白馬山荘から白馬鑓温泉 (2)

標準コースタイム 5時間5分

白馬山荘 --15分-- 頂上宿舎 --1時間-- 杓子岳 --1時間-- 鑓ヶ岳 --20分-- 大出原分岐 --2時間30分-- 白馬鑓温泉

白馬鑓ヶ岳山頂

白馬鑓ヶ岳登頂
白馬鑓ヶ岳登頂

〔10:00~10:30〕白馬鑓ヶ岳山頂:山頂からは剱岳が大きく見えて、五竜山荘を見下ろし遠くには黒部ダムが見えた。

白馬鑓ヶ岳から剱岳
白馬鑓ヶ岳から剱岳
黒部ダムを望む
黒部ダムを望む

 白馬鑓ヶ岳からはザレた急坂を下るが、思ったほど滑らず慎重に歩を進めれば怖くなかった。

白馬岳を振り返る
白馬岳を振り返る
大出原手前の雪渓
大出原手前の雪渓

〔11:00〕大出原分岐:大出原の分岐からもザレたかなりの急坂。

〔11:30~12:00〕大出原手前:大出原の手前で大きな雪渓を渡る。その前にランチタイムを取った。

 雪渓上に落ちてきた大きな岩がゴロゴロと散在しているのを見ると、装着が面倒でもアイゼンでさっさと渡ってしまいたいと思いアイゼンで歩いた。大出原の花園は見事だった。

 この夏の残雪は多く、その後も2,3箇所の雪渓を渡った。森林限界まで下りると、今度はナナカマドの中の急な下りになった。

 鎖場の前で先行の登山者たちがつかえている。ガイドブックには「簡単な鎖場」と記述されているが、鎖場が苦手な私は相当心配していた。白馬山荘の受付にここで最近滑落事故があったのでロープを設置したとの張り紙があり、下るにつれ不安が雪だるまのように膨らんでいたのだった。

 始めの鎖はほぼ垂直3m位?の岩場で、前の10人位のパーティーが次々におりた。リーダーが下で足場を指示している。私が続く。真下にスペースがあるため少し安心だが、小柄ゆえ足が短い哀しさ…。途中で足が届かな~い! 残って見守って下さっていたリーダー氏が指示してくださった。

 その後は鎖やトラロープが設置された岩場のトラバースが続く。怖がりの私にはかなり怖い。足が出なくなることもあった。鎖場の後は幅が狭い沢沿いを下り、小さな沢を渡ると白馬鑓温泉小屋が見えた。小屋が見えた後も緊張する下りが続いたので、到着したときはドッと疲れが…。

 こんな調子なので、大出原分岐からの標準タイム2時間を1.5倍の3時間で歩いたのだった。

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白馬鑓温泉 鑓温泉小屋

白馬鑓温泉
白馬鑓温泉

 “歩いてしか行けない温泉”の白馬鑓温泉についにやってきた!

 大きなプールのような露天風呂は混浴で、前が開け妙高や戸隠連峰が望める絶景だそうだが、あいにく展望はあまり得られなかった。たった一人水着着用で紅一点の勇気ある女性がいらした。

 女性用露天風呂は大きくはないが、近くの岩から湧き出る豊富な源泉を打たせ湯のように落としている。湯量が多いので飛沫がかかり豪快そのもの。少しぬるめで疲れがじわじわ解けてゆき極楽!小屋が割合混んでいたので部屋にいるよりはと、夕食前に2度入浴した。お風呂に行くのに山靴だと不便だし、夫と交代に使えば良いからと小屋でサンダル(1000円)を買った(ビーチサンダルを持参すれば便利だろう)。食事は「チキンソテーにデザートつき」の白馬山荘からやってくると淋しくなってしまう。期待はしていなかったが、ご飯の芯は切なかった…。

 さて夜8時、大露天風呂の女性タイムである。女性陣はもう待ちきれずに、時間前なのにお風呂の入り口に並ぶ。遅く到着した男性2~3人がまだ入浴中なのに、列の先頭のおばさん達が「早く出てくださ~い!」と叫ぶ。彼らはしぶしぶ出てきて「風呂くらいゆっくり入りてーよ」とぼやくが、おばさんパワーには太刀打ちできずといった顔だった(笑)

 大露天風呂は底に敷き詰めた砂利の下からフツフツと熱めの湯が湧いていた。プールのような大きさなので大人数でも大丈夫。女性たちキャッキャとはしゃぎ女子高の修学旅行のノリ。立ったりすれば下の幕営地から丸見えで、また上からはヨシズがあっても実は透けて見えてしまう。誰かがそのことを言うと「顔さえわからなければいいんじゃない」と私。皆で笑って楽しかった。

白馬鑓温泉小屋 »


