8月19日(月) 天候
雨 午後/山麓は曇り
コースタイム 約2時間50分
温泉小屋7:30出発--段吉新道(休憩)--三条の滝分岐8:45(休憩2回)--
渋沢分岐10:05--横田代10:50--11:00上田代11:05--尾瀬御池11:40到着
< 自己タイム 3時間40分>
雨は夜通し降ったり止んだりしていたようだ。明け方に屋根をたたく強い雨音で目が覚めた。これじゃおとなしく真直ぐ御池に出るしかないだろう。部屋からレインスーツを着込み完全防備の態勢で外に出ると、雨が止んでいた。しかし台風は自転車並みの速度でウロウロしているので、再び降り出すのは間違いない。
玄関前で同宿だったファミリーが出発の準備をしていた。8歳、5歳、2歳位の三兄弟は小屋でも元気だった。末っ子が雨具を着るのを嫌がって逃げ回り、お母さんはもうお手上げ状態だ。ズボンもろともトレーニングパンツを下げてかわいいお尻を掻きはじめた。お父さんが叱る「コラッ、お尻を出すな〜」。思わず苦笑してしまった。
 段吉新道 |
段吉新道は殆ど平坦で軽いアップダウンが続く木道という記憶に反して、急な箇所も出没して「あれれ?」(
1996年10月山行記録)。雨は降ってこない。蒸し暑さに閉口してレインウェアの上着を脱ぐことにした。後から出発した三人兄弟ファミリーが追いついてきて、大きなザックのお父さんから「暑いですねー」と挨拶された。チビちゃんまでしっかり歩いていて感心。信じられないことに、その後このファミリーに追いつけなかった(^^; また雨が降り出して、脱いだ上着を再び着たりとモタモタしたこともあるにしても、あの家族は早かった。
小雨なら役立つので持って来た傘だが、濡れた木道が滑るのに気をとられるため使う気になれない。蒸し暑さの苦行に耐えて歩いていると、後ろから長身の男性がレインウェアのパンツだけで傘をさし、涼しい顔でまるで街を歩くがごとき歩幅で抜いていった。余裕たっぷりの歩き方に敬服。例によって尾瀬ではよく見かける軽装のハイカーにも何組かすれ違った。ジーンズにお揃いの綿のトレーナーの服装、スニーカーで傘を差して登ってきたカップルの小さなリュックには着替えが入っていそうにない。濡れねずみになったらどうするのだろうと余計な心配をしてしまう。
 裏燧橋 |
そのうち雨は本降りとなった。三条の滝はパスすることにした。尾瀬を歩くのは4回目なのに、まだ三条の滝に行っていない。どうも三条の滝とはご縁が薄いようだ。涸れた渋沢に以前にはなかった立派な橋が架けられていた。裏燧林道も以前ブナの黄葉に感激しながらルンルン気分で歩いた道、それが今日は御池に着くのはまだかまだかと、そればかり思って歩いている。
ようやく樹林帯を抜けて目の前に湿原が広がった。横田代を過ぎると、見事な傾斜湿原である上田代(うわたしろ)だ。ここからは平ヶ岳を眺望するのだが、もちろんガスの中。しかしたとえ雨でも気持ちが良い場所なのでベンチで休憩した。あとはもう残りいくつかの湿原を縫うように木道を行けば御池に到着するはずである。
 上田代 |
→秋の紅葉シーズンは→ |
 草紅葉の上田代 |
12時10分発のバスに乗り込む前に雨具を脱いだりしたいので足早になった。駐車場を抜けて御池休憩所で身支度をしている間にバスが到着した。

→尾瀬檜枝岐温泉観光協会(福島県檜枝岐村役場公式サイト)
→公衆浴場「燧の湯」〜尾瀬檜枝岐温泉観光協会(福島県檜枝岐村役場公式サイト)
 日帰り湯 燧の湯1号館 |
バスの発車までに汗で濡れたシャツを着替える間がなかったので、冷えて寒かった。第一このまま桧枝岐温泉の宿(中日ヌキの連泊で予約)に戻っても、チェックインの時間には早すぎる。思案の末、公共の日帰り温泉「燧の湯」に行くことにした。ゆっくり入浴休憩後、お蕎麦屋さんで旅館以外の蕎麦を味わったり(遅めの昼食)、桧枝岐歌舞伎の舞台を見学しながら一停留所歩けばちょうどいい時間になりそうだという目算。
