ポカラ観光 (4)

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第10日目 12月1日 ポカラ(サランコット) →(国内便)→ カトマンズ(自由行動) カトマンズ泊

サランコット / Sarangkot

 サランコットはフェワ湖の北側丘陵のなかの一番高いピークである。丘と言えども標高は1592mもあり、日本なら立派な「山」だが、幾つもの6000~8000m峰を有するネパールでは、標高2000~3000mの山は「丘」扱いのようだ(笑)。「○○コット」のコット(kot)は丘という意味である。サランコットは北側真正面にマチャプチャレがそびえ、遮る物ひとつないアンナプルナの展望が得られる絶景ポイントである。

 夜が明けないうちの朝食前にホテルを出発して、例のインド製のチャーターバスに揺られて暗い山道を登った。舗装路だったので前日のような怖さはなかった。

 本当はもう少し下の麓の村からハイキングすると良いのだが、このツアーでの「ポカラ旅行」はそもそも不慮の事態でのオマケなので、車で行かれる所まで行き最短で登るのである(笑)

 麓の駐車場に到着したときはまだ薄暗くヘッドランプが欲しいくらいだったが、登り始めたら徐々に明るくなってきた。しかしまだアンナプルナに光は届かず、朝焼けまで余裕はある。石畳の階段状の山道には、土産物店、ロッジなどが立ち並んでいる。

 ポカラに来る前夜、ちょっとした不注意で肋骨の左下部分を強打してしまっていた。その痛みがだんだん強くなってきていて、この登りでの呼吸がかなり辛かった。20分ほど登るとゲストハウスなどの建物が途切れ、北側の展望が開けた場所に出た。石畳の道が終わり、ゲストハウスや展望台がある山頂への急登の手前だ。ツアーメンバーの中には山頂を目指す人もいたが、添乗員さんを含むほとんどはこの場所で日の出を待つというので、私も頑張らないことにしてここで待機(^^ゞ

サランコットの山頂下で日の出を待つ / Sarangkot,Pokhara
サランコットの山頂下で日の出を待つ

 日の出を見に来るのはツーリストばかりではない。地元の人たちも結構いて、少女たちもお喋りしながら山頂を目指していた。

フェワ湖東の空がバラ色に / Sarangkot,Pokhara
フェワ湖東の空がバラ色に

 6時15分頃、フェワ湖東の空がバラ色に染まった。アンナプルナはまだ薄暗闇の空に、雪の白さをぼんやりと浮かび上がらせている。

アンナプルナ(Annapurna)の朝焼け

モルゲンロードの幕開け / Sarangkot,Pokhara
モルゲンロードの幕開け

 10分後、朝日の光が届いたアンナプルナは、東側からほんのりとピンクに色づき始めた。美しいモルゲンロートの幕開けだった。

徐々に赤く染まってくる / Sarangkot,Pokhara
6:35~6:37 am 徐々に赤く染まってくる
徐々に赤く染まってくる / Sarangkot,Pokhara
6:35~6:37 am 徐々に赤く染まってくる

 山々は刻一刻と色を変えていく。見つめたりカメラを構えたりで息つく暇もない。そしてクライマックスが始まった。

サランコットから茜色の朝焼け展望(パノラマ合成) / Sarangkot,Pokhara
6:40am サランコットから茜色の朝焼け展望(パノラマ合成)

 アンナプルナ南峰とアンナプルナ最高峰が見る間に赤く染まっていく。山の上に被さる雲が、巧い具合に日の光を反射して照らすからだ。雲も山の雪も、息をのむほどの茜色になって輝いた。

アンナプルナ南峰 / Sarangkot,Pokhara
アンナプルナ南峰
マチャプチャレ / Sarangkot,Pokhara
マチャプチャレ
アンナプルナⅣ・Ⅱ / Sarangkot,Pokhara
アンナプルナⅣ・Ⅱ
茜色に燃えるアンナプルナ南峰 / Sarangkot,Pokhara
茜色に燃えるアンナプルナ南峰
アンナプルナ南峰&マチャプチャレ / Sarangkot,Pokhara
アンナプルナ南峰&マチャプチャレ
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アンナプルナⅣ・Ⅱ,ラムジュン・ヒマール / Sarangkot,Pokhara
アンナプルナⅣ・Ⅱ,ラムジュン・ヒマール
サランコットから金色の朝焼け展望(パノラマ合成) / Sarangkot,Pokhara
6:45am サランコットから金色の朝焼け展望(パノラマ合成)

 空が白み始めるとモルゲンロードは茜色からオレンジ色に、そして金色にと変化していく。

金色に輝くアンナプルナ南峰 / Sarangkot,Pokhara
金色に輝くアンナプルナ南峰
アンナプルナⅣ・Ⅱ,ラムジュン・ヒマール / Sarangkot,Pokhara
アンナプルナⅣ・Ⅱ,ラムジュン・ヒマール
暁のフェワ湖 / Sarangkot,Pokhara
暁のフェワ湖

 モルゲンロートが一段落したのでもう少し上に登り、フェワ湖側の眺めも楽しむ。空の茜色を投影して、湖面もほんのりと茜色だった。

マチャプチャレ / Sarangkot,Pokhara
6:50am マチャプチャレ
マナスル,ピーク29,ヒマールチュリ / Sarangkot,Pokhara
マナスル,ピーク29,ヒマールチュリ

 アンナプルナに目を戻すと、マチャプチャレの岩肌が赤く染まり、陰影が濃くなって迫力が増していた。マチャプチャレ(Machhapuchhare)は「魚の尾」という意味だそうだが、どう見てもマッターホルンにそっくりである。

夜が明けた / Sarangkot,Pokhara
7:09 am 夜が明けた
マチャプチャレ / Sarangkot,Pokhara
マチャプチャレ

 7時9分になるとすっかり日が昇り、空は澄んだ青色に、雲や雪は白色を取り戻した。そして谷間に流れるセティ川と集落も見えるようになった。

 眺め続けたマチャプチャレの手前を、一番機らしい飛行機が通過していった。

 およそ1時間の早朝のドラマが終わった。あっという間だったような、長かったような、そのどちらでもあるようなエキサイティングな時間だった。これから登っていく人とすれ違いながら、駐車場まで下りた。


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