余計な前書き 台風が来た。2ヶ月も前から宿と山小屋を予約して楽しみにしていた、会津駒ヶ岳の山行当日にちょうど接近してくる予想になった。大型で勢力が強いが暴風雨をもたらすわけでもなさそうだ。しかし進路次第では、2000mを越す山では大雨になることだろう。悩んだ末に多少の雨でも安全に歩ける尾瀬に変更した。

 我が家恒例の夏の終わりを惜しむ「お疲れさん山行」なので、山行前後にのんびり温泉泊。おまけに尾瀬の山小屋も温泉つき(^^)。尾瀬の小屋は既に混雑するピークを過ぎ、2日前にも関わらず予約がとれて個室のプラス料金も必要なかった。

尾瀬ヶ原 (1)

1日目 8月17日

 6月に田代山に行った時と同じ東武鬼怒川線の快速で檜枝岐温泉へ。この快速電車の会津高原駅までの所要時間は急行とさほど変わらないうえ、一応ボックスシートなので旅の気分に浸れる。例によって電車に乗り込む前にデパ地下に寄り、山行中の昼食用あんぱんと車内でのお弁当を調達。今回のお弁当は特売のノボリに惹かれて巻き寿司だ。これも電車での「のんびり山旅」の楽しみのひとつ(^^)

 宿泊は桧枝岐温泉の「かぎや旅館」で、特産の蕎麦を使ったお料理に舌鼓を打った。夕食後に桧枝岐村の隣、舘岩村の住人であるヤス&キョムご夫妻が訪問してくださった。田代山の時と同様にまたもや夜のドライブを強いてしまって恐縮だったが、お二人の夏山、雨と雷の北アルプス笠ヶ岳のお話を聞いたりして楽しいひとときだった。

2日目 8月18日 / 曇りのち雨

 台風はノロノロと中部地方から関東地方のあたりをさまよっていて、中部地方に大雨をもたらしているらしい。万が一晴れるような場合は燧ヶ岳に登ろうとも考えていた。しかし前夜に検討したところ、宿泊する温泉小屋からの登山道は悪路のようだし、天候が回復する兆しもない。これで完全に尾瀬のお気楽ハイキングへと気持ちを切り替えた。

 旅館の傍のバス停からバスに乗り、尾瀬沼山峠登山口に向かった。途中に会津駒ヶ岳から下山予定だった「キリンテ」という場所を通過する。バスの窓から未練たっぷりに見送った。

 御池でマイカーからバスに乗り換える人たちの乗車を待つ。乗り込んできた若者の服装は、どう見てもハイキングをしに来たような格好ではない。ビーチサンダルのお兄さんはまだしも、肩もあらわなタンクトップにヒールの高さ8センチはあろうかというミュール(サンダルのような履物)の若い女の子に絶句。

標準コースタイム 約4時間20分

尾瀬沼山峠登山口 --25分-- 沼山峠展望台 --20分-- 小淵沢田代分岐 --20分-- 尾瀬沼東岸 --20分-- 長英新道分岐 --40分-- 沼尻 --(白砂峠経由)1時間40分-- 見晴(下田代十字路) --15分-- 東電小屋分岐 --20分-- 温泉小屋

 歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。

 ルートマップ全体図は下のリンクボタンで開きます。レポートに戻るときは、ブラウザやスマートフォンの「戻るボタン」か、右下の「山行記録に戻る」ボタンで戻ってください。

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沼山峠休憩所
沼山峠休憩所

〔10:05〕沼山峠登山口出発:沼山峠休憩所(現「山の駅沼山峠」)でトイレを済ませ、登山道へ。コースは初めから木道を進む。1996年6月に逆コースで同じコースを歩いたときは、木道は残雪の下だった。

《参照》1996年6月の山行記録 »

沼山峠展望台
沼山峠展望台
沼山峠展望台
沼山峠展望台
ハクサンシャジン
ハクサンシャジン

〔10:35〕沼山峠展望台:沼山峠の展望台からは尾瀬沼を望むことができて、とりあえず天気は持ちそうだった。夏休みのため家族連れのハイカーが多く、子供の声が賑やかだ。三世代ハイキングのファミリーも珍しくない。まだ咲き残るハクサンシャジン、ゴザンタチバナやタケシマランは赤い実をつけて、エゾリンドウも咲き始めている。

大江湿原

大江湿原
大江湿原
イワショウブが咲く大江湿原
イワショウブが咲く大江湿原

〔10:50〕大江湿原が見えてきた。今年のニッコウキスゲの開花は素晴らしかったそうだ。7月に湿原一面を黄色に染めたというニッコウキスゲは実を結び、今はキンコウカが咲き出して、イワショウブが原全体に白い星を散らしたように咲いていた。

ヤナギランの丘

ヤナギランの丘
ヤナギランの丘
ヤナギランの丘から尾瀬沼
ヤナギランの丘から尾瀬沼

 ヤナギランの丘(平野家の墓)のヤナギランがちょうど見ごろで、花の垣根越しに見る尾瀬沼もまたいい。

尾瀬沼北畔コース

誰もいない木道
誰もいない木道
静かな尾瀬
静かな尾瀬

〔11:25~11:35〕尾瀬沼東畔:ハイキングシーズンのピーク時と比べればハイカーは大分少なく、さらに尾瀬沼北畔コースで白砂峠へ向かう人は殆どいなかった。燧ヶ岳は厚い雲に覆われていたが、ここからは本当に静かな尾瀬を堪能することになった。

沼尻
沼尻

〔12:20〕沼尻:沼尻を過ぎ楽しみにしていた沼尻蕎麦屋さんに着くと、なんとお店は閉まっていて休店の張り紙にがっかり(追記:沼尻蕎麦屋は2003年に営業終了だそうです)。少し先の誰も来ない静かな湿原のベンチで、持ってきたパンの簡単な昼食。それもまた良し。

白砂峠への登り
白砂峠への登り
白砂峠
白砂峠
ダンゴヤ沢を渡る
ダンゴヤ沢を渡る

〔13:00〕白砂峠:白砂峠(白砂乗越)への登りは岩ゴロである。ここも前に歩いたときには雪に埋もれていたので、初めてのコースを歩いているような気持ちだった。いかにもブヨが多そうな場所で、案の定ブヨがいてひやひやした。

 白砂峠を越えると緩やかな下り(段小屋坂)になるが、濡れている木道が滑りやすい。


登山データ

場所 尾瀬


アクセス

会津鬼怒川線会津高原駅からバス2時間20分沼山峠


山行日 2002/08/18-19

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