燧の湯2号館はお休みで坂の上の燧の湯1号館に行く。ヒノキか何かわからないが、木の香りもかぐわしい感じの新しい建物だ。入浴料500円で時間制限なし、食べ物の持込可。玄関でお会いした登山スタイルの男性が話しかけてくる。参加した登山ツアーは日帰りで会津駒ケ岳に登っているのだが、彼は悪天候と自分の体調を考えて一人で残ったのだそうだ。明日は日光男体山の予定だそうだ。そんな人でも燧の湯では一日中時間潰しも許される。ただし休憩室(というよりロビーだが)は板張りで椅子は少ない。お風呂は循環。桧枝岐温泉の泉質の良さが消えてしまっていて残念だが、宿泊している旅館には露天風呂がないため、ここでの河原を見下ろす露天風呂を堪能した。湯上りは休憩室のガラス戸の外のベンチで涼んだ。スノコのようなテラスの下からは、河原の涼しい風が吹き上げて、とても気持ちが良かった。改築間もないのか、洗面所もきれい。(ボディーシャンプー有・シャンプー無)
●檜枝岐歌舞伎
江戸中期より二百年以上にわたり引き継がれる農民芸能。国の重要有形民芸文化財。年2回の例祭のうちの1回は8月18日で、滞在中上演があったのだが尾瀬に宿泊していたので見る機会を逸した。
 歌舞伎が奉納される神社 |
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 歌舞伎舞台 |
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「檜枝岐の舞台」解説案内板
(画像をクリックすると読めます) |
●橋場のばんば・・・愛嬌がある顔のお婆さんの姿をした水神様の石仏。子供たちを水難から守ってくれる。また縁結びと縁切りの神様で、良縁を切りたくない人は錆びたハサミを、悪縁を切りたい人は良く切れるハサミを供えて祈るそうだ。頭にお椀をかぶせて祈ると、どんな願いでもきいてくれるとも。
●六地蔵・・・檜枝岐は山間の寒冷地のため、凶作による飢饉では「間引き」される赤ん坊もあった。その子の霊を慰めるために1792年に建てられたという。

橋場のばんば |
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「橋場のばんば」解説案内板
(画像をクリックすると読めます) |
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 六地蔵 |
お蕎麦屋さんはたくさんあるが、ガイドブックに掲載されている老舗ではなくとも、充分美味しかった。名物の「裁ちソバ」と1皿の「はっとう」を注文。有名な重要伝統芸能「檜枝岐歌舞伎」の舞台や「橋場のばんば」がある神社を見学し終えると、泊まっているかぎや旅館の斜め前だ。3時前なので早すぎるが、連泊ということで早めに部屋に入れてくださった。
 会津駒ケ岳登山口 |
まだお客が誰もいないお風呂を私が堪能している間、夫は再び散歩に行っていた。次回の機会に備えて会津駒ケ岳登山口まで行ったのだという。夫は会津駒に最後まで未練が残っていたようだ。
 かぎや旅館 |
木造2階建ての純和風旅館。浴室は総檜造りで、肌に心地よいアルカリ単純泉がなみなみと溢れている。ピカピカの廊下を歩くとギシギシ鳴るのがかえってうれしい感じ。部屋にトイレ洗面所がないが、トイレは近代的に改築されていていつも清潔。アルバイトの若い人たちの一生懸命な働きぶりも良い印象に一役買った。特筆すべきはお料理の美味しさ。特産の蕎麦を使った伝統料理の数々・・裁ち蕎麦(つなぎを使わないそば粉100%のお蕎麦)、蕎麦田楽、はっとう(あっさりと甘い蕎麦の餅のエゴマ和え)などなどすべて美味。そして手作り豆腐が絶品!
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檜枝岐温泉 かぎや旅館ホームページ →
地図
8月20日(火) 天候晴れ時々曇り
帰京の朝、台風が過ぎ去った空は澄み渡り、強い風が山から雲を押し流している。そして道端のコスモスやソバ畑の白いソバの花を揺らしている。赤とんぼが群れ飛んで、バスを待つ間にも肩や頭にとまった。日陰では寒いくらいの涼しさに、空気が夏から秋へと入れ替わったのを感じた。会津に秋が訪れた日、名残を惜しみつつバスの乗客となった。