鞍掛山 (4) 網張温泉と松川温泉

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休暇村岩手網張温泉

 網張温泉へ向かうバスの窓からは、角度によって山容を変えていく岩手山の眺めが素晴らしかった。標高が上がり日陰には残雪が見られるようになってきて、網張温泉に到着した。

休暇村岩手網張温泉から望む秋田駒ヶ岳と烏帽子岳
休暇村岩手網張温泉から望む
秋田駒ヶ岳と烏帽子岳

 休暇村岩手網張温泉は高台に建ち、周囲は網張スキー場のゲレンデで建造物がないことから、素晴らしい展望に恵まれている。展望が得られる西側の客室を取ったので、部屋の窓からも残雪の秋田駒ヶ岳と烏帽子岳(乳頭山)の眺めを楽しんだ。

 鞍掛山頂上からさらに西に移動して、近くなった秋田駒ヶ岳が秀麗である。烏帽子岳は岩手県での呼称で、秋田県では乳頭山である。私たちは以前乳頭温泉郷の孫六温泉から登ったことがあるので、やはり「乳頭山」という名前の方が馴染む。しかしここから見ると山容はまさに烏帽子で、「烏帽子岳」だよなぁと思う。

日帰り温泉棟へ行く橋と足湯
日帰り温泉棟へ行く橋と足湯

 本館とは別に日帰り温泉棟「薬師の湯」があり、宿泊者は無料で利用できるが、タイミングが合わなかったり億劫だったりで利用しなかった。さらに登山道を10分ほど行くと野天風呂もある。まだ冬期閉鎖中なのかどうか確認しなかったが、ともかく見に行くだけでも行こうと考えていたのに、結局行かずじまい(^^ゞ

 スキーシーズンも大型連休も終わったが、それなりの賑わいだった。翌朝の朝食会場(ビュッフェスタイル)の様子を見ると、ほぼ満室だったようだ。この日は団体客は入っていなかったようで、館内がざわざわした雰囲気がしなかったのは幸いだった。夕食も基本はビュッフェスタイルだが、予約時に会席コースを頼んだ。春なので、素材は山菜尽くしである(^^) 他に胡麻入り南部せんべいを砕いて衣に使った海老の天ぷらと、雲丹おこわが気に入った。

 本館の大浴場「大釈の湯」は露天風呂つきで秋田駒ヶ岳の展望が得られる。広くて露天風呂つきの「大釈の湯」に利用者が偏るので、露天風呂がない内湯「白泉の湯」へ行くといつも貸切り状態だった。前日の「お山の湯」はあまり温泉らしくなかったので、白濁した単純硫黄泉を存分に満喫。ただ「白泉の湯」の浴室は、あまりに趣も芸もなさすぎだと思う(笑)


5月12日 / 曇りのち雨

 網張温泉から松川温泉へは、登山道で山越えして歩いて行くことができる。そういう山歩きは好きなのだが、この時期積雪もあるし、今回は鞍掛山でのお気楽ハイキング+温泉巡りのつもりでいるので、再度盛岡に出てバスを乗り換えて向かった。いわば岩手山の南麓をぐるっとバスでのドライブである。折しも西日本に激しい雨をもたらしている台風が東北に近づいていて、ドライブ日和とは行かなかったが。盛岡駅での早めの昼食は「盛岡冷麺」(^^)

松川温泉 峡雲荘

 八幡平周辺には魅力的な秘湯が多い。初めて八幡平を訪れた1996年夏に、八幡平山頂から蒸ノ湯へ下山するコースを歩き蒸ノ湯温泉に宿泊している。2008年秋に再訪して、このときには藤七温泉に泊まった。松川温泉は八幡平から登山道があっても行程が長すぎて不可能なので、なかなか行く機会が作れなかった。しかし1996年夏に蒸ノ湯温泉のバス停留所で居合わせた人が、松川温泉が良かったと話していた記憶が忘れられなかったのである。

2008年10月八幡平山行と藤七温泉の記録 »

松川温泉 峡雲荘
松川温泉 峡雲荘

 松川温泉には数件の旅館があり、そのうち「峡雲荘」と「松楓荘」の2軒がスタンプラリーをしている「日本秘湯を守る会」の会員旅館である。ネット情報によれば松楓荘のほうが秘湯の雰囲気が濃い山宿風で、峡雲荘のほうは設備が比較的近代化された旅館らしい。今回は地理的に一番奥手にある峡雲荘を選んだ。

