山道上の残雪は消えたということだったが、標高が高くなるにつれ日影の部分で残っていた。山頂ヒュッテの手前の残雪がアイスバーン状態で、つるつる滑り登れなくなった。崖側に移動し立ち木に捕まり突破した。


登山データ

標高:剣山 1955m / 次郎笈 1929m

場所 徳島県


アクセス

JR予讃線貞光駅からバスまたはタクシー見ノ越下車


山行日 2007/4/01

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