余計な前書き 駐車場から20分で山頂に登れ、レンゲツツジが咲く時期は観光客であふれる甘利山。山頂下のロッジに泊まれば早朝から静かなハイキングができると期待した。梅雨の最中なので、雨が強ければ甘利山のお散歩だけ、雨がさほど降らなければ千頭星山まで登ろうという計画であった。

甘利山へ

甘利山グリーンロッジ

 韮崎市甘利山グリーンロッジは、素泊まりのみとはいえ1泊大人620円(使用料)という安さ。土曜日の午後、仕事を切り上げて帰宅した夫と特急あずさで韮崎駅へ。茅ヶ岳から1ヶ月ぶりの韮崎は曇り空で山並みは見えず。グリーンロッジに17時半到着。

 標高1600mなので6月なのに寒いほどだった。部屋はカイコ棚式2段ベッドである。管理人さんに寝具をお願いすると、あいにく布団は品切れ。満室満員ではなかったがシュラフ持参の人が少なかったとのことだった。毛布はたくさんあるとのことで、それぞれ5枚借りたので寒くはなかった。どうも寝具代100円はオマケしてくれたみたい。

 炊事場の水道栓からはおいしい「南アルプスの天然水」がでるし、食堂のテーブルでガスストーブ使用可。宿泊者は備え付けの電気湯沸しポットと電子レンジを無料で使用可。トイレは簡易水洗、一応浴室もありのなかなかの施設だった。

甘利山グリーンロッジ / 韮崎市観光協会 »


標準コースタイム 約4時間20分

甘利山グリーンロッジ --30分-- 甘利山 --1時間30分-- 大西峰 --30分-- 千頭星山 --20分-- 大西峰 --1時間10分-- 甘利山 --20分-- 広河原

 歩いたルートを地理院地図に重ねた地図です(GPSログによる足跡ではありません)。ボタンやマウスでの拡大・縮小や表示範囲の移動ができます。モバイル端末ではスワイプやピンチで操作してください。

 ルートマップ全体図は下のリンクボタンで開きます。レポートに戻るときは、ブラウザやスマートフォンの「戻るボタン」か、右下の「山行記録に戻る」ボタンで戻ってください。

写真のキャプションにアイコン がある場合は、画像をクリックすると拡大表示します。拡大画像の画面は、パソコンの場合は画像下のバーの < > で、モバイル端末ではスワイプで画像を順番に見ることができます。

〔5:45〕甘利山グリーンロッジ出発:朝4時半起床。持参のパンと牛乳、紅茶の朝食後、5時45分出発。広河原駐車場に出ると祭事用の天幕が設置され、「レンゲツツジ祭り」のノボリが立って観光客を待ち受けている。駐車場は前夜のうちから既に満杯のようだ。

甘利山山頂

早朝の甘利山にカメラマンの列
早朝の甘利山にカメラマンの列
朝霧とレンゲツツジ
朝霧とレンゲツツジ

〔6:10~6:20〕甘利山山頂:登山道を登り山頂手前のピークに立つと、唖然とする光景が広がっていた。その辺り一帯、登山道・木道、見上げれば山頂も全てに隙間なく、カメラマンと各自の三脚が立ち並んでいた。レンゲツツジと富士山のショットを狙い、ガスが切れるのを待っているらしい。ハイカーの団体さんや観光客がまだ到着しない、静かな甘利山山頂の散策というもくろみは外れたばかりか、満開のツツジの群落より目を見張ってしまう、少し異様な光景だった。

千頭星山へ

 千頭星山へと向かう登山道に入ると途端にひと気がなく静かになる。「熊に注意」の看板あり。熊鈴を取り出してつける。ウグイスやカッコウの声を聞きながら歩く。足元にはキンポウゲとマイヅルソウが多い。

見事に満開
見事に満開

〔6:55~7:15〕奥甘利山:レンゲツツジの群落は途絶えたが、時々こぼれそうに花をつけた大きな株が見られる。奥甘利山のピークの下の木はかなり立派だった。ピークに寄ってからツツジの木の下で少し休憩。草むらに隠れていた小さなスズランを見つけた。

千頭星山へ
千頭星山へ
笹原を行く
笹原を行く

 登山道は急登があるかと思えばなだらかになったりで、それ程きつくはない。「今日は身体が重い」となかなか歩が進まなかったのに、青木鉱泉との分岐、大西峰には標準コースタイムより早く着いてしまった。甘利山から2時間のところ1時間半の快挙?

