田代山
山頂の高層湿原に花いっぱい
【余計な前書き】田代山は山歩きを始めて間もない頃の1993年の山岳グラビア誌で知った。その後も東武日光線・野岩線の駅のポスター・パンフレットを眺めては、いつか行きたいと思っていた。
そして当ホームページの開設間もない2001年1月、掲示板に「初めまして」の書き込みをしてくださったのが“ヤスさん”。その後メーリングリスト仲間にもなり、MLのOFF会で奥様のキョムさん共々キャンプや飲み会で交流。転勤のため田代山がある舘岩村にお住まいのヤス&キョムさんに再会がてら、田代山に行くことになり連絡すると、キョムさんも一緒に登ることになった。残念ながらヤスさんは当日に勤務があり、前夜に私たちの宿泊している湯ノ花温泉の宿(旅館末廣)まで来ていただいて再会を果たした。4人で夜の湯の街ならぬ湯の村をそぞろ歩き。晴れていれば星降るナイトハイクだったのだが。 “ヤス&キョム”さんのホームページ→アドベンチャー |
おすすめの適期
| 季節 |
1月-2月 |
3月-4月 |
5月-6月 |
7月-8月初旬 |
8月中旬-9月 |
10月-11月
中旬 |
11月下旬
-12月 |
| 適期 |
|
|
◎ |
◎ |
◎ |
◎10月初旬 |
|
| 備考 |
|
|
湿原の花々 |
花/ニッコウキスゲ |
高山植物
展望 |
草紅葉・展望 |
|
コースタイム 3時間25分
猿倉南登山口8:30出発〜(休憩)〜9:55小田代10:05〜10:35田代山湿原入口10:45〜田代山頂〜避難小屋11:10〜11:40(昼食)12:20〜12:55小田代13:05〜猿倉南登山口14:10到着 <自己タイム 3時間50分(お花観賞のんびり歩き)>
2002年6月16日 天候
曇り
下山までの時間の制約の中、田代山から先の帝釈山へのコースを少しでも歩きたくて宿の朝食時間を早くしていただいた。キョムさんに7時30分に車できてもらう。猿倉登山口までは湯ノ花温泉から先は未舗装の林道で、すっかり田舎道の運転に慣れたキョムさんの安全運転で30〜40分で登山口に到着。花の山頂湿原を目当てに登山者も多いようで、2箇所の駐車場にも8割程度の駐車率だった。
 不法投棄? |
登山口に冷蔵庫が放置してあった。誰がこんな所に不法投棄したのぉ!「死体が入っているかもしれない…」とキョムさんに冗談を言い、少し怖がらせてしまう。
この冷蔵庫の中身は下山後に知ることになる。
橋を渡って登山道に入るとラショウモンカズラ、ゴゼンタチバナ、ツバメオモト、マイヅルソウなどが咲いていた。1週間前の9日、田代山の山開きに仕事で登るヤスさんと一緒に既に登っているキョムさんが、まるで専従ガイドさんのようにいろいろ説明してくれる。なかでも葉の裏に小さな花をぶら下げている不思議な花タケシマランは、キョムさんに教えてもらわなければ、全く知らずに通り過ぎていた。
 マイヅルソウ |
|

タケシマラン(撮影場所:尾瀬)
撮影&提供:ヤスさん |
前夜に激しい雨が降り、道はぬかるみ滑りやすかった。尾根上に出ても天気予報が当たらず曇った空で、付近の尾根しか展望が得られなかった。履きおろして2度目の靴のため、靴擦れになりだした。 急登では後ろを歩くグループの口の悪いオジサンに「押し上げてあげようかぁ」と言われる始末。ヤスさんのコーチで鍛えられているキョムさんは、さすがにラクラクと登っていく。木道に出てヤレヤレ。
