HOME > 山行一覧 > 鹿島槍ヶ岳(2001年7月31日〜8月4日)その1


鹿島槍ヶ岳

初心者でも安心コースで、北アルプス入門に最適

【余計な前書き】 北アルプス入門のコースと言われる乗鞍岳や蝶ヶ岳に加えて、鹿島槍ヶ岳への登山道のひとつ柏原新道は初心者にも登りやすいと聞いていた。昨年夏爺ヶ岳に登ったBUNさんからの情報も後押しになり、山中の山小屋2泊、入山前・下山後にも宿泊という、毎度のことながらの大名山行計画で登ることになった。思い起こせばかつて立山室堂にハイキングに行った折に、黒部ダムの大観峰の展望台から見た後立山連峰に感激してから7年を経ている。そして後立山連峰のなかでも鹿島槍ヶ岳は双耳峰がひときわ美しい。鹿島槍は一言で言うならばカッコイイ山なのである。 


 1日目 7月31日 晴れ 晴れ時々曇り 曇り

 新宿に出るための地下鉄の車内でのこと、隣りに座った中年のサラリーマンが突然「どちらの山にいらっしゃるんですか?」と話し掛けてきた。登山をなさるとのことでそのまま話が弾む。「種池から針ノ木岳のコースが人が少なく静かで良い」と勧められた。平日の通勤ラッシュを少し過ぎたばかりの時間に電車で見知らぬ方とおしゃべりするという不思議なひとときだった。

 信濃大町に午後1時頃到着。先ずは美味しい本場のお蕎麦を食べたいと思い、駅前商店街の老舗こばやしへ行く。お店の前に駐車している車のナンバーは横浜、名古屋など県外ばかりである。評判のお店ということなのだろう。本場の手打ち蕎麦に大満足してお店を出たら予定していた山岳博物館へ行く時間の余裕がなくなってしまった。博物館からの展望も望めそうにないし、空も今にも雨が落ちそうな雲行きなので、早めのバスで扇沢へ行くことにした。皮肉なことに扇沢までの道のりの途中、空は再び青空になった。

 扇沢でバスを降りるとさすがに風が爽やかで気持ちが良い。バス停から少し戻りアルペンホテル扇沢(注:現在は扇沢ロッジ)へ行く。平日のため宿泊客は少なく静かであった。大浴場は温泉ではないが、湧き水を利用しているためか柔らかい感触のお湯である。1泊2食8000円のところ朝食抜きで7500円、山小屋より安い宿泊費で済んだ。

扇沢ロッジのホームページ



 2日目 8月2日 晴れ 晴れ後 曇り 曇り 扇沢出合から冷池山荘


標準コースタイム 約6時間10分
アルペンホテル5:00出発〜登山口(扇沢出合)5:15〜(休憩)〜ケルン6:50〜(休憩3回)〜10:10種池山荘(昼食)10:55〜11:25爺ヶ岳中峰11:30〜(休憩)〜13:55冷乗越14:10〜冷池山荘14:25到着 <自己タイム7時間20分>


 アルペンホテルで朝食をお弁当にしてもらえなかった(夏期は食中毒の心配からサービス休止とか。昼食弁当のサービスは有)ので、持参したパンなどを部屋で食べて出発。橋を渡り扇沢出合に着くと数台の車が駐車しており、同年代のご夫婦が登山の支度中だった。ご挨拶して先に登りだすがすぐに追いつかれる。「初めてのテント装備が重い」とおっしゃる割には速い。別の同年代のご夫婦もやって来て彼らとは抜きつ抜かれつで冷池山荘まで行くことになる。

歩きやすい柏原新道

柏原新道登り始め
登り始め
柏原新道桟道
桟道
柏原新道石畳
石畳

 地形を上手く利用して歩きやすく造られていると定評の柏原新道は、本当に歩きやすくて感心した。ガイドなどでは登山口からケルンまでのモミジ坂は比較的急な登りとなっているが、大きな段差がないのでそれほど急登には感じなかった。えぐれかけた箇所も歩幅を考えた桟道に補修され、石組みの石畳の箇所も浮石も殆どなくガッシリと丁寧に造られている。