白馬鑓温泉から猿倉

標準コースタイム 3時間40分

白馬鑓温泉小屋 --1時間50分-- 小日向のコル --1時間50分-- 猿倉

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 鑓温泉小屋の張り紙によると、夏シーズン前でありその上今年は残雪が多いために、沢に橋が架けられていないとのこと。雪渓もしくは仮橋で沢を渡り、梯子・ロープが設置された仮道を通らねばならないようだ。

梯子で沢を渡る(仮道)
梯子で沢を渡る(仮道)

〔7:15〕白馬鑓温泉小屋出発:下山しても“お泊り”なので遅出。小屋のすぐ下を流れる温泉の沢を横切ると今度は大きな沢を渡る。雪渓が落ちたために設置された梯子で沢に下り、崩れかけた道を渡り再び梯子で登山道に上がる。両梯子とも取り付く場所が不安定で緊張した。しかしそれはほんの序の口であった…。

 それからは崩れやすく足場が悪い、しかも細い道が急な山腹につけられていて、これを延々とトラバースして下っていくことになる。道幅は狭いばかりか傾いている。左手下の沢には落ちた雪渓の下に不気味な割れ目が見える。仮道なのでトラロープは木の幹やもろい斜面に直接設置してあり、心もとない。ロープが無い箇所では草をもつかみたい思いだった。ここに比べたら昨日の鎖場は、頑丈な鎖でなんと安心だったことかと思えてくる。慎重に歩くあまり時間ばかりが過ぎていく。

 結び目を作ったトラロープで5mくらい下りる所があり、下りた地点が狭いためとても怖かった。夫が先に下り、後ろを歩いていた若いカップルに待ってもらって私が続く。怖い。例によって足が届かない。リズムをつけて上手く下りられない。…もうダメ助けて。下の夫からと上の2人からと双方に指図されてやっと下りきった時には、上から拍手がふってきて赤面。岩場にはクルマユリの見事な群落や、鑓沢付近でシロウマアサツキの花も見つけたのに、写真を撮る元気もなし。

 雪渓も何箇所かあって、軽アイゼン装着もわずらわしくなりアイゼンなしで渡るようになった。安全なコースを赤いベンガラで指示してあるが、温泉小屋の方がベンガラを撒きなおしに来ていて、気温が上がって雪渓が緩んだからと新しいコースを作っている最中だった。

キヌガサソウ
キヌガサソウ
杓子沢の雪渓
杓子沢の雪渓
雪渓を渡る
雪渓を渡る

 キヌガサソウとサンカヨウの群落地で休憩してから杓子沢の雪渓を渡り、小さい沢筋を横切りひたすら歩く。相変わらず足場が悪い道だ。雷岩を過ぎてからようやく樹林帯の普通の登山道になってきた。

〔11:50~12:05〕小日向のコル:湿地帯になりオバケのように育ったミズバショウが現れて、「小日向のコル」の道標を認めたときは本当にホッとした。

 どんなに遅くなってもお昼過ぎには猿倉に着けると考えていたため、昼食は用意していなかった。持ち合わせの菓子などでエネルギー補給。湿地のそばだったためブヨに刺されてしまった。

シモツケソウが咲く登山道
シモツケソウが咲く登山道

 普通の登山道を安心して下りる。ニッコウキスゲの群落、足元のウツボグサ、シモツケソウのピンクの花の色を楽しみ、降ってきた雨すら楽しんだ。だんだん遊歩道のようにゆるやかな道になり楽だったのは幸いだった。

登山道の終点(林道出合)
登山道の終点(林道出合)

〔15:15〕登山道の終点(林道出合):眼下に林道が見えたときは思わず2人で歓声をあげ、林道に下り立ったときには心底無事を喜んだ。

 休憩していると、中学生か高校生の数人のグループと引率の先生が下山してきた。そして生徒の一人が言った。「ヤッター!生還したぁ!」。

 ……同感!

 林道を下り15時50分に猿倉に下山。

※ 鑓沢辺りまで本来の「夏道」ではない「仮道」だったため苦労しましたが、それでも健脚か普通の方は4時間程度で下山できるのだろうと思います。

白馬八方温泉

 白馬八方温泉は比較的新しい温泉地で、日帰り温泉施設も充実している。地元の旅館経営者のみなさんが、大規模開発を入れるのをとどめて頑張っているので(タクシーの運転手さんの話)団体客が入る大きなホテル・旅館はなく、静かな環境であった。

 最終日はゴンドラ・リフトを利用して八方池近くまで行き、登ってきた白馬三山を眺める計画だったが、天候が優れないので中止して帰京。


登山データ

白馬岳:標高 2932m
杓子岳:標高 2812m
白馬鑓ヶ岳:標高 2903m


場所 北アルプス北部


アクセス

JR白馬駅タクシーにて栂池高原


山行日 1999/07/24-29

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