 松川温泉に向かうバスに乗車中、途中から細かい雨が降り出していたが、峡雲荘の玄関先がバスの終点である停留所なので、傘は使わずに済んだ。

部屋の窓からは岩手山が見える
部屋の窓からは岩手山が見える
北に八幡平を望む
北に八幡平を望む

 部屋に案内されて窓からの景色を見ると、手前の山並みの向こうに雪を抱いた山が見えた。方角からすると、岩手山の一部だろう。廊下の突き当たりの非常口の窓からは、白い煙を大量にモクモクと吐いている地熱発電所と、やはり残雪の山が見える。こちらは八幡平の山頂部だろう。

松川温泉峡雲荘の露天風呂

混浴露天風呂
混浴露天風呂
女性専用露天風呂
女性専用露天風呂

 混浴露天風呂からは近くの地熱発電所が見える。女性専用露天風呂は混浴露天風呂より少し狭い造りだが、八幡平の山が望める。網張温泉と同じく単純硫黄泉の濁り湯だが、網張温泉より濃くて乳白色と言うより青白い。特に太陽光線が当る露天風呂は、湯に浸かると更に青みが増して見えて素晴らしかった。

 内湯の洗い場の水栓が水だけだったので、あれ?と思ったら、かけ湯用の湯溜め桶があり手桶で汲んで使うのである。傍に居たおばあさんが「湯の花で詰まってしまうからお湯の水栓はないの」と教えてくださった。この宿の大ファンで、日帰り入浴回数券を使って週に1回は利用する常連だそうである。掛け流しの湯は少し熱めだったので、おばあさんとお喋りながら浸かっていたらのぼせそうになってしまった(笑)

峡雲荘の夕食
峡雲荘の夕食
山菜の天ぷら
山菜の天ぷら

 夕食の献立は山宿の定番コースだった。旬の山菜をたっぷりいただけるのはうれしい。部屋食なので落ち着けて料理の写真も気兼ねなく撮れるのだが、天ぷらも含め、お料理が冷めてしまっているのが部屋食のデメリットである。

 館内の暖房は温泉熱か地熱発電所からの蒸気熱を利用しているらしく、各客室でのオンオフができない。寒い季節なら問題ないが、端境期のこの時期は暑かったり寒かったりで、オンオフができないのは少々不便だった。チェックイン時から暖房が入っていて、暑い場合は窓を開けて調整してくださいとのこと。この日の雨は吹き降りでなかったので、日中はそれで対応できた。しかし台風から変わった熱帯低気圧が通過中。深夜に雨が吹き込んでも困るため、就寝時は窓を閉めて寝たら暑くて眠れない有様だった。この点と願わくはトイレが温水洗浄便座であれば、満点の宿である。ただし温泉の良さはその欠点を補って余りある。


5月13日 帰京

 私と入れ替わりに夫が朝風呂入浴で部屋を出てしばらく経った6時過ぎ、スマートフォンの緊急地震速報がけたたましく鳴った。夫のと2つのスマホが鳴るので、緊急感も2倍。滞在中の旅館でこういう事態だと、どうして良いかわからない。揺れが来る前ガラス窓に填めてある障子がガタガタ音を立て、不安が高まった。とりあえず天井を見ると照明器具は落ちてくるタイプではないので、敷いたままの布団に座って地震速報に変わったテレビを注視した。開けてある窓の外から、防災無線での「震度5弱の地震発生。落ち着いて行動するように」とのアナウンスが流れてきた。揺れそのものはそれほど強くないまま短時間で収まった。

 入浴中の夫が慌てて、温泉で滑りやすい浴室内で転倒していたりしないか…と心配して待ったが、なかなか帰ってこなかった。聞けば揺れもさほど感じず、内湯の中は防災無線の放送も良く聞こえず、入浴客と「ひょっとして地震があったのかな」と言い合いながらも平気でそのまま入浴続行だったとか(笑) 

 その後の情報だと、松川温泉がある八幡平市は震度4だった。

 前夜の雨量は大したことがなかったが、地震と降雨での土砂崩れを心配した。しかし松川温泉周辺や道路にも全く被害がなく、無事にバスで盛岡に到着。新幹線の運行の乱れは「上り」については解消しつつあり一安心。名物の「盛岡じゃじゃ麺」に舌鼓を打った後、定時発車だった新幹線で帰京した。


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