歩き始めて1時間、登山道の傾斜が緩みきれいな清流にかかる橋を渡ると、以前にBUNさんがメールで写真を送って下さって以来その静かな佇まいに憧れていた鶴間池が目の前にあった。
水際の潅木の紅葉と、葉を落とし始めて白い幹が目立つようになった樹林を映しこんだ鶴間池は言葉に尽くせぬほど美しかった。小さな浮島のひとつひとつさえも赤・黄・緑の錦秋である。正面の山腹左手の断崖からは、落差の大きい滝が見える。そして数人のハイカーとカメラマンがいてもなお、静かな池の畔である。周囲のブナ林は金色に輝き、冬の厳しさに耐えて捻じ曲がったブナの大木は存在感がある。

オカリナを演奏するBUNさん |
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山頂は見えたり見えなかったり |
昼食のあと、BUNさんがオカリナを演奏してくれた。「北の国から」のメロディを目をつぶって聞きいると、ドラマのタイトルバックになっていた富良野の景色と、今目の前の鶴間池の景色とが交互に脳裏に浮かび、自然との一体感ひとしお。時々青空が覗くものの山頂にかかった雲がなかなか取れない。
鶴間池の奥にある奥鶴間池まで行くことにした。地元の人もあまり行かないため登山道は少しヤブで、目印のテープも風化して目立たない。1年前?の記憶を頼りにズンズン進むBUNさん。構わずヤブを漕いで行くけれど…ちょっと違うんじゃないのと少々不安になる。案の定行き止まり。私が右手の小尾根状の上に登山道があると気が付き軌道修正できた(笑)。誰もいない奥鶴間池は静寂そのもの。BUNさんが持ってきてくれた梨を食べたりしながらしばらくすると、白く雪化粧した山頂が現れた。
鶴間池まで戻ると、避難小屋の中では下りの時に出会った地元のおっちゃんグループが芋煮会の最中だった。小屋を覗くと「食べて行きなさい(もちろん庄内弁で)」と誘ってくださり、上がりこんでお相伴に預かることにした。庄内地方の芋煮は豚肉が入り、豆腐の代わりに厚揚げを使い、サトイモ、大根などなど具だくさん。熱々の芋煮で体はホカホカ、親切な地元の方との出会いと語らいで心もホカホカになった。避難小屋は畳敷きでテーブルなども備えられ、宿泊にも最適そうだ。

再び外に出るとオジサンの一人が清流を覗き込んでいた。一緒に覗くと大きなイワナが泳いでいた。3時間、充分堪能した鶴間池を後にして駐車場に戻る。神経を使った急な下りも、登りは手足をフルに使ってグングン登れ案外楽ちん(^^)