HOME > 山行一覧 > 「神の道」と室堂平(2010年8月6日)その4


8月7日 晴れのち曇り

 昨夜は少し雷が鳴り、雨になった。今朝は昨夜に携帯i-modeでチェックした天気予報より良い天気で、この日も奥大日岳と立山がよく見えた。7時に雷鳥沢ヒュッテをチェックアウトして出発したが、実は扇沢へ下る立山黒部アルペンルートには、午後に乗り込めば充分なのだった。とりあえず室堂バスターミナルへ向かった。地獄谷経由が近いのはわかっているけど、ミクリガ池へ登るあの長い階段を登るのは気が進まない……う〜ん。

地獄谷〜ミクリガ池の長い階段
地獄谷〜ミクリガ池の長い階段写真を拡大
 目の前の階段を見上げるとため息が出る。気合いを入れて登り出すが、4泊5日分の荷物が重くてすぐに足が止まってしまう。で、そんな人のためにこの階段の途中にはベンチもある(笑)

 息が上がり立ち止まり、また登る。立ち止まった時に振り返って見る大日連峰。あの奥大日岳の、汗をしたたらせて歩いた道も見える。


まだまだ先が…
まだまだ先が…写真を拡大
途中にベンチあり
途中にベンチあり写真を拡大
登りきったあ
ふぅ、登りきったぁ写真を拡大

 登頂することにはこだわらない、途中の山歩きが楽しければ良いという“お気楽登山”が私たちの登山スタイルだとはいえ、やはりてっぺんに立った山は達成感が伴うから、後日眺めたときの感慨は格別だ。雷鳥ヒュッテから地獄谷から、そしてこの階段を登っていく途中でも、何度も眺めてはしつこいくらいにカメラのシャッターを押していた。

室堂平からの大日連峰
室堂平からの大日連峰写真を拡大
 重いザックを室堂バスターミナルのコインロッカーに預け、とりあえず天狗平まで散策することにした。室堂ターミナルからミドリガ池へと向かう遊歩道のメインルートには大勢の観光客やハイカーが歩いているのに、天狗平への遊歩道に足を踏み入れる人はごく僅かだ。室堂平の中でも人工物がない草原の向こうに見える大日連峰。ここでもその姿を飽きずに眺めた。
《画像について》
青枠があるか説明にサブウィンドウを開きます付きの画像は、画像自体をクリックすると拡大表示し、拡大画像自体をクリックすると閉じます。



ウサギギク
ウサギギク写真を拡大
ミヤマアカバナ
ミヤマアカバナ写真を拡大
 足を踏み入れた遊歩道の左右には、思いもかけずたくさんの花が咲いていた。室堂平の他の場所や登山道とは植生も微妙に違うので、ここではこの2日間で見たのと違う花も見ることができた。

 いちばんうれしかったのは、白花のタテヤマリンドウに出会えたこと。これまでタテヤマリンドウでも薄いブルーの花はよく見ていたが、白や薄紫の花には今まで出会えなかった。ここには白花のタテヤマリンドウがたくさん咲いていて、その気品がある美しさに見惚れた。特に紫色の蕾の、なんと魅力的なことか!

タテヤマリンドウ

タテヤマリンドウ写真を拡大 タテヤマリンドウ写真を拡大 タテヤマリンドウ写真を拡大 タテヤマリンドウ写真を拡大


 地獄谷へ向かうコースとの分岐まで進んだが、ここから急な階段を下り、天狗平への遊歩道はその先は舗装路になる。咲いている花も少なそうだし天狗平へ行ってどうするという目的もないし、時間までこの辺りでのんびりとしていることにした。少し入っただけでターミナル周辺の人混みも無縁な、“静かな室堂平”をゆっくりと満喫した。

 縦走登山の醍醐味は捨てがたいが、年齢的にこれからは体力気力、判断力が落ちる一方なので、今回のような山小屋(あるいはテントサイト)をベース基地にしての日帰り登山というのも悪くないなと思った。




葛温泉 温宿 かじか

温宿かじかのエントランス
温宿かじかのエントランス
 前回の立山山行の仕上げに宿泊してすっかり気に入ってしまい、今回も旅の最後に宿泊して山歩きの疲れを癒すことにした。前回の宿泊では館内や浴室の写真撮影はあまりしなかったうえ、浴室・露天風呂の撮影は全て失敗していてサイトで紹介できなかった。そこで今度こそは写真撮影に力を注ごうと意気込んでいたのだが、宿にいる間何故だか撮影する気持ちが湧かない。ネットで紹介するだとかいうようなある意味下世話な気持ちが、きれいサッパリ消滅してしまったのだ。ただただこの宿の静けさ(客室はたった6室なので、お風呂や食堂、廊下など常に静かだ)と、温泉の気持ちよさ、とりわけ外湯(半露天風呂)でのヒーリングに浸っていたくなったのかもしれない。

 外湯(半露天風呂)の前に見えるのは普通の林(自然林で案外わりと手入れされているのでは、と思うが)であり、大展望だとか渓谷だとか豪快な滝が見えるとかの絶景でもない。2004年の宿泊時、初めてこの外湯に出たとき林の緑の美しさにハッと胸を突かれたのだが、知っていて泊る今回でさえ、初めて入る時に同じようにハッとしたのだ。夜間に入ったときに控えめなライトアップのため林の奥の暗闇が少し怖くなったのも同じ。あの外湯と周囲の自然林には、何か「精霊」のようなものが宿っているのではとさえ思う。外湯や露天風呂を林の中に配して「森林浴+温泉浴」を謳う温泉を他にも知っているが、温宿かじかのこの外湯ほど、癒されるお風呂は知らない。理由はわからないが、林の樹林の種類やお風呂との距離感、お風呂の規模などからくるものなのかも知れない。とにかくこの外湯の静謐と柔らかな湯に身を浸していると、心も体も鎮まっていくのを感じる。

参考→前回の「温宿かじか」のレポート

温宿かじか