乳頭温泉郷

乳頭温泉郷 妙乃湯

 1997年の秋田駒ヶ岳山行では翌日に乳頭温泉郷に移動して、孫六温泉から乳頭山に登った。そして下山後は鶴の湯に宿泊して山旅を締めくくった。秘湯ブームを作った乳頭温泉郷のなかでも秘湯度が高い孫六温泉と鶴の湯温泉の思い出は忘れられず、いつか再訪をと思っていた。しかし乳頭温泉郷は七湯あり、当然他の五湯にも泊まってみたかった。今回は直近での予約だったので、空室検索から直ちに予約ができる妙乃湯に決めた。

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乳頭温泉郷妙乃湯
乳頭温泉郷 妙乃湯

 妙乃湯は乳頭温泉郷のなかにあって、秘湯の山宿という趣はない。和モダンテイストの施設と質が高い料理を押し出し、女性に人気の宿である。

乳頭温泉郷 妙乃湯
沢沿いに建つ妙乃湯
渓流側客室からの眺め / 乳頭温泉郷妙乃湯
渓流側客室からの眺め

 車道沿いにあるが建物は林に囲まれていて、先達川の渓流が紅葉で彩られる頃は美しいだろう。

浴場

 2つの天然自噴自家源泉を持っているので、「金の湯」「銀の湯」と呼ぶ2種類の温泉がある。「金の湯」の泉質はカルシウム・マグネシウム硫酸塩泉で、硫黄臭がある黄土色の濁り湯。「銀の湯」は無色透明の単純泉である。湯船は7つもあり、全ての湯船に浸かるのもなかなか大変である。

 「妙乃湯(銀の湯)」と「寝湯(金の湯)」のエリアと、「岩風呂(金の湯)」と「喫茶去(きっさこ)の湯(銀の湯)・金の湯の露天風呂付き」のエリアは壁で仕切られ、時間制の男女入替制になっている。そして混浴露天風呂「妙見の湯(金の湯)」には銀の湯の檜風呂が併設されていて、女性専用タイムが設けられている。貸切温泉露天風呂「やわらぎの湯」は宿泊客は先着順時間指定制で、日帰り入浴の場合は予約が必要で有料である。

 全て源泉掛け流しだが、前日に定期的に行う湯を全部落としての完全清掃をしたそうで、女将さん曰く「お風呂は全部どこもかしこもピカピカですよー」。

妙乃湯(銀の湯) / 妙乃湯
妙乃湯(銀の湯)
寝湯(金の湯) / 妙乃湯
寝湯(金の湯)

 内湯「妙乃湯」は単純泉なので柔らかなお湯である。「妙乃湯」に併設した形の檜風呂「寝湯」は、高い壁に囲まれていて屋根もあるが屋外の湯船。浴槽が浅めで木製の背もたれと枕がある。一番リラックスできる湯船だった。

 朝食後に入浴しに行くと女性スタッフがいて、温度計で湯温を測り温度管理の最中。たった1度低いだけでも注ぐ源泉の量の調節をしに行った。専業の湯守さんかどうかはわからないが、源泉管理を大切にしていることがうかがえた。

岩風呂(金の湯) / 妙乃湯
岩風呂(金の湯)
シャワーコーナー / 妙乃湯
シャワーコーナー

 もう一つのエリアは脱衣所を出たら先ず屋根付きの露天風呂「岩風呂」がある。洗い場は岩風呂の先にシャワー室として独立していた。妙乃湯と寝湯のエリアと同様、洗い場に隣のシャワーとの仕切りがあるのは良いが、4箇所しかないのが少ない気はする。

喫茶去(銀の湯) / 妙乃湯
喫茶去(銀の湯)
露天風呂(金の湯) / 妙乃湯
露天風呂(金の湯)

 浴場内の階段を登ると銀の湯の「喫茶去(きっさこ) 」があり、湯船の底には丸い那智石が敷き詰められている。喫茶去は内湯だがたまたま別の扉が開け放してあり、外階段を登ると小さな露天風呂があった。この露天風呂については館内の案内やウェブサイトにも書かれていなかったので、あれ?という感じ。

 翌朝利用した夫の話では、湯船の脇に下駄が置かれていて「裸のままでどうぞ」と書かれた案内書きがあり、傍の小さな薬師観音までお参りに行くことができるのだそうだ。でも全裸での参拝はちょっと遠慮したい(笑)

妙見の湯(金の湯) / 妙乃湯
妙見の湯(金の湯)
妙見の湯(銀の湯) / 妙乃湯
妙見の湯(銀の湯)

 混浴露天風呂は女性専用タイム(17時~18時)で利用。渓流の砂防ダムを望み、目隠しがないので開放的だった。同様に単純泉の銀の湯も、やはり露天風呂のほうが気持ちが良い。混浴時間の場合女性は専用バスタオルを利用できるが、湯船がそんなに大きくはないので居心地良いとは言えないかも。

料理

 3日間の秋田名物責めでも美味しいので飽きない。比内地鶏出汁の醤油味きりたんぽ鍋や稲庭うどんなどの出汁がひと味違う美味しさ。レベルが高い料理で女性客のリピーターを掴んでいる宿というのは、やはり料理長の腕なのかと思う。

 また女将さんやスタッフがテーブルを回って料理の一品を給仕してくれる、特別メニュー「振る舞い料理」がある。天ぷらはあっつ熱の揚げたてが振る舞われた。ジュンサイの酢の物は小鉢ではなく、どんぶりくらいの鉢にたっぷりと。給仕の方の「ジュンサイには疲労回復の効果があるのでたっぷりどうぞ」を信じ、器を空にした(笑)

夕食 / 妙乃湯
夕食
朝食 / 妙乃湯
朝食

 朝食で提供された焼き魚はハタハタで、滅多に食べられない味に舌鼓を打った。

 妙乃湯にはエレベーターがない。浴場が中2階のような場所で、1階から階段を上がる。客室が上階だったので下りて上がり、しかも「喫茶去の湯」のほうは浴場の中まで階段。2日間の登山でダルダルになった脚で、何度も行ったり来たりするのが結構大変だった。足腰が弱くなったお年寄りも大変だろう。

 お風呂への行き来などで廊下で出会うと、必ず「ゆっくりしてください」などの挨拶をしてくれるスタッフ。少し面倒なときもあったが、熱いおもてなしの気持ちは伝わった。無料Wi-Fiサービスは全館で接続可。

妙乃湯 »

 乳頭温泉郷には湯治場の雰囲気濃厚な山宿である孫六温泉もあるが、妙乃湯のように女将さんの存在を押し出したおもてなしの宿もある。黒湯、蟹場、大釜、休暇村……いつかまた来る機会を作れたらと思う。最終日も晴天で田沢湖駅に下るバスの車窓からは、アルパこまくさとその前後と田沢湖周辺を走行中に、赤く色づいた秋田駒ヶ岳が見えていた。


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