標準コースタイム 約3時間
沢入登山口--60分--入笠湿原--30分--御所平峠--20分--入笠山--20分--御所平峠--30分--入笠湿原--20分--富士見パノラマリゾート山頂駅

入笠山山頂 |
〔12:20〜13:40〕
入笠山頂:保育園児に励まされ、山頂からの展望の期待も高まりつつ、山頂直下の急登を頑張って山頂へ。
うわー、すごい展望だぁ!
足が遅くてお昼を回ってしまったのだが、空はまだ澄んだ青空だった。心持ちモヤってきてはいるが、360度ぐるりとほとんどの山並みが見えていた。空腹も忘れてしばらく展望を楽しんだ。
入笠山頂からの展望
まず富士山が真っ先に目に飛び込んだ。富士山と姿の良い甲斐駒ヶ岳の間には鳳凰山。南アルプスは少し雲が邪魔をして見えにくいが、中央アルプスの山並みは青空に映えて横たわっていた。目を転じていくと御嶽山。
そして北アルプスの山々の連なりが、遠いけれども鮮明に見えた。乗鞍岳から穂高連峰、そして槍ヶ岳の穂先がはっきりとわかる。鹿島槍ヶ岳、劔岳、白馬三山も同定できた。
諏訪湖の湖面は空の碧を映して青い。そして登って来た方向を振り返れば、圧巻の八ヶ岳連峰。麓からスッキリ立ち上がり、まさに雄大。
夢中になって眺めていたら、すっかり身体が冷え込んでいることに気がついた。天気予報ではこの日、諏訪地方の明け方の気温は7度とのこと。標高2000m近い山頂ともなると、気温がいちばん上がるこの時間でも結構寒かった。しっかりパーカーを着てからランチタイム。

マツムシソウ |
中高年グループ、子供連れに愛犬連れ、山系雑誌のグラビアから抜け出てきたような「山ガール」やら…。お昼時の山頂は大賑わいだったが、山頂が広いので混み合った感じにならないのが良い。昼食を終えた後も展望を眺めて飽くことはなかったが、ゴンドラ利用者用の無料送迎バスに乗りたいので下山することにした。
予定通り同じルートで下る。山頂からの下り口にマツムシソウが咲き残っていた。根子岳に行かずじまいになり、今年はマツムシソウに会えないと思っていただけにうれしかった。
 山彦荘前から見下ろした入笠湿原 |
〔14:05〕
御所平峠:山頂滞在時間を予定より超過したが、バスの発車時間は15時なのでまず間に合うだろう。
〔14:25〜〕入笠湿原:山頂から何回も鹿避けネットのゲートを入ったり出たりしながら下山してきて、再び鉄製の引き戸をガラガラ開けて入笠湿原に入った。電波塔が建つ辺りがゴンドラの駅だろう。

