余計な前書き 樹氷を見たいと2009年に北八甲田山に行ったのだが、吹雪のためにロープウェイ山頂駅の前の樹氷群を眺めただけで、スノーシューイングはできずにロープウェイで下りてきた。樹氷群の中をスノーシューで歩きたくて、今度は蔵王に行くことにした。

北八甲田でスノーシューイング »

 調べてみると蔵王でアイスモンスター(スノーモンスター)の樹氷群を見ることができるエリアは、刈田岳と地蔵山の西斜面と、蔵王坊平高原(蔵王ライザワールド)のようだ。蔵王での樹氷の生成には、シベリアからの北西の季節風と日本海の対馬暖流、さらに蔵王の西にそびえる朝日連峰が欠かせない。そして冬でも落葉しないアオモリトドマツがアイスモンスターになるので、蔵王一帯全域で見られるわけではないことがわかった。

 蔵王坊平高原の樹氷原は、なだらかな高原にアイスモンスターが林立しているため、スノートレッキングに向いているとのこと。ただし樹氷原に上がるのがリフトなので、山麓まで歩いて下りなければならなくなる。加えて宿泊施設が少ない。蔵王スキー場エリアなら複数のロープウェイを利用して樹氷原以外のエリアにも行くことができて、しかもベースとなるのが蔵王温泉である。滞在するなら温泉がある方が良い。迷うことなく蔵王温泉の宿を予約した。

樹氷ライトアップ見物

2017年2月5日

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 滞在中の3泊4日の間ずっと、天気予報に「晴マーク」はなかった。典型的な冬型天気が続き「曇りときどき雪」の4日間になりそうだ。晴れるという奇跡は、まぐれ当たりでも起こりそうになかった。到着した日が比較的天気が良くまあまあの薄曇りで、宿泊ホテルへ向かうバスの車窓からは、山形盆地の向こうに真っ白な朝日連峰を望めた。

 チェックインしたホテルの窓からは、山形盆地に広がる上山市の市街地が見えたが、途中で見えた朝日連峰はもう雲の中だった。それでも翌日以降の天気はまったく期待できないので、到着した晩に樹氷のライトアップを見に行くことにした。

 蔵王樹氷原でライトアップが行われるのは、蔵王ロープウェイ地蔵山頂駅の周辺である。蔵王ロープウェイと経営母体が同じ蔵王アストリアホテルに宿泊したので、ホテルのフロントで樹氷ライトアップ乗車券(割引券)を購入し送迎車の予約をした。夕食後に防寒の身支度をして出発。

蔵王ロープウェイ乗り換え連絡通路
蔵王ロープウェイ乗り換え連絡通路

 蔵王ロープウェイ山麓線のゴンドラから、眼下にナイトスキーを楽しむ人々を見ながら樹氷高原駅へ。イルミネーションが輝く連絡通路を渡ってロープウェイ山頂線に乗り換える。山頂線は地蔵山西面に広がる樹林帯を上がっていくので、窓からも樹氷原が眺められるはずなのだが…。標高が上がるにつれてガスに煙ってきてしまい、窓からはよく見えなかった。

 行く先にぼんやりとライトアップの明かりが見えてきた。眼下には雪上車での「樹氷幻想回廊ツアー」のナイトクルーザーが見えた。

樹氷のライトアップ
樹氷のライトアップ

 山頂駅に着いて外に出ると、ライトアップされている樹氷原に柵が巡らされていて、見物するための歩道は圧雪されていた。

ライトアップされた樹氷原
ライトアップされた樹氷原
樹氷のライトアップ
樹氷のライトアップ
ゴジラに見える樹氷
ゴジラに見える樹氷

 グリーンとオレンジ色の2色で照らされているだけの、けばけばしい感じはしないシンプルなライトアップだった。そのため遠景は暗くてよく見えないが、近くの樹氷は思ったより大きくなっていたので、結構見応えがあった。恐竜や怪獣、ペンギンにそっくりな樹氷、どう見てもゴジラにしか見えない樹氷が幾つか。頭の中でテーマミュージックが鳴ってしまう…♪ダダダ ダダダ ダダダダダダダ!

