余計な前書き お正月休み中の山旅は今年もスノーシューイングと決めてはいたが、12月3日にネパールから帰国した私はいつまでもネパールやヒマラヤを引きずっていたので、計画になかなか着手できず(笑)。夫に急かされて頭に浮かんだのが、ロープウェイで上がって楽ちんに素晴らしい樹氷群が見られるという森吉山だった。私たち夫婦はスキーをやらないので、いまだに冬の蔵王にも行ったことがなくて樹氷を見たことがなかった。最近森吉山はスノーシューに向くエリアとしても、人気がじわじわ上昇中らしい。

 ところが調べてみると宿泊施設からスキー場へのアクセスが不便。「ロープウェイで楽ちんに樹氷見物」なら、八甲田山があるではないか…。それどころか、八甲田ロープウェーのサイトによれば『八甲田山の樹氷は、その規模・壮観さ・豪快さにおいて、蔵王・八幡平をしのぎ、日本一と言えます』だとか。ということで、北八甲田のスノーモンスターを見に行くことに決定。手持ちのガイドブック「雪と遊ぶスノーシューテクニック&フィールドガイド」に掲載している、ロープウェイ山頂公園駅から田茂萢湿原、田茂萢岳、赤倉岳四合目辺りを8の字に周回するコースで歩くことにした。

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城ヶ倉温泉 ホテル城ヶ倉

 1999年8月に岩木山と北八甲田山に登りに来たときに宿泊したのが、酸ヶ湯 とホテル城ヶ倉だった。強い酸性の硫黄泉である酸ヶ湯温泉から移動したので、無色透明無味無臭である単純温泉の城ヶ倉温泉が少し物足りなく感じたことを覚えている。

ホテル城ヶ倉
ホテル城ヶ倉

 しかし青森県下では無色透明の単純温泉はかえって珍しく、「白湯」として有り難がられているらしい。確かに何度も入浴しても強い温泉より湯疲れしないし、体がよく温まる温泉だった。(注記:温泉は加温・循環濾過)

客室はバルコニー付き
客室はバルコニー付き

 今回再びホテル城ヶ倉を利用することにした最大の理由は、ホテルが八甲田ロープウェイへの送迎シャトルバスを出していることである。八甲田への足はJRバス東北の観光定期バスしかなく、しかも本数が極めて少ない(→JRバス東北)。送迎サービスは有難く、マイカーではない者にとっては必須条件なのだ。ホテルで山岳スキーのガイド付きツアーも営業しているので、そのためのバスらしいのだが、もちろん宿泊者は無料で利用できる。

 ホテル城ヶ倉の良いところは、とにかく静かなこと。客室がそれほど多くないので、日帰り入浴客の対応時間が終わればお風呂も混まない。

2日目の夕食
2日目の夕食

 お料理は品数・質ともにそれほど豪華ではないが、中高年にはちょうど良い量で、リーズナブルな宿泊料金を考えれば不満はない。不満があるとすれば、客室の暖房は床暖房なので調節が出来ず、部屋が寒いと感じるときと暑すぎるときがあったこと。

2日目 1月5日 雪

八甲田ロープウェイ山頂公園駅でスノーモンスターを見る

 願いも叶わず雪が降り続いていた。ロープウェイで上がった田茂萢岳山頂付近は、更に天気が悪いと思われた。八甲田ロープウェイへの送迎バスの時間は、送りが9時出発、迎えはロープウェイの最終時間に合わせた16時。もし上がってもスノーシューで歩き回れる天候でなければすぐに下りてくるつもりなので、ホテルのフロントに送迎車を出して貰えるか尋ねたところOKとのこと。酸ヶ湯までの送り迎えのお願いも快く聞いて貰えた。

 天気が悪くてもゴンドラは満員で、ラッシュアワーの通勤電車並だった。ほとんどがスキーヤーとスノーボーダーで、そして若干の観光客。山スキーやスノーボードの登りのときのためのスノーシューを持っている人も見かけるが、スノーシューが目的というのは私たちだけのようだった。

ロープウェイ山頂公園駅
ロープウェイ山頂公園駅
霧で視界最悪
霧で視界最悪

 山頂公園駅の駅舎を出たら、景色がぼんやりとしか見えない。吹雪と言うほどではないが雪は降っていた。しかし霧が発生していて視界が悪く、20mくらい先の樹氷がぼんやりとしか見えない。スノーシューを装着していたらパトロールらしき人が駅から出てきて、「どこまで行きますか?」と質問してきた。「この視界では危険なので、駅舎周辺の建物が見える範囲の散策にとどめます」と答えたら、安心した様子だった。

 ぼんやりとした視界ながらも、樹氷がにょきにょきと立っていることを確認できる。1月初めでは樹氷はまだ育っていないかもしれないという心配をしていた。しかし既に本来のアオモリトドマツの姿を想像できないほどの樹氷になっていて、初めて見るスノーモンスターに感激だった。

 怪物くんたちはなんとなく恐竜に見えたり、一部が獅子の顔に見えたりして面白い。駅舎の前でさえこれだけの樹氷群だから、天気が良くてどんどん歩いて行くことが出来たならもっと楽しいだろう。ともかくスノーモンスターを縫って、足跡がない新雪の上を歩き始めた。完璧なパウダースノーではないものの、気温が低いため踏み心地の感触は良い。ところが風が強いので顔に雪が当たり痛い。建物に舞い戻りネックウォーマーをつけて再び進軍。

 歩く足元の先20mくらいは見えるが、全体を見晴らせないため適当に歩くのも難しい。スキーコースには竹竿のガイド用ポールがあるが、スキーヤーやスノーボーダーのお邪魔虫になるのも嫌だし、圧雪されたスキーコースを歩いてもスノーシューの醍醐味はない。そのうえせっかくの見事なスノーモンスターの写真を撮ろうにも、液晶画面に映るのは真っ白な世界で、果たして撮れているのやら?という状態なのだ(掲載している写真は見やすいように、少しコントラストを強くするレタッチをしています)。

スノーモンスター
スノーモンスター
スノーモンスター
スノーモンスター
山頂公園駅の前
山頂公園駅の前

 ロープウェイから下りてきた観光ツアーの人たちも寒くてさっさと引き上げていく。しばらく歩き回ったが、“八甲田山死の彷徨”にならないうちになどと冗談を言い合って、戻ることに決めた。

 ロープウェイを下り、迎えに来て貰ったホテル城ヶ倉の車で酸ヶ湯温泉に送ってもらった。


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