余計な前書き 北アルプス入門のコースと言われる乗鞍岳や蝶ヶ岳に加えて、鹿島槍ヶ岳への登山道のひとつ柏原新道は、初心者にも登りやすいと聞いていた。昨年夏爺ヶ岳に登った友人からの情報も後押しになり、山中の山小屋2泊、入山前・下山後にも宿泊という、毎度のことながらの大名山行計画で登ることした。思い起こせばかつて立山室堂にハイキングに行った折に、黒部ダムの大観峰の展望台から見た後立山連峰に感動してから7年を経ている。そして後立山連峰のなかでも鹿島槍ヶ岳は、双耳峰がひときわ美しい。鹿島槍は一言で言うならばカッコイイ山なのである。

7月31日 / 晴れ時々曇り

 新宿に出るための地下鉄の車内でのこと、隣りに座った中年のサラリーマンが突然「どちらの山にいらっしゃるんですか?」と話し掛けてきた。登山をなさるとのことでそのまま話が弾む。「種池から針ノ木岳のコースが人が少なく静かで良い」と勧められた。平日の通勤ラッシュを少し過ぎたばかりの時間に電車で見知らぬ方とおしゃべりするという不思議なひとときだった。

 信濃大町に午後1時頃到着。先ずは美味しい本場のお蕎麦を食べたいと思い、駅前商店街の老舗こばやしへ行く。お店の前に駐車している車のナンバーは横浜、名古屋など県外ばかりである。評判のお店ということなのだろう。本場の手打ち蕎麦に大満足してお店を出たら、予定していた山岳博物館へ行く時間の余裕がなくなってしまった。博物館からの展望も望めそうにないし、空も今にも雨が落ちそうな雲行きなので、早めのバスで扇沢へ行くことにした。皮肉なことに扇沢までの道のりの途中、空は再び青空になった。

 扇沢でバスを降りると、さすがに風が爽やかで気持ちが良い。バス停から少し戻りアルペンホテル扇沢(注:現在は扇沢ロッジ)へ行く。平日のため宿泊客は少なく静かであった。大浴場は温泉ではないが、湧き水を利用しているためか柔らかい感触のお湯である。1泊2食8000円のところ朝食抜きで7500円、山小屋より安い宿泊費で済んだ。

※ 扇沢ロッジは2009年春頃に廃業

扇沢出合から冷池山荘 (1)

1日目 8月1日 / 晴れのち曇り

標準コースタイム 約5時間50分

扇沢出合登山口 --1時間20分-- ケルン --2時間30分-- 種池山荘 --1時間-- 爺ヶ岳中峰 --1時間-- 冷池山荘

 歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。

 ルートマップ全体図は下のリンクボタンで開きます。レポートに戻るときは、ブラウザやスマートフォンの「戻るボタン」か、右下の「山行記録に戻る」ボタンで戻ってください。

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〔5:00〕アルペンホテル出発:アルペンホテルでは昼食弁当のサービスはあるが、朝食をお弁当にしてもらえなかった(夏期は食中毒の心配からサービス休止とか)ので、持参したパンなどを部屋で食べてから出発した。

〔5:15〕扇沢出合:橋を渡り扇沢出合に着くと数台の車が駐車しており、同年代のご夫婦が登山の支度中だった。ご挨拶して先に登りだすが、すぐに追いつかれる。「初めてのテント装備が重い」とおっしゃる割には速い。別の同年代のご夫婦もやって来て、彼らとは抜きつ抜かれつで冷池山荘まで行くことになる。

柏原新道

 地形を上手く利用して歩きやすく造られていると定評の、柏原新道は本当に歩きやすくて感心した。ガイドブックなどでは登山口からケルンまでのモミジ坂は比較的急な登りとなっているが、大きな段差がないのでそれほど急登には感じなかった。

登り始め
登り始め
桟道
桟道
石畳
石畳

 えぐれかけた箇所も歩幅を考えた桟道に補修され、石組みの石畳の箇所も浮石も殆どなくガッシリと丁寧に造られている。

柏原新道からの展望
柏原新道からの展望
扇沢が眼下に
扇沢が眼下に
ケルン
ケルン

〔6:50〕ケルン:後から追いついた方があり、アルペンホテルで同宿だった年配のご夫婦だった。針ノ木岳に行くそうだ。眼下に見下ろすアルペンホテルの赤い屋根と扇沢のバスターミナルがずいぶん下になりケルンに着いた。この辺りからは左側に岩小屋沢岳などの稜線を望み、谷から涼しい風も渡り登るのも楽になった。遥か上の主稜線に乗っているはずの種池山荘は雲に隠されて見えない。足元にはゴゼンタチバナが咲く。

 雲間に見え隠れする種池山荘まで、道は急になったり緩やかになったりしながら長い。遅くまで雪が残るという沢も登山道下に残雪が落ちていて、何の心配もなく渡れた。

種池山荘

 青空に映えた種池山荘の赤い屋根が間近に見え、急坂を登りだすとまたもやガスがお花畑を覆った。この広大なお花畑にはコバイケイソウが多いが、昨年が大当たり年だったためか、今年は一株も花をつけていなかった。最盛期は過ぎていたようだが、クルマユリ、ハクサンフウロ、ウサギギクなどが咲いていた。

種池山荘が目前に
種池山荘が目前に
雷鳥
雷鳥

 小屋のすぐ手前で足元から聞こえるピュルピュルーというような鳥の鳴き声に気づき足をとめると、脇から雷鳥の幼鳥がお出まし。続いて出てきた母鳥は、何の警戒心もなく私の足元20センチ程まで近づいてきてビックリした。

〔10:10~10:55〕種池山荘:種池山荘では昼食メニューにラーメンがあったので注文。魚肉ソーセージが乗っている山小屋ならではのラーメンだった。同じテーブルに付いた同年代ご夫婦とは、その後も前後して歩くことになり、すっかり打ち解けることになった。


登山データ

鹿島槍ヶ岳:標高 2670m

場所 北アルプス北部


アクセス

JR大糸線信濃大町駅バス40分扇沢


山行日 2001/08/01-03

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