猿倉温泉と酸ヶ湯温泉

 八甲田への山旅は今回で4度目になり、ベースとなる山麓の温泉旅館にも幾たびか宿泊を重ねた。猿倉温泉は2度、酸ヶ湯温泉は2度の宿泊と1度の日帰り入浴利用、そしてスノーシューの旅でも利用した城ヶ倉温泉のホテルが今回で3度目の宿泊となった。

猿倉温泉

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※ 猿倉温泉の写真の中には、2012年8月28日に撮影したものもあります。

 猿倉温泉は標高も高く、周辺の紅葉が美しいそうだが、八甲田の紅葉が平年より遅れ気味のこの年はまだ少し早かった。

猿倉温泉(2012年8月撮影)
猿倉温泉(2012年8月撮影)
猿倉温泉の紅葉
猿倉温泉の紅葉

 猿倉温泉の最大の魅力は豊富で新鮮な温泉(泉質)である。毎分1000リットルもの温泉が湧出していて、十和田湖温泉郷の温泉は猿倉温泉からの引き湯だそうだ。単純硫黄泉だが青白く少し透明感がある濁り湯。白濁が濃くないのは、湯船に常に新しい源泉が注がれているからかもしれない。チェックイン後すぐに本館の浴室に行くと、掃除が済んで新しいお湯を溜めている最中で、硫黄の臭いが漂っていた。それが硫黄の鼻をつくようなきつさがなく、甘く優しい新鮮な香りなので驚いた。

内湯

新館の男性用内湯
新館の男性用内湯

 新館のお風呂は内湯と隣接する露天風呂からなり、内湯には熱めの源泉掛け流しの浴槽と、源泉の浴槽に細く湧水が注がれている「ぬる湯」の浴槽がある。男性用、女性用共にほぼ同じ造りである。

新館の女性用内湯
新館の女性用内湯
洗い場は汲み湯様式
洗い場は汲み湯様式

 洗い場は蛇口ではなく、汲み湯から汲んで使う方式。汲み湯用の槽には加熱した湧水だと思える柔らかい温水がかけ流されている。

露天風呂

新館男性用露天風呂
新館男性用露天風呂
男性用露天風呂
男性用露天風呂
新館女性用露天風呂
新館女性用露天風呂

 新館内湯のすぐ外にはそれぞれ露天風呂。コンクリート造りであまり風情はないけれど、周囲のブナ林が黄色く色づけばまた別である。八甲田・十和田湖ゴールドラインから少し入った南八甲田山麓の一軒宿なので、露天風呂から見る星空は素晴らしい。男性用露天風呂はもう1箇所、内湯併設の露天風呂の下にもある。

本館のお風呂

本館女性用浴室(半露天+露天)
本館女性用浴室(半露天+露天)
本館男性用浴室(半露天+露天)
本館男性用浴室(半露天+露天)

 本館の浴室は屋外にある。屋内の脱衣所から浴室の扉を開ければ屋外なのだが屋根はあるので、半露天風呂タイプになる。もうひとつの浴槽と洗い場には屋根がない。洗い場より温泉に浸かる事を優先していて、昔ながらの湯治宿の雰囲気が濃厚だ。雨さえ降っていなければ、この本館のお風呂は最高だ。温泉が身体に染み渡るのを実感できる。

 食事は新館の食堂で頂くが、外国人の若者が給仕スタッフに加わっていた。そういえば前年はアジア系女性がスタッフにいたし、研修を兼ねて働いているように見受けられる。今年は半年前に来日したというのに日本語がやたらに流暢なドイツ人青年が、宿泊客の間で人気者になっていた。秘湯の湯治場としての趣もありながら、増築の新館洋室や離れの客室(洋室)もある。若いスタッフがきびきび働いると思えば、地元のおばさんスタッフと廊下ですれ違えば、お国なまりで「お風呂、入った?」と話しかけてくれる温かさ。2回目の宿泊で更にお気に入りの宿となった。難を言えばドコモの電波が圏外ということだけである。

 今回の宿泊は日本秘湯を守る会のスタンプラリー(参照 »)での無料招待である!(^^)!

