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蝶ヶ岳ヒュッテから上高地へ下山

蝶ヶ岳ヒュッテ

蝶ヶ岳ヒュッテ
蝶ヶ岳ヒュッテ

 96年に蝶ヶ岳ヒュッテを利用したときには、確か個室はなかったと思う。その後食堂や洗面所は改築されていて、2階部分が増築されたようだ。そこに新しい部屋と5~6室の個室が出来たようだった。個室は燕山荘のようにテーブル、鍵はないが、新しい寝具で気持ちが良かった。この日はひどく混んでいるわけでもなかったが、やはり個室は快適だ。

 ブヨの腫れのせいで早く歩けず、ここまで来る途中で多くの方やグループに訳を言って先を譲ったりしたので、覚えられてしまっているらしい。食堂などでいろいろな方に「大丈夫ですか?」と声をかけていただきうれしいやら、恥ずかしいやら(^^;


5日目 8月2日 / 曇りときどき晴れのち小雨

蝶ヶ岳ヒュッテ前で迎える日の出
蝶ヶ岳ヒュッテ前で迎える日の出

 寒さに震えながら日の出を鑑賞。雲が多くて穂高のモルゲンロートはついに見られずじまいだった。6年前(1996年の蝶ヶ岳山行)にはすっきりした槍・穂高連峰のパノラマと、日の入日の出のドラマチックな光景を見ることができたのに。

1996年の蝶ヶ岳山行記録 »

蝶ヶ岳ヒュッテ前から望む穂高連峰
蝶ヶ岳ヒュッテ前から望む穂高連峰

 山行前の天気予報では2日まで晴天が続くはずだったのだが、どうやら今日は下り坂らしい。

標準コースタイム 約5時間

蝶ヶ岳ヒュッテ --40分-- 長塀山 --2時間20分-- 徳沢 --1時間-- 明神 --1時間-- 上高地バスターミナル

 歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。

 ルートマップ全体図は下のリンクボタンで開きます。レポートに戻るときは、ブラウザやスマートフォンの「戻るボタン」か、右下の「山行記録に戻る」ボタンで戻ってください。

〔6:55〕蝶ヶ岳ヒュッテ出発:ステロイドの点滴も功を奏さず、寝て起きたらいっそう腫れがひどくなっていた。片目での下山はつらいが、6年前にも歩いたコースなので難路はないと知っているだけに気が楽であった。最後の日だし時間の余裕もありそうなので、小屋の朝食を食べてから出発とした。

妖精の池

妖精の池
妖精の池
妖精の池周辺のお花畑
妖精の池周辺のお花畑

〔7:20~7:25〕ダブルストックの威力を頼りにそろりそろりと下山開始。稜線を下りるとすぐにお花畑だった。以前は咲いていたミヤマクロユリは見当たらなかったが、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロ、クルマユリ、ウサギギク、コバイケイソウなど、妖精の池の辺りは花・花・花。

妖精の池周辺に咲いていた花々

ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ
モミジカラマツ
モミジカラマツ
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
ハクサンボウフウ
ハクサンボウフウ
ツマトリソウ
ツマトリソウ

 ブヨ刺されの腫れでの片目では、デジカメの液晶画面に目の焦点が合わずまともに撮影できなかった。

 常念小屋で同室だったご夫婦は私たちとは逆コースで登られているのだが、長塀山の先で「遭難現場」に遭遇したそうである。中高年女性が転倒して骨折?したらしく、ヘリが砂塵を巻き上げながら、女性の転げ落ちたザックを救出中だったとか。その現場はどこかなと思いながら下っていたが、それらしい場所に出合わない。このコースは特に危険な箇所は見当たらないのだが、きっとなんでもない所でつまずいてしまったのだろう。

 1箇所だけ左手に展望が開ける場所があり、前回登ってきたときに初めて展望が開けて感激したこと、涼しい風が心地よかったことを懐かしく思い出した。ところが夫はこの場所はまったく覚えていないと言う。何を見ながら登っているんだか(笑)

