御岳山(奥の院〜鍋割山)
--- カタクリとイワウチワを求めて ---
オススメの適期
| 季節 |
1月-2月 |
3月-4月 |
5月-6月 |
7月-8月初旬 |
8月中旬-9月 |
10月-11月
中旬 |
11月下旬
-12月 |
| 適期 |
◎ |
◎ |
◎ |
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◎ |
◎ |
| 備考 |
展望 |
花・新緑 |
新緑 |
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紅葉・展望 |
展望 |
標準コースタイム 3時間20分
ケーブル御岳山駅10:40出発〜ビジターセンター10:40〜10:50御岳山11:20〜長尾平分岐11:30〜12:30奥の院(昼食)13:00〜鍋割山13:20〜14:00芥場(アクバ)峠14:10〜15:00長尾平分岐15:10〜御岳山駅15:40到着(自己タイム
3時間50分)
2003年4月18日 天候
晴(今年初の夏日)
| 【余計な前書き】 春の山野草の花の見頃は短い。春を通り越して初夏の陽気が続いていて、見頃を逃してしまうのではと気もそぞろなのだが、日曜日の天気予報は「雨」だった。お花見たさに、今までなかなか踏み切れなかった「ひとりで山歩き」にチャレンジすることにした。出勤する夫を送り出してからバタバタ身支度。夫は私が本当に出かけるのかどうか半信半疑のようだった。自分自身さえ、もし電車に間に合いそうになかったら中止だと思いながら支度をしている。結局朝食の後片付けもそこそこにして、さぁソロデビューだと張り切って家を出た。 |
奥多摩に向かう電車の窓から、春色の山を眺めて楽しむ。山桜の薄いピンクと微妙な濃淡の萌黄色とのパッチワーク。優しい色合いにうっとりしてしまう。だが車内は平日なのにやたら賑やかだ。小学生の遠足。おまけに一緒に御嶽駅で下車だなんて。彼らは別仕立てのバスでホッとしたが、年配ハイカーグループも子供たちと負けず劣らず賑やかである。平日、しかも登山には少し遅めのバスなのに、リタイア後の悠々自適・晴耕雨読男女ハイカーグループで満員に近く、車内の平均年齢は65歳といったところ。

ケーブル滝本駅の切符売り場には、「ただ今カタクリの自生地が満開。ケーブル→リフト、下車徒歩2分」の大きな看板があった。楽チンなほうに少し心が傾きかけた。ケーブルカー線路脇のミツバツツジが満開で、目を楽しませてくれる。窓から下の登山道を見ると、小学生たちが歩いて登っていた。エライ。ところが御岳山駅に着くと、なんと小学生の先発隊?と一緒になってしまった。仕方なく賑やかな集団の後に付いて登りだした。御岳山の上には宿坊を中心とした集落があり、集落の中の舗装されている坂道が結構きついのである。後のことを考えてゆっくり歩こう。
長尾平分岐へ向かう道は御嶽神社に登らずに巻くはずなので、日ノ出山への分岐を見送ってそのまま進むと、どうやら間違ったようだった。御岳山には、鳩ノ巣駅から大楢峠経由で登り滝本まで歩いて下山したり、日ノ出山に登るため何度も来ていたが、大岳山方面へ登るのは初めてである。
 御嶽神社山門の石段 |
ガイドブックには「御嶽神社の石段を登って」と記載されている。そこで御嶽神社への急坂をイヤイヤ登り、参道の先の石段を喘ぎ喘ぎ登る。本堂は工事中でブルーシートで囲われていて写真も撮れない。そして神社の脇にも登山道はない。再び石段を下りて参道のみやげ物店の方に尋ねると、やはり神社に登った上からとの事。ふぅ〜、この暑さの中また石段を登るのか…。なぁんだ、石段の途中にあった看板を見落としていたのだ。思わぬロスにもう登るのをやめようかという思いがよぎる。しかし行ける所まで行ってみようと思い直した。せっかく来たのだから…。
 長尾平分岐 |
その間に遠足の集団はロックガーデンに下りたようで、長尾平分岐で案内板を見ていると、下の峡谷からは賑やかな声が聞こえていた。行く手に見える奥の院(男具那ノ峰=おぐなのみね)の三角形のピークを目指して歩き出す。長尾平からは誰も居ない静かな一人歩きになった。

奥の院への登山道 |
天狗の腰掛杉というスギの巨木から尾根に取り付く。今までと違い本格的な登山道になった。スギの根がうるさく張り出していて歩きにくいし、急な段差もある。一人だとマイペースを守れてよいかと思っていたが、案外早くなってしまっていた。頭の片隅に、ペースが遅いのではないか、下山が暗くなったらどうしようという不安が常にあるからかもしれない。本来なら過去に歩いたコースを選択するのがベストだったかもしれない。
樹林帯の左手が開けていて、季節外れの暑さでも風が爽やかで心地よかった。
だんだん急になり下ばかりを見て登っていたとき、左手の崖側に一輪のカタクリが咲いているのが目に留まった。「あっ、カタクリ!」。カメラを向けて撮影後、斜面いっぱいのカタクリの群生に気がついた。斜面いっぱいのカタクリは思ったより見事な群落で、登って来た甲斐があったという満足感に浸りながら眺め、先を行けば足元にもカタクリの花。

