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旭岳温泉 湧駒荘

 何しろ出発3日前の宿泊予約だったので、旭岳温泉に泊まれればどこでも良かった。旭岳温泉に日本秘湯を守る会会員旅館があることは承知していたので、スタンプラリーが活かせるので可能ならその旅館にしたい。旅館のウェブサイトを閲覧すると温泉がかなり良さそうなので、気持ちは「泊まるのならこの旅館に」と変わってしまった。電話をすると途中での部屋替え必須だが、ともかく3連泊が可能との返答。これで、白馬岳山行キャンセルから北海道行きが決定になったのだった。

旭岳温泉湧駒荘
旭岳温泉湧駒荘
湧駒荘玄関
湧駒荘玄関

 旭岳温泉は昔は勇駒別温泉と呼ばれていたそうである。湯元湧駒荘(ゆこまんそう)は館内こそ洗練されたリゾートホテルの雰囲気があり、力を入れているらしい料理も新しいセンスの創作料理なのだが、本館の浴室だけは昔からの「勇駒別温泉」そのもので、それがとても好ましかった。

湧き水

敷地内の湧水
敷地内の湧水

 敷地内に大雪山からの恵みの地下水が豊富に湧き、玄関そばと館内ロビーに湧き水の飲泉所がある。また館内の水道設備も地下水利用だそうで、いつでも美味しい水が飲める。客室の冷蔵庫内にも、湧き水を冷やしてくれてある。

湧水ゼリー
湧水ゼリー
蒸かしじゃが芋のサービス
蒸かしじゃが芋のサービス

 しかし何と言っても驚いたのは、夕食(コース料理)に「箸休め」として出た「湧水ゼリー」。ただの水だけのゼリーなのに不思議と美味。黒蜜をちょっぴりかけていただくと、更に美味しい! またロビーにて毎夕蒸かしじゃが芋のサービスがあり、これも美味しくてすぐになくなってしまうほど。

お料理

湧駒荘のお料理
湧駒荘のお料理

 料理長が若いということもあり、新しい感覚の創作メニューでのコース料理が楽しめた。新鮮で美味しい地場の食材を活用していて、朝もぎ野菜をそのままディップをつけていただく「料理」とも言えないメニューまでも、彩りと盛りつけがおしゃれ。

 お料理はもちろんだが、デザートと箸休めのスイーツは、もう一度食べに行きたいくらい美味だった。

 連泊の場合、3泊までならコースメニューが毎夕変わるそうだ。

温泉

本館の浴場
本館の浴場

 旭岳温泉は日本では非常に稀な「正苦味泉(旧泉質名)」(硫酸マグネシウムを含む)が湧出するので有名だそうだ。湧駒荘はこの「正苦味泉」の他に炭酸水素塩泉、カルシウム泉の3種類の泉質の温泉が湧いている。5ヶ所の源泉から豊富な湯量があるだけでなく、浴室と源泉が近接しているので、新鮮な温泉がかけ流しにされている。本物の温泉にこだわる人にもうれしい素晴らしい温泉だった。

 本館の浴場は「シコロの湯」と「ユコマンの湯」のふたつで、毎夜9時に男性用・女性用の入れ替えがある。

ユコマンの湯

ユコマンの湯 / 寝風呂
ユコマンの湯 / 寝風呂
ユコマンの湯 / 露天風呂
ユコマンの湯 / 露天風呂

 「ユコマンの湯」には泉質や湯の温度が違う浴槽が6つもある。緑色がかった黄土色の濁り湯や青みがかった濁り湯、無色透明の湯(炭酸水素塩泉やカルシウム泉)が、いつも浴槽の縁からあふれ出ているままになっている正真正銘のかけ流しである。

 また「ユコマンの湯」には割れ目などから源泉が湧きだしている裏山の大岩が浴室内にそのまま組み込まれていて、「目薬の湯」では浴槽の内壁である板のすき間から温泉が流し込まれているようだった。写真には写っていないが、左下の写真での手前にある炭酸水素塩泉の浴槽にも、温泉を流し入れる樋はなく、底からふつふつと新しい湯が入っているようだ。自然湧出で新鮮な温泉は何ものにも代えがたい。

