余計な前書き 初めての3000m峰登頂は、山歩きを始めた翌年の1994年8月の乗鞍岳だった。

1994年8月剣ヶ峰
1994年8月剣ヶ峰(証拠写真)

 前日に上高地を横尾まで歩いて、足慣らをしてから乗鞍高原に入った。ところが畳平から歩き出してまもなく、篠つく雨になり、肩ノ小屋で小降りになるのを待った。登ったものの山頂ではホワイトアウトという、生憎の北アルプスデビューだった。ただし直前に購入したゴアテックスのレインウェアの機能にはいたく感心したものだ。

 不完全燃焼だった乗鞍岳に、次の年の夏再び登ることにした。畳平からの往復だけでは安直な気がして、下山は乗鞍エコーラインをショートカットしている登山道で乗鞍高原に下りる計画にした。

乗鞍岳 (1)

1日目 7月25日 / 晴れ

 前日に関東甲信越と東北の梅雨が明け、朝から30℃を越えて暑くなった。バスは夏ダイヤ改正前で本数が少なく、乗り継ぎが不便だった。中の湯、平湯とバスを乗り換えて畳平入り。(追記:安房トンネルが完成する以前のため)

 山小屋到着後、魔王岳に登ったりお花畑の散策路を歩いた。コイワカガミやハクサンイチゲ、そしてクロユリなどが咲き乱れるさまを見たのは、これが初めてだったので感激。夫が少し頭痛がする言う。軽い高度障害(高山病)らしかった。早朝に東京の自宅を発ち、午後2時には標高2700mに居るという激変のせいだろう。

白雲荘
白雲荘

 ターミナルから少し離れた山小屋白雲荘の夕食はなんとステーキ。夜、テラスに出て星空を仰ぎ流れ星を数えた。駐車場から離れていても街灯の明かりが邪魔だが、それでも満天の星空だった。消灯後、部屋(全部個室)の窓から、山の端を浮かび上がらせる稲光を見ながら床に付いた。

2日目 7月26日 / 晴れ

鶴ヶ池
鶴ヶ池

 朝食前に小屋の前の鶴ヶ池付近を散歩した。素晴らしい青空だった。少し登れば雲海の上に御嶽山と槍ヶ岳・穂高連峰が見えた。

標準コースタイム 4時間20分

畳平(白雲荘)--30分-- 肩ノ小屋 --45分-- 鞍部 --10分-- 剣ヶ峰頂上 --45分-- 肩ノ小屋 --1時間-- 肩ノ小屋口バス停 --40分-- 位ヶ原山荘 --30分-- 冷泉小屋

【予定】-- 冷泉小屋 --1時間10分-- 三本滝分岐 --40分-- 鈴蘭橋

 歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。

 ルートマップ全体図は下のリンクボタンで開きます。レポートに戻るときは、ブラウザやスマートフォンの「戻るボタン」か、右下の「山行記録に戻る」ボタンで戻ってください。


〔8:05〕畳平(白雲荘)出発:出発してからますます空の青さは増して、山頂からの展望の期待に心は弾む。肩ノ小屋までは舗装路を行く。

槍・穂高を望む 左手にコロナ観測所のドーム
槍・穂高を望む 左手にコロナ観測所のドーム
槍・穂高を望む
槍・穂高を望む

〔8:35~8:45〕肩ノ小屋:肩ノ小屋からは岩屑交じりの急登や、大きな岩ゴロだったりの登山道である。標高が上がるにつれ槍・穂高がせりあがり、素晴らしい眺めだった。

 観光地化されているため軽装のハイカーが多い。スカートでスニーカーでもないカジュアルシューズの中年女性が、岩ゴロの登山道を登っていた。鞍部までさえたどり着けなかったようだが、一歩間違えば(滑ったら)捻挫間違いなしなのに。

〔9:30~9:35〕鞍部:朝日岳と剣ヶ峰の鞍部からは頂上はもうすぐだ。火口壁まで登れば見下ろす権現池の色が美しい。

剣ヶ峰登頂
剣ヶ峰登頂

〔9:45~10:20〕剣ヶ峰山頂:最後の急登を頑張って2度目の乗鞍岳最高峰、剣ヶ峰の頂に立った。

 いくぶん雲が出てきたが槍ヶ岳、穂高、御嶽山と素晴らしい展望だった。反対側の高い山塊は白山だろう。雲が流れてきて展望を隠していくまで、山頂での時間をたっぷりとって、前年の雨の口惜しさを晴らした。

紺碧の権現池
紺碧の権現池
鞍部を見下ろす
鞍部を見下ろす

 肩ノ小屋まで戻る際は、登山道が砂礫のザレなので滑りやすい。スニーカーの家族連れが滑って転んだりしていたが、滑落の危険はない。乗鞍岳は天候の急変に備えた装備、服装をもってすれば、誰でも登れる3000m峰なのだった。

 山頂を目指す登山者も増えてきたが、この時間だと山頂からの展望はあまり期待できない。やはり畳平の小屋泊まりは良い選択だった。

〔11:05~11:50〕肩ノ小屋:肩ノ小屋で昼食。ガイドブックなどに乗鞍高原鈴蘭に至る登山道について殆ど記載がなくて情報不足だったため、小屋で情報収集。つい最近登ってきた登山者があったそうで、とりあえず安心した。

大雪渓
大雪渓

 小屋の裏手から大雪渓の脇の登山道を下山開始。大雪渓では夏合宿の大学のスキー部がスキーをしていた。この年は残雪が多めで、所々登山道が雪に隠れていたため踏み抜かないように注意して下りていった。

キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲ
チングルマ
チングルマ
コイワカガミとアオノツガザクラ
コイワカガミとアオノツガザクラ

 お花畑の美しさに、たびたび足が止まってしまう。キバナシャクナゲの群生、コイワカガミとアオノツガザクラ、チングルマなど、高山植物を見るのが初めて同然であるその頃の私たちは、一つ一つに歓声を上げて写真撮影態勢。そのため足が進まなかった。

 エコーラインの車道と合わさる肩ノ小屋口付近ではシナノキンバイ、ミヤマキンバイ、コバイケイソウが咲いていた。

登山データ

乗鞍岳(剣ヶ峰):標高 2932m


場所 北アルプス南部


アクセス

JR松本駅バス畳平バスターミナル


山行日 1995/07/26

拍手ボタンを押してくださると管理人の励みになります。

拍手する


画像をクリック(タップ)しても山行記録のページが開きます。

PAGE TOP