鎖場 |
鎖場が現れた。一部狭まった箇所もあり冬なら怖いが、どうということはない。ところが通過後の先は急な露岩をよじ登るような箇所になっていて、少し緊張した。かなり心配性の夫がこのことを知っていたら、目を剥いて行くのを止められていただろうなと思い、自分でもソロデビューのコースにしては少しハードだったかなと苦笑いした。(半月後に同コースを登り、鎖場の先の岩場の直登は「近道」であり、正規ルートの巻き道があるのに気づきました)
 奥の院 |
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 奥の院から大岳山の展望 |
登りつめた頂にはひっそりと奥の宮が祭られ、木立の間から大岳山が見える。手ごろな岩に腰を掛けて昼食。昼食中、反対側から女性が登ってきて(前述の正規ルートで登ってきた)、挨拶を交わして大岳山方面に向かっていった。
鍋割山へは急な岩場を下りる。必要以上に慎重になってしまう。先ほど下りていった女性が下でこちらを見上げていた。私と同じく鍋割山まで行くとのこと。途中の満開のカタクリの花の話が弾んだ。私がイワウチワは咲いていないかなと言うと、足元を指し「咲いていますよ、ココに」という答え。見ると斜面の木の根元に淡いピンクの小さな花が一輪咲いていた。覗き込んでも余りよく見えないほどの小さな花。彼女は今度は斜面の遠くを指し、咲いている何株かを教えてくれたがう〜ん双眼鏡が欲しいくらいの遠さ。もうしばらくするとこの斜面いっぱいに咲くのだそうだが、殆どはまだ蕾もつけず葉も赤い若葉の状態だった。まだ見ぬ憧れの花イワウチワ、初対面ではその可愛らしい姿を心ゆくまで見せてはくれなかった。手前の花も足場が悪く、写真撮影は無理。あと1週間経てば、もっと咲くだろう。
その方はもう少し観察していたそうなので、お先に鍋割山へと向かった。鞍部のヤセ尾根を通過後両脇に笹が茂る道となり、再び緩やかに登っていく。今度は花を見逃さないようにと、右に左に目を配り、時には斜面を覗き込みながら歩いた。しかしイワウチワが咲きそうな露岩帯の斜面はあの場所だけのようだった。カタクリは相変わらず日当たりの良い場所にチラホラ咲いていた。登りきったピークには道標があり、明るいのどかな雰囲気である。ガイドブックに載っていた鍋割山頂の写真に似ている気がしたが、「鍋割山」の表記がないし奥の院からあっけなく着いてしまったので山頂とは思わず、写真も撮らずにあっさり下りてしまった。
下りて尾根道を進むうちさっきのピークが鍋割山の山頂ではという気がしてきた。写真を撮りにUターンしようかと迷っていると、先ほどの女性が追いついてきたので聞いてみた。やはり鍋割山だった。しかし戻るのをやめて彼女と一緒に歩くことにした。話していくうちに、その方は御岳ビジターセンターの職員さんと知る。身軽な服装に装備、時間をかけた植物の観察の仕方もそれで納得。シロヤシオの花芽を調べに歩いているとのことで、今年は花芽が少ないとガッカリしていらした。

カタクリ(クリックで群生の写真) |
芥場峠までの気持ちよい尾根道は、広葉樹林の斜面にたくさんのカタクリ、山側の足元にもカタクリとまるでカタクリロードだった。全て満開のジャストタイミング。ビジターセンターの方も「今日がベスト」と太鼓判の見頃だった。静かな山に小鳥たちのさえずりが響く。ビジターセンターの方が「あ、キビタキ」と呟き、指差した。姿を求め目を凝らしていると、黒に黄色い胸の小鳥が枝から枝に飛び移ったところを見ることができた。ビジターセンターの方との偶然の出会いから、野鳥にも目を向けることが出来て得した気分。カタクリについてのレクチャーを受けたり、おしゃべりをしたりも楽しく、倍の時間をかけてのんびりと歩いた。
 芥場峠 |
芥場峠で、高岩山のシロヤシオ調査に行くと言う彼女にお礼を言って別れ、長尾平に戻るコースに入る。山腹を巻く広い道で何の不安もない。やがて橋を渡り沢沿いに緩やかに下るようになると、幾種類ものスミレを初めとする野の花が咲き競い、ニリンソウが咲き乱れる斜面もあった。足を止めて、黄色の木の花がアブラチャンかダンコウバイかと飽かず眺めていたら、追い越していった男性から「もう少しですよ」と声がかかった。疲れているとでも思われたのだろうか。実のところは疲れているどころか、歩いていて楽しくて楽しくて仕方がなく、もっと歩きたいとさえ思っていたのだが。
咲いていた花(知ってるor気がついた種類だけ)/タチツボスミレ・ナガバノスミレサイシン・エイザンスミレ・ケマルバスミレ・キジムシロ・ミヤマキケマン・ニリンソウ・ネコノメソウ・ヤマエンゴサク

ナガバノスミレサイシン |
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 エイザンスミレ |
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 ミヤマキケマン |
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ニリンソウ |
見覚えのある天狗の腰掛杉に戻ると、さすがにホッとした。長尾平分岐にあるベンチで一休み。別のベンチではご夫婦や女性グループも座り、また大岳山からの下山らしき人も通過する中、一人で休んでいると何となく手持ち無沙汰である。それを察したのか人懐こい犬がやってきた。食べ物がないと知るととたんに愛嬌が無くなったが(笑)
日も傾き始めて、帰宅時間がそろそろ気になった。ケーブル駅へと急ぐ。振り返ると奥の院の三角形のピークが、もう逆光のシルエットになっていた。日帰りハイキングにしては大きな充足感に満たされて、ケーブルカーに乗り込んだ。