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96年に蝶ヶ岳ヒュッテを利用したときには、確か個室はなかったと思う。その後食堂や洗面所は改築されていて、2階部分が増築されたようだ。そこに新しい部屋と5~6室の個室が出来たようだった。個室は燕山荘のようにテーブル、鍵はないが、新しい寝具で気持ちが良かった。この日はひどく混んでいるわけでもなかったが、やはり個室は快適だ。
ブヨの腫れのせいで早く歩けず、ここまで来る途中で多くの方やグループに訳を言って先を譲ったりしたので、覚えられてしまっているらしい。食堂などでいろいろな方に「大丈夫ですか?」と声をかけていただきうれしいやら、恥ずかしいやら(^^;
5日目 8月2日 / 曇りときどき晴れのち小雨
寒さに震えながら日の出を鑑賞。雲が多くて穂高のモルゲンロートはついに見られずじまいだった。6年前(1996年の蝶ヶ岳山行)にはすっきりした槍・穂高連峰のパノラマと、日の入日の出のドラマチックな光景を見ることができたのに。
標高 燕岳:2763m / 常念岳:2446m / 蝶ヶ岳:2664m
場所 北アルプス
アクセス
JR大糸線穂高駅から代行マイクロバス40分中房温泉下車
山行日 2002/07/30-08/02
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標準コースタイム 約5時間
歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。
〔6:55〕蝶ヶ岳ヒュッテ出発:ステロイドの点滴も功を奏さず、寝て起きたらいっそう腫れがひどくなっていた。片目での下山はつらいが、6年前にも歩いたコースなので難路はないと知っているだけに気が楽であった。最後の日だし時間の余裕もありそうなので、小屋の朝食を食べてから出発とした。
〔7:20~7:25〕ダブルストックの威力を頼りにそろりそろりと下山開始。稜線を下りるとすぐにお花畑だった。以前は咲いていたミヤマクロユリは見当たらなかったが、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロ、クルマユリ、ウサギギク、コバイケイソウなど、妖精の池の辺りは花・花・花。
常念小屋で同室だったご夫婦は私たちとは逆コースで登られているのだが、長塀山の先で「遭難現場」に遭遇したそうである。中高年女性が転倒して骨折?したらしく、ヘリが砂塵を巻き上げながら、女性の転げ落ちたザックを救出中だったとか。その現場はどこかなと思いながら下っていたが、それらしい場所に出合わない。このコースは特に危険な箇所は見当たらないのだが、きっとなんでもない所でつまずいてしまったのだろう。
1箇所だけ左手に展望が開ける場所があり、前回登ってきたときに初めて展望が開けて感激したこと、涼しい風が心地よかったことを懐かしく思い出した。ところが夫はこの場所はまったく覚えていないと言う。何を見ながら登っているんだか(笑)
〔8:05~8:15〕長塀山:長塀山からはだんだん傾斜を増し、片目での緊張の下山がつらくなった。見える方の左目も疲れてしまい、休みがちとなっていった。
前回に休んだ場所の記憶と現実の一致があやふやで、山行に関しての記憶力を自負する私も心もとない。大きな段差にちょっとした鉄梯子が2箇所かかっていて、「えっ、こんなのあったっけ?」。思ったより急な坂道に「前は良く登ってきたねぇ」と昔の自分に感心したり(笑)
〔13:20~13:45〕徳沢(昼食):徳沢に近づくころ、この山行中で初めての雨がパラつくが、雨具を着るほどではなく徳沢到着。ふ~長かった!
片目歩行でなければお昼前には到着できたのに、ヨチヨチ歩きで遅くなりもうお腹ペコペコ。徳沢園の食堂でのざる蕎麦とソフトクリームが本当においしかった。
時折パラパラと降る雨も気にならず、明神でのリンゴを楽しみにダブルストックをどんどん漕ぐ。路端のキツリフネが可愛い。
〔14:40~14:50〕明神:明神からは観光客も多くなって、同年代の女性に「どこの山に登ったのですか?」と声をかけていただいた。「燕岳から蝶ヶ岳」と答えてびっくりされたり感心されたりして、なんとなく誇らしい気持ち(^^)
旧安房峠へ向かって上がった場所に建て替えられた宿は、山の秘湯という雰囲気はないモダンな旅館だ。しかし窓から穂高も見え、従業員もアットホームで感じが良かった。
4日ぶりのお風呂、なんと気持ちよかったこと!
宿の横手から登る焼岳登山道があり、詳細なコース説明入りの絵地図を頂いた。この宿に連泊して焼岳登山も良いだろう。
最終日 8月3日 / 曇りときどき晴れ / 上高地散策・帰京
夕方の特急までの時間を利用して上高地へ戻って散策した。土曜日だったので観光客や登山者でたいへんな賑わいである。まぶたの腫れが引かないため、「転ばぬ先の杖」よろしくお気楽遊歩道もダブルストックで散策。大正池まで往復してから昼食。そして梓川沿いのベンチで山行中は活躍の場がなかったストーブを使い、コーヒーを煎れてのんびりした。
朝は晴天で梓川越しの穂高の山並みと、大正池からの焼岳もクッキリだったが、時間が経つにつれ穂高にはだんだん雲がかかった。山行中を通してずっとお昼頃から雲が湧きやすい天気だったが、午前中は展望に優れたコースを十二分に堪能し、雨にも遭わず、雷発生が多い山域にもかかわらず一度も雷は鳴らず、本当に幸運に恵まれた山行だった。
帰りの特急電車でぐっすり寝て新宿駅に下り立つと、あれ~?なんかよく見えているみたい…。まぶたの腫れが少しだが引いて、薄目ながら両目で見えていた。
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標高 燕岳:2763m / 常念岳:2446m / 蝶ヶ岳:2664m
場所 北アルプス
アクセス
JR大糸線穂高駅から代行マイクロバス40分中房温泉下車
山行日 2002/07/30-08/02