オーロラの撮影について - カメラ初心者のために

 2年ほど前新しいコンパクト・デジカメを買いに行ったら、買うつもりでいたコンデジ・ハイエンド機よりもミラーレス機(NIKON 1 J1)の方が安かった。それでレンズ交換式デジカメを使うようになった……というレベルの人間なので、露出とかシャッタースピードとか、未だに理解し切れていない(^^ゞ

 皆既日食を見に出かけた旅の時には、必要な機材に散財するのも馬鹿らしく、あっさりと写真撮影は諦めた。しかしオーロラ撮影は、マニュアルモードに切り替えられる機種であれば、コンパクト・デジカメでもそこそこの写真が撮れるらしい。オーロラを見た感動を形に残し、後々もそのときの感動を再体験したいので、撮影に挑戦することにした。検索でNIKON 1 J1でオーロラを撮影した事例も見つけた。いつまでもカメラ音痴のままの私も俄然発奮(笑)

 インターネットでのにわか勉強を開始し、三脚、オーロラ撮影に適した単焦点広角レンズ(1 NIKKOR 10mm f-2.8)、レリーズ機能がないので代替のリモコンを購入。夜空の撮影などほとんどしたことがなく、三脚使用やリモコンでのシャッター操作にも慣れていない。そこで練習のため星空の撮影を試みることにし、星空撮影に適した山間の温泉まで一泊旅行…いやはや、散財じゃん(笑)

 その結果わかったのは、今使っているカメラの細かい操作すら知らず、使いこなしていなかったという事実。NIKON 1 J1の「おまかせシーン」という完全なお任せモードは、「山歩きをしながら通りすがりにパシャパシャ撮る」という私の撮影スタイルに適し、かなり思った通りに撮れる。つまり基本的で初歩的な使い方で満足できて、わざわざマニュアルモードで使うカメラではないとも言える。マニュアルモードでの操作性はハッキリ言って悪いし、それ以前に設定すらわかりにくい。基本的なモードの切り替えくらいはすぐわかったが、フォーカスとシャッタースピードの変更方法は、どこをいじってもわからず、使用説明書の冊子にも書かれていない。マニュアルモードでの詳細設定の説明は、CD-ROM「活用ガイド」にあるとわかるまで悪戦苦闘。はい、たまには活用しなくちゃね(笑)

オーロラ撮影 - 必要なもの

◎三脚:必須。シャッタースピードを遅くして長時間露光をするために、手持ち撮影では無理。レンズ交換式デジカメはレンズ自体が重いので、ある程度しっかりしたもの、カメラ操作がしやすい高さに伸ばせるものがベターである。

△リモコン:あると良い。シャッターを押す際にカメラが動いてブレるのを避けるためにレリーズ(リモートレリーズ)を使えると良いが、NIKON 1 J1にはレリーズ機能がない。そこで代わりにリモコンを使う。リモコンがない場合は、セルフタイマー機能で2秒など最低秒数に設定してシャッターを切るようにする。

◎ライト:カメラの設定変更や、移動するときに足元を照らすライト。ヘッドランプよりポケットに入る小型懐中電灯(マグライト)の方をおすすめ。ヘッドランプは広範囲に照らしたり思わぬ方向に光りが届くので、他の人と一緒に撮影する状況だと、撮影中の人にとって大迷惑になる事例を起こしやすい。

△予備バッテリー:今回の気候ではバッテリー低下は全く起きなかった(カメラでの違いや、バッテリーの経年でも違いがあるが)。真冬でのオーロラ撮影なら必須。真冬の撮影ノウハウはご自身でお調べください。

オーロラ撮影 - ミラーレスカメラカメラでの設定

※NIKON 1 J1での操作を元に書いています。

 事前に明るい場所で、カメラを以下のように設定しておく。

1.マニュアルモードにする

NIKON 1 J1の場合はメニューボタンを押してカメラの設定を選び、露出モードを「おまかせシーン」から「Mマニュアル」に変更。

2.画質モードはFINE以上に。プリントアウトするならRAWやRAW+FINE(JPEG)だが、撮影後の保存の時間がかかり、シャッターチャンスを逃すデメリットあり。

3.画像サイズは大きいほど良いが、思った以上に撮り勝ちなのでSDカードの容量との兼ね合いで。

4.連写の設定は単写。測光モードは変更しなくて良い。

5.ホワイトバランスはAUTOのままでOK。

6.ISO感度設定はとりあえず、ISO800あるいはISO1600にする。撮影時に条件に対応して変更。

NIKON 1 J1の場合はデフォルトでは「A3200オート 100-3200」のようにオート設定になっているが、詳しい方にオートではなく数値での設定をとアドバイスされた。

7.長時間ノイズ低減はON。高感度ノイズ低減はOFFで良い。

ノイズ低減処理は時間がかかり、次のシャッターチャンスを逃す原因になる。「高感度ノイズ低減はあまり意味がなくOFFで良い」というアドバイスを聞いたのは旅の後半だったので、実際にはほとんどONで撮影した。

