クンデピーク (1)

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第5日目 11月26日 クンデピーク登山(オプショナルツアー)

 標高3880mの朝の目覚めは余りスッキリしなかった。苦しくなって目が覚めるため睡眠が浅く、軽い高所障害なのか頭の芯がしびれるような軽い頭痛があった。しかし部屋のカーテンを開けてかすかにピンク色に染まったエベレストとローツェを見たら、頭痛も消し飛んだ。

エベレストのモルゲンロート / Hotel Everest View
エベレストのモルゲンロート
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テンギラギタウの山頂光 / Hotel Everest View
テンギラギタウの山頂光
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 屋上展望台に上がりヒマラヤのモルゲンロートと山頂に差す灯火、山頂光の輝きに興奮しまくった。ホテル・エベレスト・ビューから見てエベレストは北東にあるので、エベレストのモルゲンロートは見られないが、右側斜面が僅かに赤く染まる。エベレスト側の展望のドラマが終わると、反対側のコンデ・リ、パルチャモ(Parchamo 6187m)、テンギラギタウに目を移す。雪のピークや斜面に赤が差す。やがてそれは来光を反射して強く輝きだす。その美しさは言葉で言い尽くせない。

 ホテル・エベレスト・ビューは窓に切り取られた風景も美しい。展望そのものがデザインに取り入れられている。ダイニングルームへと下りる階段の窓からは、快晴の空にスッキリとしたエベレストとアマ・ダブラムがまるで風景画のように見える。

窓越しのエベレスト / Hotel Everest View
窓越しのエベレスト
朝食のオムレツ / Hotel Everest View
朝食のオムレツ

 朝食のオムレツがふわりとして美味しく、食が進んだ。

クンデピークとはどんな山?

クンデピーク(Khunde Peak)
クンデピーク(Khunde Peak)
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 クンデ山という山があるわけではなく、クンデ村の外れにそびえる尾根の、ひとつのピークを「クンデピーク(Khunde Peak)」としているらしい。村の住民の家畜であるヤクの放牧場だったり、お墓や仏塔があったり、村を上から見守っている。日本で言えば村の鎮守様を奉り芝を刈ったりする、村の「裏山」「里山」の存在に当たるのかも。

 ホテル・エベレスト・ビューからはいったんクムジュン村に下り、クムジュン、クンデ村を通り抜けて、クンデ村の再奥はずれに建つお寺脇からとりつく。しばらくはつづれ折りに登り、その後トラバースして展望台がある尾根上へ。展望台からは尾根伝いにクンデピークへと登る。

 クンデピーク登頂コースに参加したのは、ツアー全体メンバー15人のうち女性2人(若い女性と私)、男性4人の計6人。

高山病対策について

 旅行前の最大の心配は高山病だった。重篤になってヘリコプターでひとり搬送されるような事態だけは避けたかった。ネットでの個人記録を読んでいると、そういう状況も少なくはないのだ。

 旅行社が勧める低酸素室での体験テスト・高所トレーニングを受けることも考えたが、料金面で諦めた。高度障害の予防効果があるとされる薬「ダイアモックス」についてはネット上の個人記録でも散見したが、ツアー会社で用意しているとのことなので個人で手に入れる必要はなさそうだ。結局自分自身でできる高山病対策は、多めの水分補給(1日4リットル程度)と酸欠状態になったときの呼吸法くらいしかなかった。不安なので念のため携帯用酸素発生器を購入して持って行くことにした。

低酸素トレーニング - ミウラドルフィンズ »

 旅行前に腹式呼吸と“口すぼめ呼吸”の練習をした。女性は普段胸式呼吸をしているので、意識してお腹を膨らませようと努力しないと「腹式呼吸」ができない。練習するに越したことはない。“口すぼめ呼吸”というのは今回初めて見知った言葉。先ず口をすぼめてゆっくり息を吐く。そして鼻からゆっくり吸う。なるほど~。息が吐き切れることで自然に肺にいっぱい空気が入り、お腹も膨らみ腹式呼吸ができている感じ。

 で、現地ではどうだったか。当然“登り”では日本での登山よりすぐ息が切れた。それでも立ち止まっては意識的な口すぼめ呼吸での深呼吸をして回復できた。体重が重い私は、標高が高くはなくてもハアハアしながら登っている(^^; 今までは立ち止まると“肩で息をする”ような状態になっていたが、腹式呼吸での深呼吸のほうがすぐに楽になることを覚えた。また睡眠時は自発呼吸が浅いため、酸素不足に陥りやすい。実際ホテル・エベレスト・ビューでは、何となく苦しくなって何度も目が覚めた。その度にフ~ッ・ス~と口すぼめ呼吸を行った。

 多めの水分補給についてだが、困ったことに私は普段、水分補給少なめなヒトなのだ(笑)

 フィットネスクラブのインストラクターさんにも日頃から、痩せるには新陳代謝を高めるために1日2リットルの水を飲みなさいと言われているのだが、どうしてもそんなに身体が受け付けない。蒸し暑い真夏の日本での登山ならいざ知らず、4リットルもの水分補給などできるものではない。しかし乾期のネパールは乾燥しきっていて、とにかく異常に喉が渇き、ペットボトルの水をよく飲んだ。そして排尿回数が増えた。良い傾向である。しかし食事で摂取する水分を入れても、4リットルは摂取していなかったと思う。それでもかなり排尿回数が増えたのには心当たりがある。食事の度のそしてティーブレイクのときのお茶は、いつも紅茶にしていたことだ。紅茶には利尿作用があることを知っていた。元々コーヒー党ではなくてミルクティが大好きであるけれど、頭の片隅では紅茶の効果を期待していた。

 他に身体、特に頭と首筋を冷やさないように気をつけたこと、高所では胃腸の働きも鈍るので食べ過ぎないこと、高所障害での軽い頭痛があっても、むやみに頭痛薬を飲んで副作用での眠気や胃壁を荒らすことを避けるなどに気をつけた。

 心配性の余りいろいろ調べ現地でも気をつけたことが功を奏したのか、小型パルスオキシメーターでの血中酸素飽和度と心拍数のチェックではあまり良い数値が出ないのに、高所障害の強い自覚症状もなく順調に順応できていたように思う。

 8時出発。雲ひとつない快晴だった。朝はエベレスト(Everest 8848m)とローツェ(Lhotse 8516m)の頂きにかかる雲も少なく、タウツェ(Tawetse 6501m)が大きくそびえ実に素晴らしい展望。

エベレストの眺め / Hotel Everest View
エベレストの眺め
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サルオガセ
サルオガセ

 ホテルが建つ丘をクムジュン村へと下りる。丘はシャクナゲやシラビソの木が繁り、寄生植物サルオガセも見られて深い山を歩いているようだ。

クムジュン村 / Khumjung

 1時間弱の下りで立派な仏塔があるクムジュン村が見えてきた。クムジュン、クンデはシェルパ族の人たちの村で、彼らの聖なる山クーンビラ(Khumbila 5761m)が村を見守るようにそびえている。日本語の金毘羅(こんぴら)はこの“クーンビラ”(サンスクリット語)が語源である。

 この地方のシエルパ族が聖山として崇めているため、登山禁止(何人も登ることは許されない)になっている。

クーンビラとクムジュン村 / Khumjung
クーンビラとクムジュン村
クムジュン村の門 / Khumjung
クムジュン村の門
門の天井は曼荼羅壁画
門の天井は曼荼羅壁画
クムジュン村の仏塔 / Khumjung
クムジュン村の仏塔

 クムジュン村の門をくぐり村にお邪魔する。門の天井には色彩鮮やかに曼荼羅図が描かれている。


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