余計な前書き 山歩きを始めたばかりの頃、奥武蔵の竹寺・子の権現へ行った。途中の小殿バス停で下車する私たちはジーンズにセーター、背負っているのはデイパック。終点名郷まで行く人たちは装備・いでたちが明らかに違っていた。その時私は、彼らは武川岳に登るんだろうな、いつか私も登りたいなと思ったのだった。何故か機会がなく、それから7年近くの歳月を経ての実現になった。9月から毎週のように、日曜日は雨か曇りという天気であった。やっと冬型高気圧がやって来て、待ちに待った晴天のハイキング日和の日曜日となった。

標準コースタイム 約5時間25分

名郷バス停 --1時間15分-- 天狗岩 --1時間-- 武川岳 --1時間20分-- 旧国道299号出合 --15分-- 小高山 --15分-- 正丸峠 --1時間20分-- 正丸駅

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 飯能駅で出遅れたらバス停は既に人の列だった。最後尾に並んだのでもちろん座れない。東飯能でさらに大勢のハイカーが乗車してきたため、バスは通勤ラッシュ並みの込みようである。久し振りの上天気の日曜日を話題にしている人もいる。途中のハイキングコースがあるバス停で、「19人下りま~す!」の声と共に東飯能からの団体さんが下車。その後棒ノ折山へのハイカーが下車したが、バスは相変わらず満員だった。こんなに大勢の方々と武川岳にご一緒?と複雑な思いだったが、終点名郷で下りたほぼ全員が蕨山に向かってしまった。

 バス停近くのトイレもやはり人の列。奥ゆかしい夫は最後尾に並んだので、出発時間が15分間の出遅れ。トイレを利用した夫によると男女別ではなく、個室は電気もなく真っ暗とか。

〔9:40〕名郷出発:すぐに妻坂峠への道と分かれ、民宿西山荘の角を左に登って行く。角で立ち話をなさっていた奥さんが、「行ってらっしゃい。帰りにお風呂に入りに寄ってください。」と声をかけてくれた。ガイドブックにも載っているこの民宿の奥さんらしい。

 妻坂峠からのコースの長い舗装路の歩きが厭でこの天狗岩経由のコースを取ったのに、何時までも舗装路の登りが続いた。山道に入ったと思ってもすぐまた舗装の林道で、ただのショートカットだった。勾配もそこそこあり既に暑くなってきた。次の標識で本格的な登山道となる。植林のなか結構きつい登りが続いて息があがる私に対し、夏からジムの週末会員となりトレーニングしている夫は絶好調のようだ。

 モミジの紅葉はまだ三分から五分だが、下の葉から緑、黄、オレンジ、赤とグラデーションの彩りがきれいだった。静けさを破って、尾根の向こうの方角からパーンと猟銃の音と犬の鳴き声がした。割合遠く離れた所からなので心配はないと思うが、いい気はしない。その後も何度か銃声を聞いた。このあたりも狩猟解禁地区なのだろうか?

〔11:10~11:40〕天狗岩(岩場の登り):露岩が現れるようになって来た。白い石灰岩の上に散った赤や黄色の落ち葉が美しい。天狗岩は石灰岩の露岩が積み重なった岩場で、左手には岩場ではない巻き道「女坂」が分かれている。取り付いてみると手がかりや足場の岩や立ち木があって、思ったより登りやすかった。下が見えるわけでもないので恐怖感も余り感じないが、もちろん慎重に三点確保で登らなければ危ない。

 天狗岩の上に登った夫がアッと声をあげた。岩の上で羽を休めていた大型の鳥が、突然の闖入者に驚いて飛び立ったらしい。巻き道の女坂を見ると、まっ逆さまに落ちていくような急坂のようで、こちらの方を下りる方が怖いような気がした。

 苦手な岩場を越えて安心したら急登が待っていた。既に正午を廻りお腹が空いて、力が出ないのを飴を舐めてごまかしながら登っている。ここで今日初めて下りてくる人と出会ったので、思わず「後どのくらいですか?」と尋ねてしまった。登り切った所が前武川岳だった。

〔12:30~13:10〕前武川岳:山頂というより尾根の途中という感じである。行く手には武川岳が目の前だ。10分位の距離だと知りながらも、疲れて空腹だとほんのひと登りの距離も30分以上かかりそうに見えてしまう。

 ペコペコのお腹はこれ以上歩く事を許してくれないので、ここのベンチで昼食にする事にした。今日の昼食は熱々のおじや。用意してきたのは出し汁で茹でて来た野菜…大根、人参、さつま芋(or里芋)に油揚げなど、長葱の小口切り、出し汁。そして冷御飯。全部合わせて煮たら、塩と醤油少々で味付け。あっという間に出来上がる。山でのあったかい食事が幸せに思う季節になったものだと思う。

 鞍部に下りてから最後の急登をつめる。例によって夫は、多少予定時間が遅れているのを気にして、下山コースを変更して名郷に戻ろうと言い出した。念のため、下山してくる方に名郷のバスの時間を尋ねて教えていただいた。

〔13:35~13:50〕武川岳山頂:山頂には妻坂峠から登ってきたグループなどが休憩中だった。奥多摩方面が開け、尾根の向こうに特徴のある大岳山が見えたが、午後になっていたのでスッキリとした展望は得られなかった。

 東に延びている、落ち葉が敷き詰められた防火帯の尾根が正丸方面への道である。みんな名郷に下山する様子で、こちらに向かう人は誰もいない。結局、大好きな気持ちが良い尾根歩きを選び、計画通り正丸駅へ下りることにした。落ち葉の絨毯をサクサク踏んで、足に優しいふわふわの山道を歩く。これが秋・冬の陽だまりハイキングの魅力のひとつである。もうひとつの魅力、「くっきり展望」はいまひとつだったが、落ち葉の山道は充分堪能できた。

〔14:50〕旧国道299号出合:展望台分岐から右に折れ尾根をどんどん下りると、菖蒲ヶ入林道に出る。そのうち県道にあたり、少し行くと旧国道出合。ガイドブックではここから正丸峠へ車道を登るのだが、手前に伊豆ヶ岳へ続く登山道入り口があった。旧国道は緩やかながらも登りで、案外疲れる。夫のストックを借りてダブルストックで漕いでいくと楽だった。

〔15:25~15:40〕正丸峠:正丸峠にある茶店に到着。過去2回伊豆ヶ岳に来ているので懐かしい。98年に来た時のこと、私たちが94年に来た時と全く同じに、茶店がボリュームいっぱいで「テネシーワルツ」を流していたのが可笑しかった。今日は別の曲が控えめに流れていた。3回目にして初めてお店に入って、コーヒーと味噌おでん(変な取り合わせ)で休憩した。日暮れも近い。後はかつて歩いた沢沿いの道を、想い出を辿りながらグングン下りて正丸駅へ急いだ。

 16時30分、正丸駅に到着。


登山データ

武川岳:標高 1052m

場所 埼玉県奥武蔵


アクセス

西武池袋線飯能下車バス1時間終点 名郷


山行日 2000/11/19

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