帯那山
--- 南アルプスの大展望 ---
【余計な前書き】 お正月気分で歩く今年の新春山行は、かねがね候補に挙がる甲府近郊の低山、興因寺山〜淡雪山のコースにした。登山口には静かでくつろげそうな温泉宿があり、年末からの疲れを癒すのにぴったりである。地図を眺めていると、山頂付近のアヤメの群生地で有名な帯那山からその温泉古湯坊へのコースがあることに気づいた。アヤメ開花の頃には家族連れなどで賑わうらしいが、山頂下まで延びている林道で往復登山ができるため、登山の対象としてはあまり考えられていない程の"お気軽"山である。ガイドブックにも「登山道は草が伸び放題」とある。興因寺山〜淡雪山のコースも道標が少なく、低山ながら、いや低山だからこそ迷いやすいコースだということである。事前にインターネット検索で詳しく書かれた山行記録を探し出し、印刷して持っていくことにした。
JR新宿駅の中央線ホームはしばらく前から工事中で、地下に下り連絡通路に出たりの迂回を強いられる。発車ホームを確かめず「特急あずさ」のいつもの番線に上ったら、乗るべきあずさは別のホームだった。発車時間が迫っていて、駅構内を駆けずり回ってしまった。とんだウォーミングアップ(^^; |
1日目 1月4日 晴れ |
コースタイム 標準タイム 約3時間50分
登山口--1時間10分--帯那山--15分--奥帯那山--15分--帯那山--45分--分岐(石仏二体)--1時間15分--馬込--40分--積翠寺温泉古湯坊
 登山口 |
〔9:30〕登山口:中央線山梨市駅前のタクシー乗り場には20台以上の車が客待ちで駐車していた。運転手さんの話ではこの冬は6回程の降雪があったが、年末年始の暖かさのため全く積もっていないとのこと。登山口の入口は車のわだちが残るコンクリート簡易舗装で、道の先から豊富な湧き水が流れてきていて、一部凍っていた。左手に沢を見ながら緩やかな登りが続いた。元日からずっと暖かい日和だったが、今日も風もなく冬の山とは思えない暖かさだ。幅広い道もだんだん登山道らしくなり、多少きつい登りもあって暑くなってきた。10分休憩。登山道は水ヶ森林道と交差。冬季は通行止めのようだが、道路の凍結がないためか車が1台駐車中だった。
 山頂直下 |
〔10:50〕しばらく行くと牧場進入路にぶつかった。コンクリート舗装の坂で尾根に上がると、背後に富士山が見え、左手に南アルプスの展望が広がっていた。特徴のある甲斐駒、真っ白な北岳…絶景である。
 帯那山(白い建物が休憩舎) |
〔11:00〜12:00〕
帯那山山頂:牧場進入路との出合からわずか10分で帯那山山頂に到着。つまりマイカーなら「往復20分」で登山出来てしまうのである(笑) 広々としたカヤトの山頂には山桜が植えられて、お花見にうってつけ。トイレもある休憩舎とあずまやがある。展望が開けていると思い込み、尾根に上がったときに見えた富士山や南アルプスの写真を撮影しなかった。ところがなんと斜面のカラマツが邪魔していて見えない。休憩舎の建物に家庭用のアルミの梯子が立てかけてあり、屋根上に上がれるようになっていた。上がってみたが木々に隠れてやはり見えなかった。休憩舎の中は荒れた感じなので、あずまやで昼食。
後からやってきたハイカーは3組。皆、山頂から南アルプスが見えないのでがっかりしていた。「この近辺で眺めが良い山を知りませんか?」と聞かれ、返答に窮する。興因寺山〜淡雪山を思い浮かべるが、今から向かうには遅すぎるので勧められなかった。ところが質問したご本人が淡雪山を持ち出して、今から行ってみると言う。エッとびっくりしたが、マイカーで登山口に向かうのだそうだ。マイカーを持たない私には思い浮かばなかった(^^;
 奥帯那山にある三角点 |
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奥帯那山山頂 |
〔10:00〜10:10〕
奥帯那山: 食事を終えて三角点がある奥帯那山を往復してくることにした。北へ延びる登山道はほとんど平坦だが、先ほどまでよりグンと登山道らしくて気持ちよく歩ける。15分で朽ちた山頂標識がある奥帯那山。カラマツ林を透かして南アルプスの展望が望めた。
 牧場進入路に下りてコースの確認 |
〔12:35〕
下山開始:再び山頂広場に戻り古湯坊温泉へと下山開始。実はここからがちょっと不安なのだった。山頂直下から手軽な往復登山が一般的なので、登山道の荒廃も考えられるからである。ネットでヒットした数少ない山行記録の中には、道に迷ってサバイバル体験などどいうレポートもあった。しかし登山地図エアリアマップ2001年度版のガイドブックにはこのコースの詳細な記述がある。説明通りに南の斜面に張ってある誘導ロープの間を下ると、牧場進入路の林道に下りた。地図でコースを確認して右へと下りる。
〔12:40〜12:55〕すぐにゲートがあり、抜けると左手に大展望が開けていた。山頂で展望が見えなかったもどかしさも解消。ただし午後になって霞んでしまい、肉眼で見えたほどには写真に写らなかった。ショートカットする登山道はないので素直に林道を下っていく。今度は右前方に八ヶ岳が姿を見せた。左側は相変わらず甲府盆地と南アルプスの絶景。見下ろす甲府盆地の手前の低山は、緑の常緑樹の山肌に白い花崗岩がちらちら見える。淡雪山もあの辺りだろうか…。花崗岩で出来た低山が多いようだ。
 甲府盆地の向こうにそびえる南アルプス |
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八ヶ岳も見えた |

