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※ このページのレポートは1998年の山行記録です。登山道状況は変化します。実際に登山される場合は、地図とガイドブック他の最新情報もお調べください。
余計な前書き 4月1日に九州えびの高原入り。鹿児島空港から乗車したバスが着いた林田温泉は大規模な温泉ホテルが倒産していて、人気(ひとけ)がなかった。
空港から一緒だった外国人カップルと共に1時間半後のえびの高原行きのバスを待っていたが、タクシーの営業所を見つけたのでタクシーで行くことにした。彼らは角の食堂へ入って行った。まもなく彼らもタクシー営業所にやってきたが、何か困っている様子。アウトドア用ストーブのガスカートリッジを調達しに行ったところ、食堂が渡してくれたのはテーブルカセットコンロのボンベだったそうだ。カップルのうち女性は日本語堪能。えびの高原キャンプ場に宿泊するそうだ。しかしタクシーの運転手さんからキャンプ場側で燃料が用意されていることを教えてもらい、ひと安心の様子だった。
当初の計画は2日に韓国岳を縦走して高千穂河原に下山し、3日に高千穂峰を往復登山する予定だった。しかしえびの高原に到着後に激しい雨となり、天気予報でも翌朝に雨が残るということ。そこで翌朝の天候次第では日程を入れ替えることにした。
2日目 4月2日 / 雨のち曇のち晴れ・強風
結局朝になっても雨が降り止まず、宿泊しているえびの高原ホテルからタクシーで高千穂河原まで行くことにした。韓国岳へは目の前から歩けるのになんという無駄。
標準コースタイム 3時間50分
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ホテルを出発してタクシーを走らせると、雨はやみ青空まで現れた。しかし後ろを振り返ると、韓国岳の上部は雲の中である。
〔9:15〕高千穂河原出発:高千穂河原でタクシーを下りる時、運転手さんに下山後の足も頼んでおいた。今夜から霧島温泉に連泊するが、バスの便がないからだ。
大鳥居をくぐり霧島神宮古宮址(ふるみやあと)を見た後は、石畳の遊歩道を登り登山口へ。
登山口から突然火山特有の赤ザレの登りで、やがて赤ガレの露岩の急登が続いた。強い風が横から吹きつけ、バランスを崩して登りにくい。浮石もあるので慎重に登っていった。
〔10:50〕御鉢北端:御鉢の北の端に上がると眼下に火口が見えた。火口の底になにやら石を並べた文字がある。「KLAUS TOBI」とあり、そのほか模様のような線などが描かれていた。いったい誰が、どうやって下りて、何のためにした仕業なのだろうか?
強風で馬ノ背越(御鉢の火口壁)を歩くのは少し危ぶまれたが、先を行く2人連れが歩いているのが見えたので大丈夫と判断した。歩いてみれば道幅は充分に広かった。しかし強風が2度襲い、立ち止まって姿勢を低くしやりすごした。
〔11:15〕鞍部:いったん広い鞍部に下るのだが、勿体ないと思うほど下りた気がした。再び丸太の階段がついた急登を喘ぎながら登る。富士山の砂走りのような足がもぐる砂地なので足が重く感じる。下りてくる人に励まされようやく山頂に着いた。
〔11:45~13:00〕高千穂峰山頂:とにかく風が強くて寒いので、風が遮られる場所で昼食にした。航空機にガスカートリッジは持ち込めないので、固形燃料でテルモスの湯を沸かしなおしてカップ麺を作る手はずであった。しかし風除けフードも役に立たずに固形燃料に全く火がつかない。燃え尽きたマッチの軸がむなしく増えていくばかりだった。
それを見ていたそばで昼食中のグループのおひとりがストーブを貸してくださるとおっしゃった。なんとありがた~い!
聞けば静岡県の三島からのグループだとか。知ってか知らずか飛行機でガスカートリッジを持ち込んで来たらしい。ともかくもご親切がとてもうれしかった。
山頂で桜島や韓国岳などの360度の展望を楽しんだ後、登ってきた道を下りる。鞍部までの砂走りを恐る恐る下りていたら、夫や他の人はトットットッと下りていく。どうやら雪の斜面を下りる感じで、踵でキックステップをすると滑らないと気がついた。
赤ガレを下る時には、高千穂河原までの道をすっかり見渡すことができる。つまり直登だということで、登りがキツイわけである。
〔15:15〕高千穂河原に下山:すっかり晴天になり日はまだ高く、これから登っていく子供連れのハイカーさえいた。韓国岳の頭の雲は最後まで取れず、計画変更は大成功だった。
高千穂河原の公衆電話でタクシーに迎えに来てもらうと、昨日、今朝と使った同じ運転手さんだった。明日の韓国岳縦走そして最終日も足をタクシーに頼らなくてはならないので、この際最後の日までお付き合いいただくようにお願いする事にした。いつも愛想のいいドライバー氏である。
高千穂峰の山麓の高台にあり、静かな環境旅館。お風呂は日ごとに男女入れ替わり制なので、連泊したお陰でいろいろなお風呂を堪能できた。ちょうど桜が満開だったため、露天風呂では散り始めた花びらが浮かぶお湯に浸かりながら桜を愛でるという風流三昧(^^)
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