8.手ブレ補正はそのままACTVEでも問題なし。

星空撮影の場合は手ブレ防止機能を切ることが必要だったが、オーロラ撮影では切らずにOKだった。

9.フォーカスモードを MF マニュアルフォーカス にする

10.絞り値の設定は設定可能な一番小さい数値(絞りを開放)にする。

11.フォーカスを無限遠∞に固定する

12.シャッタースピードは10~30秒を目安に

ISO感度を高くするとノイズが増えるため、シャッタースピードを速くするなど、現場で自在に変更する。だからシャッタースピード変更の操作方法は、必ずしっかりと身につけておくこと。

13.一番大事なこと→オートフラッシュは切っておく

大事な撮影チャンスを台無しにされた人から殴られても文句は言えない(笑)


 コンデジやミラーレスカメラは軽量化を図るために、光学ファインダーを備えていないことが多い。すっかりライブビュー(液晶画面を見ながら撮影)での撮影に慣れてしまっていたが、オーロラ撮影をしたことで光学ファインダーの重要性を感じてしまった。何故なら、オーロラが肉眼で見えるのに、ライブビューできない…つまり、オーロラにカメラを向けても液晶画面は真っ暗なのだ。構図を決めるどころか、オーロラの方向に目星を付けてカメラを向け、写るのか写らないかわからないままにシャッターを切るしかなかった。大体は狙いは的中していたが、これは広角レンズのメリットも大きい。

撮影したオーロラ写真

写真のキャプションにアイコン がある場合は、画像をクリックすると拡大表示します。拡大画像の画面は、パソコンの場合は画像下のバーの < > で、モバイル端末ではスワイプで画像を順番に見ることができます。
撮影場所:MOOSE CREEK LODGE(ムースクリークロッジ)の前

 8月24日(23日深夜)にMOOSE CREEK(ムースクリーク)のロッジ前で撮影した、オーロラ撮影初日の写真3点。オーロラ出現からしばらく経ち、落ち着いて撮影した画像2は、拡大しても星々にそこそこピントが合っている。オーロラは光が強いぶん、星空撮影よりは簡単だった。画像3は絞り値の設定がいつの間にかF3.2に動いていて、気がつかずに撮った写真。絞り値が上がるとこのように暗い写真になる。シャッタースピードは8秒で撮るつもりだったが、当初いろいろな速度で撮影しているうち、なんとなく5秒が良い気がして、その後も5秒が基本になってしまった。単焦点広角の明るいレンズでの撮影だから、露出時間が短めでも撮れた?

MOOSE CREEKで撮影したオーロラ
画像1:F2.8/ISO800/シャッター速度5秒
MOOSE CREEKで撮影したオーロラ
画像2:F2.8/ISO800/シャッター速度5秒
MOOSE CREEKで撮影したオーロラ
画像3:F3.2/ISO800/シャッター速度5秒

※ムースクリークで撮影したオーロラ写真は、旅のレポートページにも載せています。

ムースクリークでオーロラ初体験(3) »

撮影場所:EAGLE PLAINS HOTEL(イーグルプレインズホテル)のキャンプサイト

 下は8月25日(24日深夜)にEAGLE PLAINS HOTEL(イーグルプレインズホテル)のキャンプサイトで撮影した写真。午前0時半頃から2時半頃まで待機して粘ったが、オーロラが出現せず諦めて部屋に戻った。ベッドに入った3時前頃、メンバーから「オーロラ、出てるよー」との知らせ。急いで準備し外に出たら、頭上に素晴らしいオーロラダンス。カーテン状に広がり、揺らめき、めまぐるしく形を変える。と思えば、あっちにもこっちにも!

EAGLE PLAINSで撮影したオーロラ
画像4:F2.8/ISO800/シャッター速度5秒
EAGLE PLAINSで撮影したオーロラ
画像5:F2.8/ISO800/シャッター速度5秒
EAGLE PLAINSで撮影したオーロラ
画像6:F2.8/ISO800/シャッター速度5秒

 NIKON 1 J1のシャッタースピード設定は小さなレバーなので、慌てていると無意識にレバーに触って数値が変わってしまい、それに気づかずに露出時間が足らない写真が続出してしまったのが悔やまれる。

 この日はISO感度1600でも撮影(画像7・8・9)。ISO感度を上げると明るい写真になる。反面ノイズが発生して荒れた感じになってしまう。イーグルプレインズホテルは周囲に何もない場所にあり外は暗いのだが、キャンプサイト手前に明るい街灯があった。明かりの影響を受けない奥までたどり着くのを待てずに撮影したので、少々明るすぎる写真になった。しかもオーロラの動きが速く、ピントが甘いボケた画像になってしまった。そもそも標準より明るく写るレンズを使っているのだから、ここではわざわざ1600まで上げない方が良かったかもしれない。ISO感度を上げた場合シャッタースピードを速くすると、ブレが少ない写真になる。3秒で撮るといくらかキリッとした写真に(画像7)。

