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余計な前書き スイスやカナダは夫の夏休みを利用して行けるが、憧れのミルフォードトラック(ニュージーランド)やヒマラヤトレッキングはトレッキング適期の関係で、夫の定年退職を待たなければならない。ところが先天性股関節脱臼の手術に成功した友人のBUNさんから、ヒマラヤトレッキングを目指していると聞いた。心が動いた。即座に「夫のリタイアを待てない。その計画に乗った!一緒に行こう!」と提案。2007年の年の初めだった。それから夫にじわじわと説得攻勢をかけ、BUNさんとの一泊山行を何度か実行して“お留守番”にも慣れてもらい(笑)、とうとうOKの許可をもらった。
BUNさんと私の体力レベルに合ったツアーとして、旅行社を マウンテントラベル・ヒマラヤ観光開発 と決めて、2007年夏にツアー説明会に参加した。その時点ではBUNさんの幼なじみ、Y子さんを含めた“三人ムスメ登山隊”でのヒマラヤ行きを考えていた。そしてまた、私自身はその年の秋の出発だと思い込んでいたのだが、説明会当日、彼女たちは2008年秋での計画と考えていることが判明し、腰を抜かしたりもした(笑)
そんな2年がかりの計画で、私のヒマラヤを見る旅は実現した。当初はルクラから「ヒマラヤ街道(エベレスト街道)」を2泊3日かけてホテル・エベレスト・ビューまでトレッキングするツアーを希望していた。ヒマラヤを味わい尽くすにも高所順応のためにも、ベストなコースだからだ。しかし2回目の2008年のツアー説明会に参加した頃、友人も私も体力の不安を抱えていた。そして何より2人のスケジュールと出発日のスケジュールが重ならなかった。そこでルクラからチャーターヘリコプターで高所のシャンボチェに飛び、高所順応のためナムチェバザールで一泊するツアーに変更。また“三人ムスメ登山隊”のひとりY子さんは、残念なことに家庭の事情で不参加となった。
旅行前にインターネットで情報収集。現地(カトマンズ・ナムチェバザール・シャンボチェ)の天気予報もチェックしていた。出発前になんとナムチェバザール・シャンボチェに滞在する日の天気予報が最悪になった。展望を確実に楽しむために「乾期」の11月出発にしたのに、雨だの雪だのって…そんなあ!
さて旅のハイライトであるヒマラヤ展望のミニ・トレッキングも無事に終わり、カトマンズに下りてきたときに緊急事態が起きていたことを知る。帰国便(タイ航空)で利用するタイ・バンコクのスワンナプーム国際空港が、反政府団体によって占拠され封鎖。解除の目途が立っていないという。結局振り替えの航空便は4日後ということになり、ネパールに足止めされて旅の緊急延長が確定。仕事を持ち休暇で来ているBUNさんはハラハラし、私とて困った事態であることに違いはない。しかしジタバタしても仕方がない。こんな場合、個人旅行だと振り替え便も自分で探し、連日空港に詰めていなければならなくなり、ピリピリして過ごさねばならないだろう。思えばカトマンズに支社を置くツアー会社を選んだことは大正解だった。
足止めの間カトマンズで過ごしていても仕方がないため、ツアー会社の計らいでポカラへの一泊旅行に行けることに。ポカラはカトマンズからローカル便で30分ほどの、アンナプルナ山群を展望できる風光明媚な観光地である。このオマケのポカラがまたなかなか良かった。まさに「災い転じて福となす」であった。有り体に言えばラッキ~!(笑) そんなこんなで、今回のネパールの旅は一生忘れられない旅になった。
※ 写真の画質を改善し、掲載写真、ページ数を増やして更新しました(2020年12月)。
※ ヒマラヤ街道をトレッキングしたり、カラパタールまで登ったりしたわけではありません。あくまでヒマラヤトレッキング、高所トレッキングの入門コースです。そのうえで、体調に気をつけたり装備を調えれば、頑張らなくても誰でも行かれる高所トレッキングの記録として、参考になればと思います。
憧れのホテル・エベレスト・ビューに泊まる旅9日間 / マウンテントラベル - ヒマラヤ観光開発(株)
ネパールの緯度は日本の奄美大島と同程度で亜熱帯地域にあるため、日本本州より温暖。晴天の日の平地の市内観光などの行動時は、長袖Tシャツ1枚に羽織る物を持てば良い感じ。陽差しが強いので、半袖で充分な日もあった。標高1388mのカトマンズ(カトマンズ盆地)は高原のため、11月下旬の場合朝晩は冷え込み、朝や夜間の外出にはジャケットや薄手フリースを着用した。標高833mのポカラはカトマンズより暖かく感じた。
山岳地帯のナムチェバザール(標高3440m)やシャンボチェにあるホテル・エベレスト・ビュー(標高3880m)では、朝晩かなり冷え込んだ。日の出・日没の写真撮影の時は、インナータイプのダウンジャケットに厚手フリースジャケットを重ねて着た上に、ゴア仕様のオーバージャケットを羽織ってようやく寒さを凌いだ。また宿泊施設の暖房はないか、あってもあまり暖まらない設備のため、部屋にいるとき、就寝時が相当に寒い。ナムチェバザールのロッジ、ホテル・エベレスト・ビュー共に湯たんぽを用意してくれるがそれでも寒く、私は睡眠時は寝間着の下にブレスサーモ(発熱素材の衣料)の肌着上下、更に厚手フリースを着て、頭を冷やさないようにフリースの帽子を被って寝た。
トレッキングのときの服装は、日本での3月・11~12月頃の低山ハイキングと同程度で良い感じ。休憩時や曇りのとき風が強いときなどのため、フリースやジャケット(雨具兼用可)は必携。高山病予防では頭を冷やさないようにすることも大事なので、防寒帽も必携。
