HOME > 山行一覧 > 立山TOP > 立山その5 《2004年7月28日〜8月1日立山連峰・奥大日岳・弥陀ヶ原と葛温泉》


弥陀ヶ原

 4日目 7月31日 晴れ 晴れ

 朝食前の朝風呂を楽しんだのは言うまでもない。出発の仕度を整え、ポリタンクに洗面所の水を詰めた。この宿の洗面所の蛇口からは、なんと「立山の美味しい水」が出るのである。ついでの話だが、この宿のトイレは"ウォシュレット"である。標高が高いため水圧が弱く、トイレットペーパーをあまり使わないようにとの注意書きがある。ウォシュレットにしているのはそんな理由からかもしれない。ちなみに1階玄関脇の、靴のまま利用できるトイレの方もウォシュレットだった。テラスからの眺めを存分に楽しんでから、室堂ターミナルへと遊歩道を登っていった。今日は立山に来てから一番の良い天気になり、遠く富山湾まで見通せた。

 当初は室堂から弥陀ヶ原へのコースを歩き、バスで室堂へ戻る計画だった。室堂平までバス(観光団体バスも含む)が入っていることを問題視しつつ、時間的制約のなかでは利用せざるを得ない。ターミナルで不必要な荷物をコインロッカーに預けてから、バスの座席予約の件で職員に尋ねていると、少し後に美女平行きのバスが出ることを知った。コーヒーを飲んで待つくらいの時間である。誘惑に負け往復バス利用で弥陀ヶ原高原の散策だけに予定変更(^^;。

室堂平から富山市と富山湾の眺め
室堂平から富山市と富山湾サブウィンドウを開きます
弥陀ヶ原から望む大日連峰
弥陀ヶ原から望む大日連峰サブウィンドウを開きます
弥陀ヶ原の木道
弥陀ヶ原の木道

静かな湿原歩き
 高原バスはぐんぐん標高を下げていく。歩くはずだった弥陀ヶ原への歩道が見える。大日連峰の眺めが素晴らしい。21年前に乗車したとき何も見えなかったのが、今更ながら惜しい。広大な弥陀ヶ原が見えてきた。弥陀ヶ原ホテル脇のバス停で下車すると、3人の職員さんが寄ってきて帰りのバスの予約をチェックされた。全員着席制のバスなので予約がないと乗れないことになっている。標高1930mの弥陀ヶ原は東西4km、南北2kmにも及ぶ広大な高原で、湿原の池塘は「ガキ田」と呼ばれる。高山植物の宝庫といわれる湿原はちょうど花の端境期で、期待していたほど花は咲いていなかった。今年は特に夏の訪れが早かったためもあろう。歩き出すとゼンテイカが少し咲いていた。清楚な白花のタテヤマリンドウがちらほら咲き、そしてワタスゲが揺れる湿原の向こうに大日連峰が長くどっしりと横たわっている。室堂からの眺めとも違って楽しい。つい魔が差して登るのを止めてしまったポイントや、斜面を横切っている登山道も良く見えた。前方に遠く海らしい眺めも。チングルマは全て花を終え、ワレモコウも咲き出していた。木道の一番奥で室堂からのコースと繋がる。ここのベンチでの休憩は至福のひとときだった。開放感溢れる自然の中で、時間を気にせずのんびりと自然を満喫した。お手軽散策コースにしては、歩く人が少ないのが意外である。人が溢れる室堂平より良い印象を持った。