ユコマンの湯 / ぬる湯と目薬の湯
ユコマンの湯 / ぬる湯と目薬の湯
ユコマンの湯 / 目薬の湯
ユコマンの湯 / 目薬の湯
ユコマンの湯 / 目薬の湯と元湯
ユコマンの湯 / 目薬の湯と元湯

 浴槽の縁や浴室の床に、温泉の湧出物がこびりついた様が半端じゃない。これは温泉の成分がいかに多いか、つまり効能がある温泉だという証拠なのだ。温泉好きはフジツボのような「こびりつき」に、かえってニコニコしてしまう(笑)

 元湯の浴槽は熱めの湯で、小さな浴槽のカルシウム泉は冷泉とまではいかないがかなり温め。目薬の湯は適温。交互に入って楽しんだ。

シコロの湯

シコロの湯 / 元湯と目薬の湯
シコロの湯 / 元湯と目薬の湯
シコロの湯 / 寝風呂
シコロの湯 / 寝風呂

 「シコロの湯」はシコロ(キハダ)で作った浴槽が特徴。「ユコマンの湯」の元湯は熱かったが、こちらは適温。加水・加温をしていないので、源泉からの距離で温度が微妙に違うようだ。こちらには屋根がある露天風呂の奥に屋根なしの露天風呂がある。ユコマンの湯で露天風呂入浴中にアブが飛んでいたので、シコロの湯では露天風呂には入らなかった。温泉そのものの魅力が強いと純粋に温泉に浸かることが目的になり、べつに露天風呂でなくても良い。ここでも内湯で充足していた。

日帰り入浴場(別館) 神々の湯

別館 神々の湯
別館 神々の湯

 別棟で主に日帰り入浴客用の浴場「神々の湯」にも、宿泊客は入浴できる。こちらは設備が新しく、木材を活かした造りと高い吹き抜け天井という建築デザインが素晴らしく、雰囲気がとても良かった。奥のガラス戸の向こうに露天風呂がある。本館との連絡通路脇に広い日帰り客用休憩室とレストランもある。

 温泉の質と料理のレベルが高く、東京から遠いが機会があればまた泊まりたい宿になってしまった。旭岳の素晴らしい紅葉も一度は見たいので、いつか三度目の旭岳再訪の際にも宿泊したい。


7月29日 天候 曇りときどき晴

旭山動物園

 旭岳温泉への唯一の公共交通であるバス「いで湯号」は便数が少なく、旭川駅行きバスを11時過ぎまで待たなければならなかった。そのため、この旅のもうひとつの目的である旭山動物園見学が、午後2時過ぎからの3時間程度になってしまった。

水中のホッキョククマ / 旭山動物園
水中のホッキョククマ / 旭山動物園
ホッキョククマ / 旭山動物園
ホッキョククマ / 旭山動物園

 しかし偶然ホッキョククマの「もぐもぐタイム」にどんぴしゃりだったりで、案外効率よく見て回ることができた。動物の生態や行動を見せるという趣旨での「行動展示」は大人が見ても楽しめて、たとえ半日に満たない時間でも行って良かったと思う。

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 旭川での最後の夜は、ビジネスホテル泊まり。旭川駅周辺にあるシティホテルの予約は取れず、駅からは少し離れているが送迎サービスをしている、市内のビジネスホテルを予約していた。温泉大浴場がありホテル内に朝食専用レストランがある。こういうタイプのビジネスホテルは初めてだったが、結構快適だった。

天然温泉神威の湯 ドーミーイン旭川 »

 旭川も日中はそこそこ暑かった。涼しい旭岳山麓に3日も滞在していたためか、動物園内を歩いていると汗だくだった。ところが園内に立つ気温表示計を見ると、25度程度なのだ。しかも夕方になるとぐっと冷え込み、ホテル近くのお店で夕食を済ませて外に出たら、半袖では寒かった。大雪山も8月中旬になる前に秋の気配が漂うだろう。やはり北海道の気候は本州とは違う。本州ではこれからが猛暑日続きの「真夏本番」。その東京に帰りたくなかったのは言うまでもない。


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