EAGLE PLAINSで撮影したオーロラ
画像7:F2.8/ISO1600/シャッター速度3秒
EAGLE PLAINSで撮影したオーロラ
画像8:F2.8/ISO1600/シャッター速度5秒
EAGLE PLAINSで撮影したオーロラ
画像9:F2.8/ISO1600/シャッター速度5秒

※イーグルプレインズで撮影したオーロラ写真は、旅のレポートページにも載せています。

トゥームストーン準州立公園とオーロラダンス(4) »

撮影場所:The Midnight Dome(ドーム) / Dawson City(ドーソン・シティ)

 ドーソン・シティではホテルが町中にあり、オーロラを見るのにも撮るのにも明るすぎる。ドーソン・シティでのオーロラ鑑賞のメッカは、町とユーコン川を見下ろす丘、ドーム(The Midnight Dome)である。到着後しばらく待つとオーロラが現れた。ところがこの晩は雲が多くて、雲間越しのオーロラしか見られなかった。画像10には赤い光りが広範囲に写っているが、雲に反射した光かもしれない。オーロラ自体の発光も弱く、ISO感度を上げたり下げたりシャッタースピードを変えたりと試行錯誤したが、良い結果が得られなかった。ISO感度とシャッタースピードの組み合わせが難しい。

Dawson Cityで撮影したオーロラ
画像10:F2.8/ISO800/シャッター速度30秒
Dawson Cityで撮影したオーロラ
画像11:F2.8/ISO800/シャッター速度13秒

 1時間程度で切り上げてドームを下りホテルに戻る途中でも、車の窓からオーロラが見えた。そのうち光がどんどん強くなり、下車して撮影することに。画像11がその写真。カメラに精通したガイドさんからマンツーマンのアドバイスを頂き、捉えることができた。

※ドーソン・シティで撮影したオーロラ写真は、旅のレポートページにも載せています。 トゥームストーン準州立公園軽ハイキング(5) »

コンパクト・デジカメで撮影したオーロラ写真

 夫は写真撮影にそれほど情熱を燃やさず執着がないので、コンパクト重視のコンデジ派。それでもオーロラは撮影する気持ちになったらしい。夫が最近使用しているカメラは Canon PowerShot S100 だが、マニュアルモードで撮影するカメラではなく、星空の撮影はできなかった(案の定オーロラの撮影も無理だった)。そこで以前使っていたRICOH GX200も持参し、オーロラはRICOH GX200で撮影(ちゃちな三脚使用)。RICOH GX200は結構良いコンデジで、レンズの明るさもオーロラ撮影に申し分ない。夫もシャッタースピードをいろいろ変えて撮影し、液晶画面で再生するとそれなりに写っていて喜んでいた。しかしパソコンに取り込んで見ると、ミラーレスカメラでの写真との差が歴然。

 画像12はイーグルプレインズで、画像13はドーソン・シティで、夫がコンデジで撮影した写真。どちらも強いオーロラが出ていたときのもので、弱いオーロラはあまり捉えられていない。そしてノイズが目立つ。すべてISO感度1600での撮影で、ISO感度800ならもう少しノイズが抑えられたかも。ただしカメラが数年前の機種なので、最新機種ならまた違う結果かも知れない。

コンデジでのオーロラ写真
画像12 コンデジでのオーロラ写真
F2.5/ISO1600/シャッター速度8秒
コンデジでのオーロラ写真
画像13 コンデジでのオーロラ写真
F2.5/ISO1600/シャッター速度15秒

 オーロラ鑑賞チャンスありを謳ったツアーだから、オーロラ撮影の際には高級一眼レフを載せた三脚が並ぶと思っていた。意外にもそうではなかった。男性友人2人組はあえてフィルムカメラで撮るこだわり派とデジタル一眼レフの使い手だったが、単独参加の女性3人は夫以上に写真撮影に執着しない派で、もっぱら肉眼での鑑賞。それも良い選択だとは思うのだが、できたらコンデジでも良いので撮影をしてみてほしい。その理由は…

 実はオーロラを肉眼で見ても、写真やテレビで見てきたようには見えない。弱いオーロラだと「白い雲」にしか見えず、強いオーロラでやっと緑白色に見え、その際に赤い極光が出ればうっすらと見える程度。カメラで撮影することで初めて、写真やテレビで見てきたあのオーロラが浮かび上がってくる。肉眼で見て感動し、それを撮影した直後カメラの液晶画面に緑色の光りが映し出されたとき、更に大きな感動を覚える。オーロラは“1粒で2度おいしい”ものなのである(笑)

参考サイト(オーロラの撮影テクニックなど)



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