チングルマ(果穂)
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ワタスゲ(果穂)
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松尾峠へ向かう
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途中まで行くだけなら行かないほうが良い(笑)
 殆ど楽チンな木道歩きだが、「追分」の手前で多少登山道らしい登りもある。「追分」でいったん車道に出た。周回コースで出発点に戻っても、バスの発車時間までかなりある。車道の反対側にあり、展望台がある松尾峠に登ることにした。しかし展望台へ往復する時間はない。「行かれるところまで行き、時間を見計らって戻る」という夫の提案に不服を唱えつつも従った。こちらの木道は階段での登りもあるためか、誰も歩く人がいなかった。時々車の走行音が聞こえるものの、夏のハイシーズンの週末と思えないほどひっそりしている。ほんの少し登れば眺めも良い。乾燥化して笹原になっているので、花はアキノキリンソウ程度。ちょうど太陽が真上に来て、日差しを遮るものがないので堪らない。室堂ほどの標高がないため気温も高い。おまけに一応「登り」なのでとにかく暑い。私の体力不足で奥大日岳に登れなかったという点もあるので、夫は「トレーニングと思えばいい」などど言う。テーブルとベンチが現れたがカンカン照りで最悪。それでもザックを下ろして休憩した。展望台に未練が残る夫が偵察に行った。やはり展望台には遠そうなので戻ることに。この往復は無駄足のうえ暑かっただけだった。今後は安易に「途中まで行って戻る」のはやめようと思う(笑)
 再び弥陀ヶ原へと戻り、ベンチで東京から持ってきたパンや果物を食べつくし、バスで室堂へと戻った。アルペンルートもスイスイ乗り継ぐことが出来て、扇沢からタクシーで最後の晩を過ごす葛温泉へと向かった。

立山

山行日 2004/07/29-31
場所 富山県
交通 立山黒部アルペンルート
公式サイト
温泉ページへ みくりが池温泉
葛温泉
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葛温泉 湯宿 かじか

泊まりたかった宿
 「湯宿かじか」は元「河鹿荘」である。昭和44年に集中豪雨で流失する前は、湯治客や裏銀座縦走の登山客に親しまれてきた葛温泉の湯元でもある。1996年に再建され、モダンだが和の味わいを生かしたこじんまりとした旅館に変わった。葛温泉には鹿島槍ヶ岳山行(→山行記録)のときに宿泊している。そのとき既に「湯宿かじか」の評判は知っていたが、スタンプをもらえる「仙人閣」に宿泊した。チェックイン可能時間前に着いてしまったため、食堂を探して歩くと「かじか」があった。ギャラリーがあるロビー、木のぬくもりを大切にした建物の構え、そして何よりもお蕎麦がたいへん美味しかった。そのときからこの宿に泊まってみたかった。

緑に癒される露天風呂
緑に癒される露天風呂
温泉について
 何回も通った浴室では殆ど一人だった。内湯は「ひたすら温泉に浸かる」ことを大切に考え、洗い場と浴槽が壁で仕切られている。他人が身体を洗う背中を見たりしなくてすむ。またドアを開けると先ず「かけ湯場」がある。コウヤマキをふんだんに使った浴室は雰囲気が最高。この宿の浴室は、私が今まで入った温泉でのベスト3に入る(写真撮影に失敗したのが残念)。そして露天風呂は自然林に囲まれた半露天風呂になっている。山並みなどの絶景はないが、森林浴と温泉浴を同時に楽しめ、とにかくリラックス効果抜群だ。夜間に入りに行くと、木立がライトアップされていた。明かりが届かない暗がりがちょっと怖かった。温泉そのものはもちろん源泉掛け流しであり、当たりが柔らかい単純泉は疲労回復に効果があった。

 「相部屋での山小屋3泊」で溜まった疲れをゆっくり癒すのに、この宿ほど最適な場所はなかった。部屋数がたった6室なので静かなことは言うまでもない。ひなびた山の宿らしさはなくとも、「観光地」「歓楽街」「団体さん」などのカケラもない。贅沢だが泊まって良かった。



 4日目 8月1日 晴れ 晴れ

 室堂→弥陀ヶ原→葛温泉と徐々に標高を下げ、徐々に暑さに慣らしたかに思えたが、下界の暑さは耐えがたかった。鹿島槍ヶ岳山行の最終日に木崎湖や「塩の道」一部を歩いたので、今回は全く予定無し。ともかく大町に出てザックを駅のコインロッカーに納めた。電車の時間まであまり余裕がないので、とりあえず山岳博物館に行くことに。しかし坂を登って行かなくてはならない。暑い!ペットボトルの飲料を持つべきだった。山岳博物館に入館すると喫茶コーナーがある(はずの)2階に直行した。ない!喫茶コーナーが消えていた。1階に移行していたのだ。展望室からの眺望は3年前は雨、今回も「楽しむ」というには程遠い。真夏では写真のような絶景は得られない。昼時で混雑する「こばやし」でお蕎麦を食べて、物産館「いーずら」でお土産を買う。いつものように特急あずさの席で眠りこけ、旅は終わった。