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第4日目 11月25日 ナムチェバザール →(トレッキング)→ ホテル・エベレスト・ビュー
翌朝は夜明け前に起きた。角部屋を割り当てられていたので、北の谷側と西側に窓があった。天気を伺おうと西側のカーテンを開けてみて息をのんだ。群青を溶かし込んだまだ暗い夜明け前の空に、コンデ・リが浮かび上がっていた。左のピーク(コンデ・リ5峰)の右上に星がひとつ…。
すぐに同宿の友人を呼び寄せた。「すごい…。映画みたい」となんとなく厳かに彼女が言い、私も「ホント、映画みたい」としか言えなかった。それからようやく顔が崩れ、溢れる気持ちをハグして喜び合った。
ロッジに宿泊すると、シャンボシェ飛行場から同行しているガイドさんがモーニングティーを部屋まで届けてくれる。6時のモーニングティーを頂き、早速玄関前の広場に飛び出した。添乗員さんやメンバーたちと、朝のドラマの幕開けを待った。
ナムチェバザールの周囲に見えるはずのヒマラヤの山々は、曇りだった前日には一切見えなかった。それが今、西の雲ひとつない空に、コンデ・リがくっきり見える。タムセルクのシルエットと三日月の取り合わせにもうっとり。
やがて北側の雲も徐々に切れてきて、クスムカングル(Kusum Kanguru 6367m)の3つの峰が姿を現し始めた。
部屋に引き上げてから窓からのコンデ・リを見ると、コンデ・リに朝日が当たり始めたところだった。コンデ・リのそれぞれのピークに灯が点ったかのように輝き、灯火のオレンジ色がだんだん広がっていく。その美しさに、しばし見とれた。
朝食のメニューにはおかゆが登場。なによりのご馳走(^^)
午前8時出発。本日は文句ない快晴。空は澄んだ深い青色で、これぞヒマラヤンブルー!
シャンボチェ飛行場への山道をゆっくりペース登る。ガイドが先頭を行き、サーダー(シェルパ頭・チーフガイド)が最後列につく。サーダーはホテル・エベレスト・ビューの支配人であるソナム・シェルパさん。他に若いガイドさんが1人か2人、一緒に歩いた。先頭のガイドは時折振り返って、メンバーに息が上がっている人はいないか、ついて来られているかを確認している。喘いでいて遅れる人がいれば立ち止まり、呼吸を整える小休止を小刻みに取ってくれる。
写真撮影で立ち止まると傍にいるガイドも一緒に立ち止まって待機、仮によろけたりすればさっとサポートの手が伸びる。後続の人が追い抜いていっても後尾のサーダーは必ず待っていてくれるから、無理をせず自分のペースで歩けば良いのである。
また空身で登りたい人は、個人的なポーターを雇うこともできる。
小1時間ほど登るとナムチェバザールは眼下になり、逆光のタムセルク(Thamseruk 6623m)がせり上がってくる。休憩を取って、再び時々息を整えながらゆっくり登る。正面行く手に聖なる山クーンビラの山頂部が見える。
山の端に隠れていたコンデ・リが迫力ある全容を現した。コンデ・リは標高を上げるにつれて、少しずつ形が変わる。
《解説》 コンデ・リ:(Kongde Ri):正式名クワンデ(Kwangde)、主峰の標高は6730m
見上げるシャンボチェ飛行場の建物はまだずっと上にあるのだが、ホーストレッキング組は既に到着して私たちに手を振っているのが見えた。ところが飛行場へは行かずに、直接シャンボチェの丘に登っていくようだ。ちょっとした短い急登を喘ぎ喘ぎ登り切れば、タルチョーがはためく草原状の丘の上に着いた。
丘の右肩に建つロッジロッジを回り込むと、待ちに待った景色がそこにあった。思わず「あ!エベレスト!」と歓声を上げた。少し先の開けた草原が展望地なので、足が思わず速まる。