余計な前書き 礼文島は登山者の間では、"利尻山登山のついで"に立ち寄るエリアと認識されているようだ。利尻山に登るための体力に自信がない私たちは、利尻山はいわゆる「リスト外」の山である。そして礼文島にもさほど関心があったわけでもなかった。

 それを変えたのは、昨年9月利尻山登山のついでに礼文島を訪れたメーリングリストの仲間 RIKIさんの報告と写真だった。桃岩展望コースからの展望に『うっそー、日本にこんなところがあったのか!』、礼文岳の山頂は『なんという素晴らしい眺めだろうか…(中略失礼)…標高は500mに満たない礼文岳だが今まで登った山で間違いなくナンバーワンの展望だ』と感動の報告。そして写真を拝見したとき、コレだ!と思った。緑の丘陵がうねうねと続き、稜線の道が何処までも続く…そしてその先には青い海。美しいだけではなく、何故か癒される風景。3000m級の山岳美も感動を呼ぶが、私は元来、緑の低山の連なりに登山道が延び行く光景が大好きである。で、即座に「来年の夏は礼文島だ!」と決めた。

 利尻島には目もくれず(?)に礼文島のハイキングコースをできるだけたくさん歩くことを重視し、3泊滞在という計画。花のベストシーズンではないものの、平年より盛夏の訪れが遅れている北海道の気候に望みを託した。

 出発前日、予約した旅館に確認の電話を入れると、青天の霹靂の事態が発生。ダブルブッキングである。到着までに代替の宿を用意するという先方の言葉を信じつつも、ハイキングコースへのバスの利便や宿の設備と料金など、インターネット情報で吟味し決めた宿だったので、代替の宿と言われてもと不満もあった。おまけに最新の天気予報も良くない。でも仕方ない。一年越しの夢、礼文島に向かって羽田を飛び立つことになった。

礼文島へ

1日目 7月29日 / 晴れのち曇り

 飛行機が北海道上空を飛ぶと、雲海の上に顔を出した山が眼に飛び込んできた。まるで富士山そっくりである。蝦夷富士、羊蹄山だ。礼文島の後ニセコの山に登ることにしているのだが、羊蹄山には登らない。しかし空から眺めた堂々とした羊蹄山の存在感に、登ってみたい思いになった。しばらく飛ぶとやはり雲海に浮かぶ利尻富士、利尻山が見えてきた。通路を隔てた席の登山スタイルの夫婦が、伸び上がって見ようとしていた。利尻山登山の人なのだろう。それにしてもこの便は空席もチラホラ。もっと運賃を安くしてくれればいいのに。

稚内で登山用ガスカートリッジを買えるお店

 稚内空港に到着後、バスでフェリーターミナルへ。天気予報と違って空は青空だった。稚内ではガスカートリッジを購入しなければならない。事前に調べ電話で確認しておいたホームセンターの前をバスが通過した。ここはフェリーターミナルから距離があり、マイカー利用者向きである。

 ネットで得た情報では駅付近にホームセンターの支店と、また駅前商店街にはスポーツ用品店があるという。フェリーターミナルのコインロッカーにザックを預け、駅前商店街に行ってみることにした。フェリーターミナルの入り口に観光案内のデスクがあり、女性が座っていた。スポーツ用品店の場所を訊くと用意してある地図を渡され、何度も説明しましたという感じですらすら道案内されてしまった。登山者のガスカートリッジ問い合わせが多いことを窺わせた。

稚内 スポーツ用品店ハセガワ
稚内 スポーツ用品店ハセガワ

 フェリーターミナルから徒歩の場合は、ホームセンター駅前店よりスポーツ用品店「ハセガワ」が近い。商店街の中ほどにあるお店は、一見靴屋さん。ガスカートリッジの種類は揃っていた。

 15:10発最終便フェリーのデッキで、宗谷岬に建つ日本最北端の碑を見送った。ウミネコが船と競争を楽しんでいるかのようである。海は青く穏やかで、船は静かに滑るように航行している。利尻島が見えてきた。中腹に雲をたなびかせ起立した姿はやはり素晴らしかった。

礼文島に向かうQUEEN SOYA
礼文島に向かうQUEEN SOYA
稚内を出航
稚内を出航
稚内方面は快晴
稚内方面は快晴
雲がたなびく利尻富士
雲がたなびく利尻富士
稚内行き最終便
稚内行き最終便

 快適な船の旅も終わりに近づき、行く手に緑の島、礼文島が近づいてきた。17時過ぎ香深港到着。

ホテル礼文

 今回の山旅では、帰路に利用する寝台特急北斗星の個室を確実に取るために、往復の交通と宿泊がセットされた旅行社の企画プランを利用した。そのため礼文島での1泊は指定旅館に宿泊しなければならない。宿はフェリーターミナルの目の前に建つホテル礼文。部屋の窓からは利尻島が正面に望めるが、肝心の利尻山が雲に隠れてしまって残念だった。

ホテル礼文
ホテル礼文
心づかい
心づかい

 このホテル自慢の展望大浴場は小さいながらも露天風呂付で、目の前の利尻山を眺めながら入浴できる。水産会社も営業しているホテルなので、夕食のテーブルには特産の生うに、イクラ、カニ、ボタンエビなどの刺身やお料理が所狭しと並ぶ。

 それにしても翌日の天気予報が雨なのである。1年近く前からこの日を待っていたと言うのに…。部屋に置かれたテルテル坊主に祈るしかない。

ホテル礼文 »

 ダブルブッキングで宿泊不可能になった「旅館かもめ荘」の女将さんが、ホテルまでお詫びに出向いて下さるので、ロビーで面会することになった。8時半の待ち合わせ時間まで、1階ティーラウンジで催されている、花のガイドさんによる「礼文島の花のスライドショーとガイド」を見る。話し上手なガイド氏の説明は面白く、翌日の予定である桃岩展望台付近のお花畑に期待が膨らんだ。かもめ荘の女将さんがひたすら恐縮し詫びる姿に、出発前のわだかまりも解け好感が持てた。代替の民宿まで送迎してくださるとのお申し出と、お詫びの品も頂戴し、次回の折にはやはり泊まってみたいと思った。


拍手ボタンを押してくださると管理人の励みになります。

拍手する


画像をクリック(タップ)しても山行記録のページが開きます。

PAGE TOP