 日本秘湯を守る会本部に申し込んだ時点では希望日が取れないばかりか、希望する新館の洋室も満室ということで、本館和室(トイレなし)での予約だった。ところがチェックインの際に新館洋室にキャンセル空きがあり、希望通りに変更してくださっていた。料金の差額はサービスしますとのこと(^^)/

酸ヶ湯温泉

酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉

 ヒバ千人風呂で有名で人気の温泉旅館。温泉が目的の宿泊客だけではなく、北八甲田の登山ベースとしても便利なことから、登山目的の宿泊客も多い。収容可能人数が多い大規模旅館であり、しかも日帰り入浴利用客が多いので、紅葉時期などのオンシーズン、特に朝夕ともなると館内のロビーはごった返している。宿泊したのが平日だったため、夜間は割合静かに落ち着いて入浴できたが、連休だったらそうはいかないだろう。

 館内が広くしかも複雑な構造なので、客室から浴室が遠いと少々アンラッキーだ。浴室まで行くのはまず道順を頭に入れておき、廊下の案内の矢印を見ればすんなり到達。ところが帰り道。階段を上ったり下ったり、廊下の角で曲がるかどうか悩み…。慣れるまでは館内で迷子になる。その証拠に私も夫も…のみならず廊下で従業員に自分の部屋への道順を尋ねている人をよく見かける(笑)。

 14年前に宿泊した際、ヒバ千人風呂の混浴時間帯でマナーを守らない男性たち(女性用入り口を眺める位置に陣取りいつまでも動かない)がいて不愉快な思いをしていた。そのため再訪し日帰り入浴利用をした2009年は、千人風呂は敬遠し女性専用風呂にした。今回も初めから千人風呂は女性専用タイムだけの利用のつもりだ。それどころか、チェックインした後すぐのこと、ロビーで居合わせた女性が「日帰り入浴券」を「玉の湯利用のみ」にするか「玉の湯+千人風呂」にするかで迷っておられたので、「千人風呂の混浴でマナーが悪い男性がいて…」と体験をお話しするというお節介までしていた(^^;

 しかし女性専用タイムになり行ってみると、不埒な男性入浴客が大浴場の女性エリアに近づけないように、ロープ、仕切り、注意書きなどが為されていて(「混浴を守る会」による設置)、14年前の認識をあらためることになった。ただヨシズの目隠しが女性用脱衣所から下りる階段から上がり湯エリアまで程度だっただけの昔とは、浴場の風情が異なってしまった感は否めない。

《2019年12月追記》最近は湯浴み着の着用も可だそうです。

せんべい汁風きりたんぽ鍋
せんべい汁風きりたんぽ鍋

 建物が全ての客室にバス・トイレがないという、湯治棟も残す山宿である。それでもスタンダード料金クラスの和室客室での、廊下からの入口である和式引き戸の扉には、以前にはなかった「鍵」が設えてあった。お料理については可でもなく不可でもない、という印象。青森の郷土料理の「せんべい汁*(註:下記参照)」が秋田の郷土料理「きりたんぽ鍋」と合体してしまった料理に苦笑。日本全国から様々な人がやってくるようだと、献立も万人向けになってしまうのは致し方ないのかな。

註:せんべい汁(せんべいじる)は、青森県八戸市周辺の郷土料理で、同料理専用の南部煎餅を用い、醤油味で煮立てた汁物あるいは鍋料理。 Wikipediaから引用

 当日は平日でもそれなりの盛況だったが、部屋食での夕食が指定時間までに配膳できないというのは如何なものか。そのためか配膳担当従業員の献立説明が驚くほどの早口で唖然。まぁ、こちらもお腹ペコペコなので、早口で済ませていただいてもいっこうに構わないが(笑)。


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