小田代手前にはシャクナゲが咲き、湿原にはイワカガミ、タテヤマリンドウ、チングルマ、モウセンゴケ、白いふわふわ綿帽子のワタスゲ群落も美しく思わず声をあげた。特に小さなピンクのベル型の花をつけたヒメシャクナゲが一面に見事な群生!進行方向の田代山の山肌には残雪も少し残り、この時期ならではの眺めだった。
 ムラサキヤシオツツジ |
 小田代分岐 |
木道に腰をおろして休憩中のグループの隣で靴擦れの手当てをした。木道脇に休憩専用の場所が設置されていないので、休憩が終わったグループが立ち上がると慌てて片足で立ち「ハイ、ちょっと待ってくださぁい」(笑)
再び急な登山道を登った後、広大な田代山湿原の一角に飛び出した。晴れていれば会津駒ヶ岳、燧ヶ岳、日光連山などが展望できるそうだが、ガスは濃くなるばかりだった。1週間前に展望を見たキョムさんが、私たちを気の毒がってくれるが、お花がいっぱいの湿原の光景に大満足だった。
チングルマは丁度見頃の咲き具合で、シベの黄色で群生がクリーム色に見えるほど。今はまだ赤ちゃんのような蕾をつけはじめたばかりのニッコウキスゲ、そしてキンコウカも7月になれば咲くことだろう。
木道を歩いた先の湿原最上部にはミズバショウも咲いていたが、ちょっと育ちすぎ。そして樹林に入った場所に田代山避難小屋があった。弘法大師のお堂を兼ねているため中に仏像が祭られ、床にビニールゴザが敷かれている。昼食中の人で満杯だった。この避難小屋に泊まれば帝釈山との縦走と山頂湿原からの日の出が楽しめるが、暗闇での仏像が気になりそうだ(怖い?)。
帝釈山はここから往復3時間程度だ。帰りの電車の時間という制約があったのと、帝釈山付近は日蔭の岩場で今はまだ残雪もあるため断念。しかし田代山〜帝釈山のコース上の林床に、6月後半から7月にかけてオサバグサが咲く。オサバグサが咲いている辺りまで行くことにした。
オサバグサは一属一種の日本固有の花だそうである。今年は既にヤス&キョムさんが登った1週間前には咲き出していたそうだ。しかし避難小屋裏手を少し下りた辺りでもきれいな群生が広がっていた。「わぉ、スゴイ!」としばし撮影モード。シダ状の葉から延びた茎に、白い小さな花がたくさん下向きに咲いて慎ましやかな花だった。
靴擦れの痛みのため先まで進まず、湿原に戻りランチタイム。木道に座り足元の花々を踏まないように苦労した。小田代で再びじっくり花を愛でてから出発した猿倉登山口まで一気に下りた。登山口手前の橋の上から、例の冷蔵庫の上の扉、冷凍庫を開けている人を目撃。なにやら庫内の中に?
なぁんだ、登山届のノートが収まっていたのだった。キョムさんと二人で大笑い。冷蔵庫が登山届ポストというのも恐れ入るが、ノートは確かに絶対濡れないことだろう。
ツーショット3点
 |
左:田代山山頂にて管理人夫婦
中央:キョムさんと夫
右:キョムさんと管理人(私)inホワイトアウト(笑)
いつも「夫婦二人で山歩き」の私たちが、ネットで育んだ交流から初めて実現した「仲間と一緒に山歩き」は本当に楽しかった。また帰路の湯ノ花温泉近く、走行中の車の脇の草むらからワシ?が獲物のヘビ(大物)を咥えて飛び立ったので3人でびっくり。ご好意に甘え会津高原駅まで車で送っていただいた。お陰で予定していたより早い電車に間に合うことができた。発車間際の到着だったので、キョムさんにお礼もソコソコでお別れしたが、発車した電車の窓から駅の駐車場を見下ろすとキョムさんが手を振っていた。電車の発車まで待って下さっていたのだ。私たちも駐車場のキョムさんが見えなくなるまで、感謝の気持ちを込めて手を振り続けた。