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仙丈ヶ岳 (2)

標準コースタイム 馬ノ背ヒュッテまでの登り 約3時間

北沢峠登山口 --10分-- 大平山荘 --2時間30分~3時間-- 馬ノ背ヒュッテ

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岩場の斜面
岩場の斜面

 登りがキツくなり、高めの段差や濡れて滑りやすい岩場も現れた。晴れてさえいればなんでもないコースだが、この場所で本降りになってしまったのは不運。

藪沢を登る
藪沢を登る

 藪沢の上部から冷たい風が吹き下ろしてくる。風を避けて休憩できる場所がなかなか見つからない。立ち止まると合羽の下の汗で湿ったシャツが冷え、体温を奪っていくのを実感する。出発前に起きたトムラウシでの疲労凍死の遭難事故の事が頭をよぎる。もし疲労困憊していたら、この条件でさえ凍死はあるのかも。

 雨が再び弱まり、振り返ると谷の向こう、ガスの中にぼんやりと甲斐駒ヶ岳が見えた。

ニホンジカ避けのネット
ニホンジカ避けのネット
防護策の説明板
防護策の説明板

 大滝ノ頭へのトラバースルートとの分岐まで来ると、空がすこし明るくなってきた。分岐から登っていくと道の両際にネットが張ってあるのでギョッとする。近年こんな標高が高い場所にまでニホンジカが進出してきて、高山植物を食べてしまうそうである。ネットに護られた草むらには、キンポウゲが咲き乱れていた。

馬ノ背ヒュッテ

馬ノ背ヒュッテ
馬ノ背ヒュッテ

〔12:50〕馬ノ背ヒュッテ:合羽の中がグショグショで気持ちが悪い。蒸し暑いかと思えば寒かったりで、いつもと違う疲労感を感じていた。仙丈小屋まであと2時間近く登る気力はなかったので、山小屋の予約を変更しなかったのは正解だった。

 小屋に入ると食堂では石油ストーブが焚かれていた。やはりそれだけ寒いのだ。チェックインして小屋の説明を受けた後、更衣室があったので早速着替えた。

 馬ノ背ヒュッテではこのところの愚図ついた天気で、気温は日中でも10℃、夜半は5℃にも下がるとのこと。小屋が宿泊客で埋まるまでは、薄手のフリースにウインドブレーカーを着込んでも寒かった。食堂で焚かれている石油ストーブに近寄って暖をとっていると、スタッフに注意された。前夜に宿泊者が石油ストーブと接触して大やけどを負ってしまい、今朝下山したそうだ。大平山荘での救急車がその事故だったわけだ。

 その後ツアー登山の団体さんが2グループ到着し、こじんまりした小屋も賑やかになった。個人客は少なく、団体と個人客とは部屋割りが別だった。

ヒュッテの裏手に見える仙丈ヶ岳
ヒュッテの裏手に見える仙丈ヶ岳
仙丈ヶ岳(望遠で)
仙丈ヶ岳(望遠で)

 食堂や部屋で寛いでいるあいだに雨が止んでいたらしい。夕方4時半過ぎ、誰かの「仙丈ヶ岳が見えてるぞー」との声に外に出てみると、強風で雲が吹き飛ばされてまさかの青空。岩が積み重なった仙丈の山頂部と小仙丈へのたおやかな稜線を持つ仙丈ヶ岳は、西日を受けて明るくそびえていた。

馬ノ背ヒュッテからの甲斐駒ヶ岳
馬ノ背ヒュッテからの甲斐駒ヶ岳
甲斐駒ヶ岳(望遠で)
甲斐駒ヶ岳(望遠で)

 甲斐駒ヶ岳は小屋の北側窓からも見える。ガスに隠れたり姿を現したりしていたが、晴れていっそう花崗岩の山頂部は白く、摩利支天もくっきり。

 寒気が南下してきているので天気はあくまで不安定で、夕方晴れたのはほんのつかの間。夜半はまた雨になり、時折風が唸っていた。

ヒュッテに咲いていたミヤマクロユリ
ヒュッテに咲いていたミヤマクロユリ

 馬ノ背ヒュッテは北アルプスで利用してきたような大規模な営業小屋ではなく、こじんまりとしている。しかし設備は比較的新しくて心地がよい。スタッフはもちろん小屋番さんも若い。夕食はカツカレーライス。カレーの味もgoodで、自由に取れる玉ねぎサラダもなかなか美味。夕食中に食堂に掲げた山頂からのパノラマ写真の説明があり、話術もなかなか。

 夕食後にNPO法人「南アルプス研究会」のメンバーによる、山岳環境問題についての講演があった。私たちが藪沢出合手前の樹林帯を登っていたとき、大平山荘まで怪我人に付き添って下山し救急車を見送ってから馬ノ背ヒュッテまでトンボ帰りした女性に追い抜かれたが、その人が「南アルプス研究会」のメンバーだった。

 馬ノ背ヒュッテでは屎尿はヘリコプターで下ろし、ゴミの野焼きはしないなど環境保全に取り組んでいるそうだ。そのためトイレは屋外にあり水洗ではないが、掃除が行き届いていて気持ちが良かった。

馬ノ背ヒュッテ »

7月28日 曇り 下山直後の午後から雨

標準コースタイム 馬ノ背ヒュッテから小仙丈尾根 約4時間20分

〔予定コース〕馬ノ背ヒュッテ --1時間15分-- 仙丈小屋 --15分-- 仙丈ヶ岳山頂 --40分-- 小仙丈ヶ岳 --40分-- 大滝ノ頭(五合目)--1時間30分-- 北沢峠登山口

〔実際のコース〕馬ノ背ヒュッテ --(馬ノ背稜線上まで往復約1時間)-- 馬ノ背ヒュッテ --15分-- トラバースコースとの分岐(藪沢)--35分-- 大滝ノ頭(五合目)--1時間30分-- 北沢峠登山口

〔5:55〕出発:雨は止んでいたが空はどんよりとしていて、小屋から見える仙丈ヶ岳の山頂部はガスの中だった。風も強めで寒い。予定通り山頂に登り小仙丈尾根を下ろうか、それともこのまま下山してしまうか悩むところだ。小屋では前夜19時前の天気予報のときにテレビをつけてくれたが、あまり詳しくない予報なので判断材料にならなかった。携帯ドコモのi-modeメニュー「登山・ハイキング天気(気象協会コンテンツ)」を登録しているのに、FOMA圏外で利用出来ないのがもったいない。とりあえず様子を見ながら登ることにして出発した。

キバナノコマノツメ
キバナノコマノツメ
ハクサンチドリ
ハクサンチドリ

 シカ避けネットの中はミヤマキンポウゲのお花畑。登山道を登っていくとキバナノコマノツメがいっぱい!そしてハクサンチドリもお目見え。そろそろ「花の仙丈ヶ岳」らしくなったきたかな……。

ハイマツとダケカンバ
ハイマツとダケカンバ
ハイマツの花
ハイマツの花

 花に劣らず魅せるのがダケカンバだった。そもそも森林限界点付近なのに、広葉樹の林そのものが珍しく、ハイマツと並んで生えているのも興味深い。

根元から倒れたダケカンバ
根元から倒れたダケカンバ
這うように育つダケカンバ
這うように育つダケカンバ

 風雪に耐えて曲がりくねった幹や枝が、独特な風景を作っていた。


登山データ

仙丈ヶ岳 標高:3033m

場所 山梨・長野県境


アクセス

東京からはJR中央線甲府駅またはJR身延線身延駅からバス北沢峠


山行日 2009/07/27-28

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