屋上展望台から見る樹氷原
屋上展望台から見る樹氷原
屋上展望台から見る樹氷原
屋上展望台から見る樹氷原

 屋上展望台に上がると樹氷原の全体が眺められる。少しガスがかかっていたので見晴しは余り効かなかったが、斜面に広がる樹氷群は圧巻だった。上から眺めるとまだアオモリトドマツの形そのままの樹氷が多く、樹氷の成長のピークには早かったようだ。

 迎車の時間が迫ってきたのに気づいて、下山することにした。山頂線のロープウェイは自動循環式なのですぐ乗れるが、山麓線は普通索道なので待ち時間がある。結局山頂駅での樹氷見物時間は20分くらいだった。


蔵王温泉 蔵王アストリアホテル

 ホテルに併設してスキーの保管やレンタルを行うスキー・センターがあり、裏手が既にゲレンデ・リフト乗り場であるため、スキーが目的の場合はとても便利なホテルである。そのため滞在中は2つの大学のサークルが合宿で宿泊していた。レストランの夕食でも、ご飯とお吸い物は各自が盛りつけて持ってくるセルフサービス。お酒を飲みながらゆっくりと夕食を楽しみたい人には不向きだろうが、アウトドアアクティビティが目的だと割り切るならそれも良し。

 浴衣とアメニティ用品の一部は、フロントに設置してある棚から各自持って行くことになっており、そういうやり方もある意味便利だと思った。

 高台に建っているので晴れれば眺めが素晴らしい。温泉街の中心地からは遠いので、バスターミナルと各ロープウェイ駅へは無料送迎してもらえる(スキーシーズンだけのサービスか否かは未確認)。「蔵王スカイケーブル」の上の台駅までの送迎は、ホテルのフロントの話では途中の「蔵王体育館まで」とのことだったが、ドライバーさんの計らいで上の台駅まで送迎して頂けた。

温泉棟への通路 / 蔵王アストリアホテル
温泉棟への通路
温泉入口 / 蔵王アストリアホテル
温泉入口

 蔵王温泉は強酸性の硫化水素(含明礬緑礬)泉である。温泉成分が建物を傷めるので、蔵王アストリアホテルでは宿舎棟と温泉棟を分けている。厳冬期にいったん外に出て温泉棟に行くのはツライが、硫黄の香り漂う濁り湯の源泉が、常にかけ流しされている魅力には勝てない。一日に何度も入湯しに行った。連絡通路に続く出口には、防寒用ベンチコートが何着も用意されている。

 なお宿舎棟内にも大浴場があるが、ヘルストン温泉(人工温泉)である。

 泉質は含硫黄硫酸塩・塩化物温で強い酸性。冬場で泉温が低くなるためかピリピリした感じはせず、むしろ肌がなめらかに感じられる“とろみ感”さえあった。ただ何度も何度も入湯していると、客室の暖房もあって肌の乾燥がひどくなり、お湯に浸かった途端にピリピリするようになった。入湯しすぎも考えものである(笑)

 露天風呂ということだが、実際は屋外側を開放しただけの半露天風呂である。それでも一応「雪見風呂」感はある。内湯の洗い場が広くなくカランが2箇所なので、混むときは身体が洗えない状況になるのが難点。宿泊者なら宿泊棟の大浴場を併せて利用できるが、日帰り入浴の場合は温泉棟だけの利用になるので要注意。

女性用内湯 / 蔵王アストリアホテル
女性用内湯
女性用露天風呂 / 蔵王アストリアホテル
女性用露天風呂
日によって色が変わる温泉 / 蔵王アストリアホテル
日によって色が変わる温泉

 宿泊1日目は白濁の度合いが強くて灰色がかったオリーブグリーンの湯の色だったが、チェックアウト日の朝は硫黄の湯の花が薄まって青白い湯の色になっていた。天気の変化で温泉の成分が変わり、湯の色も変わることはよくある。いずれにしても良いお湯だった。

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