余計な前書き 鼻曲山へのアプローチは長日向から登る、霧積温泉まで旅館の送迎車で入る、または旧碓氷峠から留夫山の尾根を登るコース(健脚向き)などがある。宿泊する霧積館の送迎車で入山するのも物足りなく感じ、ガイドブックには紹介されていない旧碓氷峠から霧積館へダイレクトに行く林道を歩くことにした。

 旧軽井沢に降り立ち、旧軽メインストリートを行く。みやげ物屋や喫茶店が建ち並び夏は賑わうこの通りも、殆どの店にシャッターが下り閑散として寒々しい。とても冷え込んでいた朝だった。

霧積温泉へ

1996年11月3日 / 曇り時々晴れ

標準コースタイム 約3時間25分

遊歩道入り口 --1時間-- 熊野神社 --10分-- 思婦石の石碑 --1時間35分-- 美しの平(打越の平) --40分-- 霧積温泉
軽井沢見晴台遊歩道
軽井沢見晴台遊歩道

〔9:30〕遊歩道入り口出発:見晴台遊歩道は自然林のなかの気持ちが良い道で、ミズナラ、カエデ、モミジの紅葉が美しかった。

展望台からの妙義山
展望台からの妙義山

〔10:30〕見晴台〔10:40~11:00〕熊野神社:旧碓氷峠の展望台からは、妙義山が望めた。峠の茶店で名物の力餅に誘惑され、ちょっと休憩。

黄葉したカラマツの林道
黄葉したカラマツの林道

〔11:05〕思婦石の碑:思婦石の碑で留夫山への登山道を見送り林道を行く。営林署のゲートをくぐると車はもちろん歩く人も無く、少し淋しいくらいである。黄葉したカラマツの連なりを見ると、植林の整然さにも美しさを感じる。静けさがが好ましい。

 しかし頭の中にふと浮かんだある心配を、思わず口にしてしまってから、少し状況が変わってしまった。

私「熊って今ごろは冬眠に備えて行動範囲が広がるのと違うかなあ?」

夫「…あ、熊鈴持って来ていない。」

 私のザックに着けた小さな熊鈴ひとつでは不安になり、それからは意識して大声で話したり歌を歌ったり。「♪ある~日 森の中 クマさんと…と♪」…何故かこの歌が口をついて出るのだった。

 程なく林道終点地点美しの平で、霧積館へ続く急な下りの登山道に入った。すると後ろから何かの気配が…。

 熊ではなくて、こちらと同年代の夫婦のハイカーだった。「こんにちは!」とお互いにご挨拶。しかしその後にご主人の方が仰るには、「美しの平で“熊の足跡”を見つけたので廻りを見渡したら、熊の巣穴と思しき穴がありましたよ」

私たち「……!!」

〔14:15〕思婦石の碑:最後は転げるような急坂を下りきりづみ館に到着。

 玄関ロビーは日帰り入浴客のハイカー達で混雑していて、部屋に案内された後お風呂の混雑をやり過ごすため散策に出た。霧積温泉のもう一軒の宿 金湯館 を見て、翌日登る鼻曲山への登山口を確認して返る途中、後ろから金湯館のライトバンが来て止まった。

「何処まで行くの?」

「きりづみ館まで」

「途中だから送ってあげる、乗ってらっしゃい」という訳で、大した距離ではないがご好意に甘えた。

霧積温泉 きりづみ館

霧積温泉 きりづみ館
霧積温泉 きりづみ館

 霧積温泉きりづみ館はかつて文人がよく利用し、西条八十の詩の一節『母さん僕のあの帽子どうしたんでしょうね?』を森村誠一が著書『人間の証明』のなかで使って一時有名になった。しかし現在はハイカーで賑わう。アールデコ調?風な浴室にかなりぬるめの温泉。じっくり浸かる長湯向き。

《追記》霧積温泉 きりづみ館は2012年4月に閉館したそうです。


鼻曲山

11月4日 / 晴れ時々曇り

標準コースタイム 約4時間30分

霧積館 --1時間-- 十六曲峠 --1時間30分-- 鼻曲峠 --20分-- 小天狗(鼻曲山山頂) --15分-- 分岐 --15分-- 直下コースとの分岐 --40分-- 林道入り口 --10分-- 長日向 --20分-- 小瀬温泉

 歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。

 ルートマップ全体図は下のリンクボタンで開きます。レポートに戻るときは、ブラウザやスマートフォンの「戻るボタン」か、右下の「山行記録に戻る」ボタンで戻ってください。


霧積館を出発
霧積館を出発

〔8:30〕霧積館を出発:今日は快晴になるかと思ったが、なかなか雲が取れなかった。温泉付近ではカエデなどの落葉樹の紅葉がまだ美しかったが、十六曲峠を登るにつれ見頃は過ぎた感じになる。

 登りは次第にきつくなり、木の幹、岩を掴んでのものすごい急登。天狗坂と呼ばれるところだ。ここは下りに使いたくない。

鼻曲山山頂にて
鼻曲山山頂にて

〔11:35~12:30〕鼻曲山山頂:登りきって鼻曲峠。鼻曲山東側のピーク、大天狗を往復してから西側のピーク子天狗へ到着。おお素晴らしい。浅間山が長い裾野を広げて堂々と目の前にそびえていた。が、みるみるうちに雲の中にその頭を隠してしまった。

 昼食中にガスも出てきて、結局を浅間山を見たのはほんの一瞬、写真を撮るひまも無かった。

 山頂から長日向への下山は急なザレなので、初心者は鼻曲峠まで戻り分岐からのコースをとった方が安全である。霧積館のご主人からそのようなアドバイスがあったので、私達はザレ場のコースは敬遠したのだが、怖いもの知らずの殆どのハイカーは「面白そう」と言いながら、ズリッズリリーッと下りて行った。

乙女コース
乙女コース

 鼻曲峠の長日向分岐から林道までは乙女コースと呼ばれ、殆ど平坦もしくは緩やかに山腹を巻いて下る道で、ルンルンと鼻歌交じりで歩ける。また林道に下りてからは、林道とは言え細い遊歩道のような道で、黄金色に黄葉したカラマツの中を行く。既に落葉の時期にかかってしまったので、針のような葉がはらはらと落ちて来る。帽子を忘れてきた私は髪の中がカラマツの落ち葉だらけになりかけて、バンダナを頭にかぶることにした。

〔14:10~15:00〕長日向:長日向の別荘地を抜け、車の進入止めゲートでハイキングコースは終わりである。

 しかし少し古いガイドブックに、小瀬温泉を引き湯して一浴できる山荘があるとの記載があるので、その山荘を探した。それらしい建物があるにはあったが、倒産したらしく廃墟だった。このまま林道を歩いても小瀬温泉に出られそうなのでドンドン歩いて行ってみたが、何処にいるのかわからなくなりそうになってきた。山麓の林道や生活道では迷いやすい。結局長日向バス停に引き返した。

〔15:20〕小瀬温泉到着:仕方なく車道を歩いて小瀬温泉に出たが、このあたりのホテルは全て入浴・休憩お断りだった。

 バスを待っていると、目の前の白糸ハイランドウェイの料金所の方が「良かったらタクシーを呼んであげる」と言ってくれた(当時まだ携帯電話を持っていなかった)。タクシーなら軽井沢からの特急あさまに間に合いそうなので、お言葉に甘えお願いした。

登山データ

鼻曲山:標高 1654m

場所 長野・群馬県境


アクセス

JR軽井沢駅バス5分旧軽井沢(駅から徒歩の場合約20分)


山行日 1996/11/03-04

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