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余計な前書き 前年の夏山山行は散々だった。仙丈ヶ岳では前日の雨中登山で疲れたのか気力をそがれ、馬ノ背ヒュッテから山頂を目指さずに下山してしまったし、御嶽山にいたっては登山口の山小屋で台風による暴風雨の朝を迎え、やむなく登山を断念して帰ってきた。で、仙丈と御嶽の再挑戦が頭にあるのは当然なのだが、仮に2年続けて不運なことになってしまうとゲンが悪いので、こういう場合のリベンジはもう少し先延ばしにすることにしているのだ(笑)
気持ちを切り替えて、今年の夏山は薬師岳に決めた。先ず登山口近くの亀谷温泉の宿を予約すべく電話すると、有峰林道小見線が土砂崩れにより通行禁止になり今季は亀谷温泉から折立までバスでは行けないとのこと。う~ん、計画変更じゃん。
この年の初めから股関節痛とバネ指(指の腱鞘炎)に悩まされていた。バネ指は半年経過後にやっと左手が自然治癒したが、その後右手親指と中指の痛みが継続中。右手はストックを強く握れない。しかしよじ登るような岩場や鎖場がない登山ルートなら、登山にさほど支障がないだろう。股関節痛の診断結果は「まだ変形はしていない」そうだが、減量と筋トレで克服していくしかない。開脚すると痛いくらいで今のところ普通に歩行できるし、ハイキング程度の山歩きなら問題はない。ただ体重+10キロ以上のザックの加重で股関節に負担をかけての縦走登山は無理かも知れない。おまけに老齢になった私の両親が最近生活のサポートが必要になってきて、旅行中も気がかりである。何かあったら直ちに帰れるほうが良い。
そんな条件で考えたのが、立山室堂雷鳥沢の山小屋に連泊して、日帰りであちこち歩こうという計画だ。目的は次の3つ。〔目的1〕2004年に撤退した奥大日岳に登頂する、〔目的2〕ネット情報で静かで雰囲気が良いと知った、雷鳥沢から一ノ越への登山道(通称「神の道」)を歩く、〔目的3〕浄土山あるいは龍王岳稜線から立山カルデラと五色ヶ原を眺める、である。雷鳥沢の山小屋は風呂つきである。しかも温泉。これだけでも恵まれているが、雑魚寝の連泊は気が滅入るので奮発して個室を押さえることにした。みくりが池温泉だとハイシーズンの個室利用は3名以上なので夫婦2人では相部屋になるが、雷鳥沢の山小屋では2名利用でも個室が利用できるのである。
※ 写真の画質を改善し、写真数とページを増やして改訂しました。(2020年2月)
8月4日 晴れのち曇り
立山黒部アルペンルートを順調に乗り継いで、14時15分に室堂に到着。下界は晴れていたのに立山の山頂部には雲がかかっていた。
奥大日岳 標高:2606m
場所 北アルプス立山
アクセス
立山黒部アルペンルート
山行日 2010/08/05
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ミクリガ池経由で地獄谷へ。2004年に来たときには地獄谷周辺は歩いていないので、1994年以来の再訪である。1994年に見た(写真も撮影)噴泉塔は2m以上の高さだったのに、崩れて短くなっていた。
火山ガスで咳き込みそうになりながら危険区域を通過。ヒュッテ目前の歩道の真ん中に、ぷくぷくと小さな温泉が湧き出ていたのが面白い。
15時に雷鳥沢ヒュッテにチェックイン。案内されたのは3名定員の6畳の個室で、窓から立山と奥大日岳を一望。掃除や布団の汚れなどは、山小屋なので目をつぶるしかない。しかし壁の「雨漏りのお詫びとお願い」の張り紙を見て天井を見上げると、雨漏りの箇所にビニールを画鋲で貼っただけという有様。ヒュッテは半年近く雪に埋もれているので、実は建物の外壁も中も結構傷んでいる。
それでも部屋の広さは充分だし鍵はかかるし、隣室の話し声も聞こえないくらいだから雑魚寝と違い熟睡できそうだ。満足満足。願わくば夜間に大雨が降り「雨漏り」なんてことになりませんように…。
8月5日 天候 晴れのち時々曇り
標準コースタイム 往復 約5時間
GPSログによる足跡を地理院地図に重ねたルートマップです。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。
ルートマップ全体図は下のリンクボタンで開きます。レポートに戻るときは、ブラウザやスマートフォンの「戻るボタン」か、右下の「山行記録に戻る」ボタンで戻ってください。
〔6:50〕出発:文句を付けようがない素晴らしい天気の朝を迎えた。立山の背後から昇った朝日を浴びて石畳の歩道を行けば、たっぷり残る雪とコバルトブルーの青空とのコントラストが目に眩しい。
猛暑続きのこの年、北アルプス登山でさえも晴れれば暑さが堪えそうだ。飲料水をいつもより多めに持ち、充分な水分補給を心がけることにした。日帰り装備なのでザックの重さが気にならない。
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奥大日岳 標高:2606m
場所 北アルプス立山
アクセス
立山黒部アルペンルート
山行日 2010/08/05
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