積翠寺温泉古湯坊への最初の標識 |
行く手に無線中継所が建つピークが見えると、林道が二分していて左の道に進む。壊れて落ちた標識があった。少し先の右手に積翠寺ハイキングコース入口を示す道標があった。例のサバイバル体験のレポートを読むと、まさにここでハイキングコース入口が見つからず、無線中継所の上まで行って迷ったらしい。確かに道は少々荒れている感じ。しかし木の枝にも道標があり、これだけハッキリしていれば見過ごすことはない。1999年の秋に歩いているので、その後に道標が設置されたのかも知れない。

少し荒れた感じの
積翠寺ハイキングコース入口 |
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積翠寺ハイキングコース入口道標2 |
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積翠寺ハイキングコース入口道標3 |
 分岐の道標 |
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 石仏 |
〔13:15〕
石仏がある分岐:10分ほど下りて行くと石仏がある分岐で、ここにも道標。左のコースをどんどん下ると祠がありまた車道に下りた。水ヶ森林道と帯那山林道の交差地点。つい今しがたその場所にいた帯那山山頂部が良く見える。
 馬込への道標 |
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 落ち葉のラッセル |
〔14:35〕車が全く通らない車道を歩き、コンクリート舗装の細い坂の入口に再び道標を発見。なんだか至れり尽くせりの道案内で拍子抜けだった。再び登山道になり、暖かな日差しが降り注ぐ中を緩やかに下った。落ち葉が厚く積もり、気持ちが良い斜面の道だった。眼下に建物が見えてきた。
〔15:25〕古湯坊到着:宿の玄関の大きな門松に迎えられて到着。

積翠寺温泉 古湯坊

武田信玄の隠し湯のひとつと伝えられ、800年近い歴史を誇る温泉。積翠寺温泉にはもう少し下った要害(ようがい)山の麓にに要害温泉があり新湯と呼ばれるのに対して、古湯坊は古湯と呼ばれる。甲府盆地を見下ろすロケーションなので大浴場から(左の写真手前の建物2階部分)の展望が良い。山の間からの甲府市内の夜景がきれい。
大浴場の上のテラスから夜景の写真を撮影をしたのだが、上手く撮れず残念。浴衣掛けで寒いので粘れず諦めた。部屋はベッドルーム付きの和洋室で、和室には掘り炬燵、広さも充分。料金設定(平日料金で)の割にはお得感あり。夕食は会席膳コースで、出来立てが一品ずつ運ばれてくる。食事処が我が家ともう一家族だけで閑散としていたが、ツアーの団体が宴会場での宴席だったようだ。お風呂も館内もひと気が少なく静かだったので、朝食の時まで団体が泊まっているとは知らなかった。少し色味がある温泉(緑礬泉)は肌に優しい感じ。建物の裏手にある露天風呂もきれいで気持ちが良かった。
→積翠寺温泉 古湯坊ホームページ