余計な前書き 北アルプス入門の初回は、乗鞍岳と新穂高ロープウェイを利用しての西穂高山荘まで(独標までではない)だった。3年目の夏を迎えても私達にはまだまだ入門コースが分相応。縦走なんて未だ先の夢と、蝶ヶ岳のみにチャレンジすることにした。

 幸せなことに日程は充分に取れるので、夜行電車は避ける、登山口に泊まる、山小屋泊、下山後にも宿泊するというこれ以上余裕を持った万全な計画はないのではという、贅沢ともいえる大名山行のプランになった(これは現在も確立している私達のスタイル)。横尾から山頂へのコースは登るのはキツそう、下るのは怖そうと避けて、徳沢からの往復(長塀山コース)に決定。

蝶ヶ岳 (1)

1日目 7月29日 / 晴れ、夕方 曇り

人の重みで落ちそう?な河童橋
人の重みで落ちそう?な河童橋

 東京の自宅を朝6時前に出発して上高地到着は12時。ターミナルにて昼食後出発。いつも賑わう河童橋だが、お祭りのような人出でびっくりした。

明神岳
明神岳

 しかし明神を過ぎれば行き交う人も少なく、明神岳を眺めながらのんびり歩き、午後3時前に徳沢に到着。早く着きすぎて暇(笑)

 気持ちが良い木立の中のテントサイトが、色とりどりのテントでだんだん賑やかになってくるのを見ていたりして時間をつぶした。

 徳沢園にはお風呂もあり、個室にはテラスが付いていて旅館と変わらない。他に2段ベッド式の山小屋棟がある。

2日目 7月30日 / 晴れ、午後から曇り・夕立 夕方は晴れ!

標準コースタイム 4時間40分

徳沢 --3時間40分-- 長塀山 --45分-- 妖精の池 --15分-- 蝶ヶ岳ヒュッテ

 歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。

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徳沢登山口
徳沢登山口
ギンリョウソウ
ギンリョウソウ

〔7:30〕徳沢(徳沢園)出発:山頂まで標準タイムでも4時間以上の登りは初めての経験になる。登り始める前に意図してゆっくり登ろうと決めた。特に登り始めは、一歩一歩を意識するくらいのゆっくりペース。後から抜かれても焦らずに自分のペースを守った。

 樹林帯の展望もない急登をひたすら登っていく。途中、初めて見るギンリョウソウを見つけてうれしくなった。

〔9:05~9:15〕鞍部(広場):励みはジグザグの登山道に標高を示すプレートだけ。「蝶へ1時間40分」とある指導標までの間が長かった。

〔11:50~12:25〕長塀山:ようやく長塀山にたどり着いて、小屋で作ってもらったお弁当の昼食。樹林に囲まれて展望はない。(木の間越しに穂高連峰が見えるらしいが、曇り始めていて見えなかった。)

ベニバナイチゴ
ベニバナイチゴ
キヌガサソウ
キヌガサソウ

 長塀山を過ぎると緩やかなアップダウンの道になり、樹林の下にキヌガサソウなどが咲いていたりして変化を楽しめるようになった。山腹の巻き道では展望も開ける。

ミヤマキンポウゲの花畑
ミヤマキンポウゲの花畑

 ミヤマキンポウゲやミヤマキンバイで黄色に染まる小道に、ここまでの疲れを忘れた。

〔13:10〕妖精の池:キンポウゲの道に導かれて妖精の池に到着。池の周りはお花畑になっていて、ハクサンフウロ、コイワカガミ、クルマユリ、ハクサンチドリなどが咲き乱れていた。

ミヤマクロユリ
ミヤマクロユリ
稜線上の蝶ヶ岳ヒュッテ
稜線上の蝶ヶ岳ヒュッテ

 その後モミジカラマツソウとミヤマキンバイ、シナノキンバイが咲く道を少し登ったところで残雪が現れた。ハクサンイチゲの群生とミヤマクロユリにカメラを向けるのに夢中だったが、見上げればガスが切れやっと蝶ヶ岳の稜線が!

〔13:55〕蝶ヶ岳ヒュッテ到着:ハイマツ帯を登りきれば稜線の上だ。雲間に穂高の存在感ある景観が大きい。「穂高だ!槍だ!」と騒ぎながら蝶ヶ岳ヒュッテに到着した。

 小屋で割り当てられた寝場所は上段の一番端の窓際で、小窓からの眺めもいい。しかし屋根の傾斜そのままの天井が邪魔で、座っても頭がつかえてしまう。そこで夕食前の時間を小屋の玄関前のベンチで過ごしていた。その時大きな雷鳴がとどろいた。

 しばらくすると一人の中年女性が常念岳方面から小走りでやってきた。どうも彼女の感じがおかしい。目が据わり「どうしよう、どうしよう…」とつぶやいていた。そして急いでいる風なのに歩き方がぎこちなくて、まるで足がもつれているようにも見えた。小屋の中の様子もただならぬ雰囲気になってきた。間もなくその人のご主人が稜線で雷に打たれ倒れたのだと知った。ヒュッテの女主人が無線でヘリコプターを手配したり、小屋の従業員と宿泊客の有志との救助隊を出したりと慌しくなった。事故に遭った人は幸いなことに、ショックで倒れただけで無事だったそうである。

 夕食の主菜はハンバーグステーキだった。着席した後テーブルの端から給仕された私のハンバーグは、運悪く片面黒コゲで食べられるところがほんの僅か…少々悲しい夕食だった(笑)

蝶ヶ岳ヒュッテ前にて
蝶ヶ岳ヒュッテ前にて
蝶ヶ岳ヒュッテ前から乗鞍岳
乗鞍岳

 夕食後にはすっかり雨も上がって、夕空に槍・穂高の展望が広がった。ヒュッテから瞑想の丘あたりまで宿泊者が立ち並び、大パノラマを堪能した。

穂高連峰
穂高連峰
槍ヶ岳
槍ヶ岳
大キレットに夕日が沈む
大キレットに夕日が沈む

 やがて空が夕焼けに染まり、大キレットの向うに太陽が沈んでいった。

穂高連峰
穂高連峰
槍ヶ岳
槍ヶ岳

 目の前の雄大な山脈が漆黒の壁に変化する様子を、感動しながら見守った。


登山データ

蝶ヶ岳:標高 2664m


場所 北アルプス南部


アクセス

JR松本駅バス上高地バスターミナル


山行日 1996/07/30-31

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