総勢15人。内訳はご夫婦での参加2組、男性友人同士2名での参加1組、女性友人同士2名での参加1組(私たち)、男女いとこ同士の1組、男性個人参加4人、女性個人参加1人。ヘリコプター利用で一気にシャンボチェまで上がってしまうツアーのためか、現役で登山を趣味としている人は私たちくらいなもので、バリバリの“山やさん”は皆無。男性参加者は全員60代後半~70代前半で、若い頃には登攀を含めた登山をやっていた方が多かった。女性のなかには登山そのものには興味がなく、素晴らしい景色を気軽に見に行かれるということで参加したらしい方も。ツアーの平均年齢を1人で下げてくれたのは、個人参加の若い独身女性だった(^^)
この旅行社のツアーでは、8名以上参加の場合は添乗員さんが付くことになっているので、添乗員さんが同行し、ほぼ全行程案内してくださった。
衣類以外の装備品で、ツアー会社から配布されたリストに加えネットで収集した情報を参考にして持って行ったものの中から、役に立った物、全く使わなくて要らなかった物などをまとめた。役に立った/使った・使わなかったの度合いは◎○△×で表示。
分類 | 装備品 | 必要度 | 説明 |
---|---|---|---|
防寒着 |
フリースジャケット 薄手・厚手各1 インナータイプのダウンジャケット マウンテンパーカー |
◎ | 平野部、山岳地帯共に重ね着の対応を。高所の夜の寒さはかなり厳しい。 |
手袋(ブレスサーモのインナー手袋) | ◎ | 早朝・夕方の戸外写真撮影に。 | |
手袋(フリースの厚手) | × | 使わなかった。 | |
ネックウォーマー | ◎ | 首筋を暖かくしていると寒さの体感度が違う。一番重宝した防寒具。マフラー可。 | |
防寒 | 使い捨てカイロ | ○ | ネパールには売っていない |
水筒 |
マグタイプのテルモス 450mlテルモス |
◎ × |
ロッジ、ホテルエベレストビュー共にお湯のポットの用意がある。テルモスふたつも必要なかった。 |
日本のペットボトルの空ボトル(500ml、250ml各1) | ◎ | あると便利。ネパールで販売している水のペットボトルは全て1リットル、またボトルはペコペコで強度がないので行動中携帯に不便。 | |
薬品(註1) | ビオフェルミン | ◎ | ネット上に「海外旅行中の消化器系の働き維持に有効」「ネパールで効いた」との情報が、2,3上がっていたので持参。確かに快食快*だった(^^) |
目薬 | △ | 土埃で目にゴミが入ったときの洗眼用。使用せず。 | |
喉スプレー | △ | 高所宿泊の時、乾燥で喉が痛み使用した。 | |
酸素発生器 | 商品名 オーツー・フォレスト | × | 高山病の心配から購入して持参したが、自力で高所順応できた。せっかく持参したので一度試用したが、酸素の発生が弱くて心許ない感じ。仮に酸素不足になっても宿泊先に酸素ボンベがある(有料)ので、心配無用。 |
嗜好品 | ゼリータイプのカロリー補給食3個 | △ | 高山病で食事を摂れなくなった時のため。 クンデピークの山頂でひとつ飲んだのみ。邪魔だったが持って行くと安心だと思う。 |
ゆかりふりかけ、アソートパックの佃煮 | △ | 高所のロッジ・ホテルで「おかゆ」が出るので。いつも食堂に持参するのを忘れ、他のメンバーのお裾分け、添乗員氏の差し入れをごちそうさま(笑) | |
のど飴・キャンディ、ガム、チョコレート、ミニカップゼリーなど | ○ | 空気が乾燥しているので、のど飴は◎ | |
その他 | トイレットぺーバー(註2) | ◎ | 空港・公園のトイレにはないことが多い。トレッキング中通りがかりのロッジなどで利用する場合も必要。 |
ウェットティッシュ | ◎ | 公衆トイレなどで手を洗えないことが度々。 | |
リップクリーム | ◎ | 空気がたいへん乾燥しているので必要。 | |
マスク(使い捨て用) | ◎ | カトマンズで排気ガスや埃が気になるとき。喉が少し痛かった晩、就寝中に。 | |
バンダナ | ○ | 高所滞在の3日間は入浴・シャンプーができない。帽子を被るのでヘアースタイルが無惨。屋内で帽子着用しないときに活用。 | |
サンダル(註3) | ◎ | 高所ロッジ、ホテルで大活躍。 | |
トレッキングシューズではない靴(高所に持って行くかどうか) | × | ナムチェバザール散策で履いたが、すり鉢状の集落は登り下りがきついため、かえって山靴の方が歩きやすい。 | |
洗面器(註4) | ○ | 100円ショップで買った小型の物。バスタブに湯を溜める待ち時間、上からのシャワーのみの入浴にストレスを感じる人にはお勧め。洗濯にも活躍。 |
(註1)薬品は他に痛み止め、風邪薬、下痢止め、湿布薬など、救急薬一般を持参。この項目では要説明の場合のみ記載。
(註2)3分の1程度にしたロールを2巻持参したが、そんなに要らなかった。
(註3)ナムチェバザールのロッジ(ヒマラヤン・カルチャー・ホーム)、ホテル・エベレスト・ビューにはスリッパ(室内履き)あり。しかしテラスや屋上展望台に出ることが多いので、サンダルの出番は多い。
(註4)ネットの書き込みで「海外旅行で持参する便利な物1位」に挙げてあったので。帰国時に邪魔だったら、ホテルに置いてきても惜しくはない。
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