〔8:05~8:15〕長塀山:長塀山からはだんだん傾斜を増し、片目での緊張の下山がつらくなった。見える方の左目も疲れてしまい、休みがちとなっていった。

 前回に休んだ場所の記憶と現実の一致があやふやで、山行に関しての記憶力を自負する私も心もとない。大きな段差にちょっとした鉄梯子が2箇所かかっていて、「えっ、こんなのあったっけ?」。思ったより急な坂道に「前は良く登ってきたねぇ」と昔の自分に感心したり(笑)

徳沢に到着
徳沢に到着

〔13:20~13:45〕徳沢(昼食):徳沢に近づくころ、この山行中で初めての雨がパラつくが、雨具を着るほどではなく徳沢到着。ふ~長かった!

 片目歩行でなければお昼前には到着できたのに、ヨチヨチ歩きで遅くなりもうお腹ペコペコ。徳沢園の食堂でのざる蕎麦とソフトクリームが本当においしかった。

 時折パラパラと降る雨も気にならず、明神でのリンゴを楽しみにダブルストックをどんどん漕ぐ。路端のキツリフネが可愛い。

〔14:40~14:50〕明神:明神からは観光客も多くなって、同年代の女性に「どこの山に登ったのですか?」と声をかけていただいた。「燕岳から蝶ヶ岳」と答えてびっくりされたり感心されたりして、なんとなく誇らしい気持ち(^^)

雨の河童橋
雨の河童橋

〔15:55〕上高地バスターミナル到着:雨は上高地の河童橋に到着したとたんに本降りになり始めた。バスターミナルのタクシー乗り場に駆け込んで、さほど濡れずに無事に山行終了。


中の湯温泉 中の湯温泉旅館

中の湯温泉 中の湯温泉旅館
中の湯温泉 中の湯温泉旅館
窓からは穂高岳が見える
窓からは穂高岳が見える

 旧安房峠へ向かって上がった場所に建て替えられた宿は、山の秘湯という雰囲気はないモダンな旅館だ。しかし窓から穂高も見え、従業員もアットホームで感じが良かった。

 4日ぶりのお風呂、なんと気持ちよかったこと!

 宿の横手から登る焼岳登山道があり、詳細なコース説明入りの絵地図を頂いた。この宿に連泊して焼岳登山も良いだろう。


最終日 8月3日 / 曇りときどき晴れ / 上高地散策・帰京

賑わう大正池
賑わう大正池
大正池越しの焼岳
大正池越しの焼岳

 夕方の特急までの時間を利用して上高地へ戻って散策した。土曜日だったので観光客や登山者でたいへんな賑わいである。まぶたの腫れが引かないため、「転ばぬ先の杖」よろしくお気楽遊歩道もダブルストックで散策。大正池まで往復してから昼食。そして梓川沿いのベンチで山行中は活躍の場がなかったストーブを使い、コーヒーを煎れてのんびりした。

上高地遊歩道
上高地遊歩道
梓川越しの穂高
梓川越しの穂高

 朝は晴天で梓川越しの穂高の山並みと、大正池からの焼岳もクッキリだったが、時間が経つにつれ穂高にはだんだん雲がかかった。山行中を通してずっとお昼頃から雲が湧きやすい天気だったが、午前中は展望に優れたコースを十二分に堪能し、雨にも遭わず、雷発生が多い山域にもかかわらず一度も雷は鳴らず、本当に幸運に恵まれた山行だった。

 帰りの特急電車でぐっすり寝て新宿駅に下り立つと、あれ~?なんかよく見えているみたい…。まぶたの腫れが少しだが引いて、薄目ながら両目で見えていた。


登山データ

標高 燕岳:2763m / 常念岳:2446m / 蝶ヶ岳:2664m

場所 北アルプス

アクセス

JR大糸線穂高駅から代行マイクロバス40分中房温泉下車


山行日 2002/07/30-08/02

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