 実は事前の調査としてインターネットで個人の山行記録を幾つか見たのだが、ほとんどの方がこの間は2時間もかからないと書いていた。

新緑の小道
新緑の小道
サルオガセ
サルオガセ

 大西峰を過ぎると明るく開けた笹原の中に尾根道が続いている。ガスが切れずに展望に恵まれないのが残念だが、カラマツも美しくなだらかな気持ちが良い散歩道だ。

 千頭星山の山頂を目前に多少の急登が始まる辺りで、前を行く男性が立ち止まった。「あれ、クマだ。ほらほら」。右手の熊笹の斜面、指差す方向に笹をカサコソと揺らせ動く黒い影がある。ガスが濃くて見分けられない。

 しかし少し手前(20mくらいの距離)に移動したので、今度ははっきりと熊だとわかった。横向きになった一瞬を見て驚いた。うわっ大物!こちらを向いたときの顔の大きいこと!発見した男性の奥さんは怖がって「引き返そう」と言いながらも手を叩く。クマは全く動じず、「ここの笹がおいしんだよ」とばかり悠然として熊笹を食べている。始めのうちは子連れの母クマだったら危険かと山頂を踏むのを諦めようと思っていたが、クマさんがこちらに無関心?なので、恐怖感もなくなった。残念ながらデジカメでは証拠写真が残せなかった。

千頭星山山頂

千頭星山山頂
千頭星山山頂

 そのうち山頂から何も知らずに下りて来た人、後から登ってきた人などギャラリーが増えた。15分ほど待っていたらクマさんは山頂方向から離れる形で移動していった。

〔8:55~9:00〕皆で騒ぎながら山頂制覇。山頂に居合わせた人たちともクマの話で盛り上がる。少し奥まで行ってみるつもりの行動も中止。「クマが出た」と聞き、奥まで歩いて行った人たちも「やっぱり怖い」と戻ってきた。再び皆でワイワイと山頂を後にした。クマさん、お騒がせしました。あなたのフィールドにお邪魔してごめんなさい(^^)

笹原の尾根
笹原の尾根
千頭星山を振り返る
千頭星山を振り返る

〔9:10~9:30〕コースは再び来た道を甘利山に戻るのだが、笹原の尾根に腰をおろしお茶とパン、果物の軽食。ここまで下りるとガスもなく、クマの心配もないとホッとする。先まで一緒だった熊を共に目撃したご夫婦が下のほうで熊目撃の話をしているらしく、登っていく人々の口に上っているのを聞いて苦笑いだった。

甘利山のレンゲツツジ群生
甘利山のレンゲツツジ群生
甘利山のレンゲツツジ群生
甘利山のレンゲツツジ群生

〔11:15〕甘利山:甘利山に戻るとカメラマンたちに代わって軽装の観光客や家族連れがお弁当を広げ、朝にもまして賑やかだった。霧に包まれていた朝と違い、レンゲツツジのオレンジ色が目に鮮やかだった。

レンゲツツジと甲府盆地
レンゲツツジと甲府盆地
レンゲツツジ
レンゲツツジ

 斜面をオレンジ色に染めたツツジも近くで見ると蕾は既になく、あと2,3度雨に打たれれば色褪せていくばかりという感じで、今日が見頃の最後だったようだ。雲もようやく取れ出して、眼下に広がる甲府盆地が見えた。

〔11:55〕広河原:駐車場に下山すると駐車場空き待ちのために、県道は大渋滞の様子。夫がタクシーを頼むとあまり有難くないという雰囲気だったらしい。さもありなん。しかし昨日も利用し依頼カードを頂いていると伝えると、好意的な受け答えに変わった由。後手に回った対応ながらも市が交通規制をはじめタクシーが上がってこられなくなった。携帯電話→タクシー会社→無線でドライバーへと連絡をとりながら、県道を歩いて下りることになった。

県道からの富士山
県道からの富士山

 完全にストップした車列と退屈そうな車内の人を横目にすいすいと下る。途中で雲の上に頭を出した富士山が見え、さわら池まで富士山を正面に見ながら下るのは楽しかった。1時間後に頼んだタクシーと遭遇し、日帰り温泉の韮崎旭温泉へ向かった。


韮崎旭温泉

 韮崎旭温泉は田んぼの中のこじんまりした建物。湯量が豊富なため薄めたり、加温、循環ろ過を一切していない。やわらかい感触の天然温泉(ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉)100%を流しっぱなしで、かけ湯の槽も温泉である。洗い場も清潔で、シャンプー・ボディーシャンプーあり。当日は韮崎市各地であったお祭りのため、地元の方も少なくガラ空き状態。休憩室では、開け放ったガラス戸から田んぼを渡ってきた自然の涼しい風が吹き抜け、お風呂上りに心地よかった。やさしい感じの受付のおばさんの「また来てくださいね」の言葉が印象的だった。

登山データ

甘利山:標高 1731m / 千頭星山(せんとうぼしやま):標高 2139m

場所 山梨県


アクセス

JR中央本線韮崎駅下車タクシー50分


山行日 2001/06/17(前夜泊)

拍手ボタンを押してくださると管理人の励みになります。

拍手する


画像をクリック(タップ)しても山行記録のページが開きます。

PAGE TOP