エゾリンドウ |

エゾリンドウが花盛り |
湿原の木道を行くと湿原は一面エゾリンドウの花盛りだった。よく見るとウメバチソウも咲き残っていた。でも花にカメラに向けて撮影している時間はなさそう…。少し不安になってきた。
心配が的中。湿原を出てからゴンドラ駅までの道程が結構ある。まさかと思ったが湿原からは登ることになるのだった(笑)。実は1996年の山行での記憶や記録は、下山に関しては新しい靴での靴擦れが痛かったことだけで、まったく役に立たない(笑)。間に合わせようとスピードを上げたが、息が切れて続かない。やっとゴンドラ駅の建物に到着したのに、乗り場は更に先らしい。ゴンドラの所要時間10分弱を考えると、送迎バス間に合うか間に合わないかの瀬戸際だ。ゴンドラ乗り場に走り込み、自動販売機で乗車券を買い、乗車したのは48分。バス発車の12分前だった。
ゴンドラなので待ち時間なしで乗車でき助かったが、喉を潤してストックをしまってと忙しく、展望を楽しむどころではない(笑)。乗車するときに従業員さんからおしぼりのサービスがあり、そんな状態なので有難かった。腕時計の長針がまだ真上の位置を指していないのを確認し、山麓駅舎に降りてダッシュで出口へ。あれ?
…そこに送迎バスは停まっていなかった。どうやらここは出口ではないようだ。出口はまだ先なの?え〜っ!もちろん無料送迎バスに間に合わないのならタクシーを呼べば済む話だが、間に合わせようと躍起となった以上間に合いたい。富士見パノラマリゾート山麓駅の施設のなかを必死に走った。なんで出口までこんなに遠いのだ!
本当の出口を抜けると広い広場。そこに送迎バスは駐車していたものの、ドライバーも乗客もいなかった。時計は15時5分。5分の遅刻で乗り損なった。あー、疲れたっ!
富士見パノラマリゾートにタクシーを呼び、富士見駅まで行ってもらった。入笠山の下山後の温泉としては、ガイドブックにも紹介されている「ゆーとろん水神の湯」という日帰り入浴施設がある。夫が毎夏マナスル山荘に来ていた頃には何度か利用し、なかなか良い温泉だとのこと。今回は間際の夫の「鶴の一声」で上諏訪温泉に宿泊することになってしまったので、駅へ直行する無料送迎バスを利用したかった。それでも富士見パノラマリゾートから富士見駅へは案外近く、タクシー料金は1500円程度だった(ガイドブックによれば徒歩なら45分)。
各駅止まりの電車で上諏訪駅へ。この駅の名物であるホームにある露天風呂が足湯に生まれ変わって(2001年に改装)久しいが、まだ一度も“入浴”したことがない。ただし夫は足湯に変わる前の露天風呂(実際は半浴室)の頃に入浴体験をしている。ああ、そういえばそれは、私たちが夫婦で
山歩きを始めるきっかけのひとつとなった、木曽駒ヶ岳千畳敷での紅葉見物の帰りのことだった。

上諏訪温泉 油屋旅館
上諏訪温泉に泊まるなら、やはり窓から諏訪湖を一望できる部屋が良い。上諏訪には過去二度宿泊したことがあるが、前回泊まった旅館が眺めが良かったので、今回も利用することにした。諏訪湖に面した新館上階の部屋は湖側の壁全体がガラス張りになっていて、眺望は申し分ない。前回は8月に霧ヶ峰を訪れた帰りなので、諏訪湖の花火を部屋と最上階の露天風呂で堪能することができた。10年以上経って再訪してみると、建物や客室内装が古びてきてはいたが、レイクビューの部屋の開放感はやはり素晴らしかった。
最上階の露天風呂からの眺めだが、お風呂に浸かってしまうと諏訪湖も「目隠し」に隠れてしまうので何とも言えない。花火の打ち上げがある夏季なら大満足できる露天風呂になる。露天風呂が人気なので、1階にある大浴場(内湯)はいつ行っても一人占め状態だった。大浴場といっても旅館の規模の割りにはそれほど広くないし、造りも味気ない。ところが温泉に身を沈めてみると、温泉の質が思っていた以上に良いのに気がついた。弱アルカリ性単純温泉ということだが、ぬめり感がけっこう強くていわゆる「ぬるすべの湯」。更に内湯は自家源泉を流しっぱなしにして浴槽から溢れさせる、完璧な「源泉掛け流し」である。露天風呂は循環濾過・塩素投入なので、内湯に入りに行くことが多くなった。
→油屋旅館
上諏訪温泉といえば「片倉館」が有名である。上諏訪を初めて訪れた時に、片倉館の千人風呂に浸かってきていた。しかし思い出は消えつつある。そしてその旅以降、旅は「山歩きと温泉」に変節してしまい、観光を端折ることも多い。また今度上諏訪を再訪する機会があれば、あのときのように遊覧船に乗ったり、味噌工場を見学してお土産にお味噌を買ったり、片倉館の千人風呂に驚いたりしてみるのも良いな…と思う。