柏原新道からの展
柏原新道からの展望
 後から追いついた方があり、アルペンホテルで同宿だった年配のご夫婦だった。針ノ木岳に行くそうだ。眼下に見下ろすアルペンホテルの赤い屋根と扇沢のバスターミナルがずいぶん下になりケルンに着いた。この辺りからは左側に岩小屋沢岳などの稜線を望み、谷から涼しい風も渡り登るのも楽になった。遥か上の主稜線に乗っているはずの種池山荘は雲に隠されて見えない。足元にはゴゼンタチバナが咲く。

 雲間に見え隠れする種池山荘まで道は急になったり緩やかになったりしながら長い。遅くまで雪が残るという沢も登山道下1mに残雪が落ちていて、何の心配もなく渡れた。

鹿島槍ヶ岳
標高:2889m
爺ヶ岳 標高:2670m

山行日 2001/08/01-02
場所 北アルプス北部
交通 JR大糸線信濃大町駅
バスストップバス40分 扇沢下車
温泉ページへ 葛温泉
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《画像について》
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種池山荘


種池山荘が目前に
 青空に映えた種池山荘の赤い屋根が間近に見え急坂を登りだすと、またもやガスがお花畑を覆った。この広大なお花畑にはコバイケイソウが多いが、昨年が大当たり年だったためか今年は一株とて花をつけていない。しかし最盛期は過ぎていたようだったがクルマユリ、ハクサンフウロ、ウサギギクなどが咲いていた。
2000年夏のお花畑コバイケイソウ←2000年夏のコバイケイソウサブウィンドウを開きますBUNさん撮影)





雷鳥
 小屋のすぐ手前で足元から聞こえるピュルピュルーというような鳥の鳴き声に気づき足をとめると、脇から雷鳥の幼鳥がお出まし。続いて出てきた母鳥は、何の警戒心もなく私の足元20センチ程まで近づいてきてビックリした。
 種池山荘では昼食メニューにラーメンがあったので注文。魚肉ソーセージが乗っている山小屋ならではのラーメンだった。同じテーブルに付いた同年代ご夫婦とは、その後も前後して歩くことになりすっかり打ち解けることになった。


爺ヶ岳へ
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チングルマのお花畑
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チングルマ
チングルマサブウィンドウを開きます


種池山荘を振り返る
種池山荘を振り返るサブウィンドウを開きます
爺ヶ岳の巻き道
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 山荘を後にするとチングルマが咲き乱れる広大なお花畑の脇を抜け、いよいよ主稜線を歩く。しかし青空はどんどん雲に覆われ、見えるはずの鹿島槍も見えない。曇ったことで涼しいのは良いが、晴れていれば展望の稜線歩きなのに。

爺ヶ岳登頂
爺ヶ岳登頂
ハクサンシャクナゲ
ハクサンシャクナゲ
 3つのピークがある爺ヶ岳のうち南峰と北峰は巻き、本峰の中央峰だけに登る。ホワイトアウトだった。ハイマツとガラガラした岩屑の稜線にはチシマギキョウ、イワツメクサ、ミヤマダイコンソウが咲き、ハクサンシャクナゲも。コマクサの保護柵の中はなぜか一株のコマクサも見当たらず残念。

 ガスの中を爺ヶ岳の下を緩やかに下っていくと、再び樹林帯となり赤岩尾根との分岐がある冷乗越(つべたのっこし)に着く。鞍部を隔てた向こうに冷池山荘が見えるものの、登り返しがきつそうでガックリ。しばらく休んだ後、冷池山荘の赤い屋根を目指して鞍部へと下りた。目前の山荘には15分後に到着。


冷池山荘

 受付に「個室あります」の札があったので個室をとった(プラス5000円)。柏原新道を前後して登ったご夫婦(群馬からとのこと)は先に到着していて、3畳程の小さな個室にプラス2000円で入室。種池山荘から一緒のペースで歩いたご夫婦(大阪から)も個室。8畳くらいの部屋を夫婦二人きりで使うのはもったいないが、これで充分な睡眠が確保できる。

山荘前の展望台
山荘前の展望台
 やがてガスや雲がとれて、山荘前の小高い展望台から左手に鹿島槍が徐々に現れて感激。正面には遠く火打・妙高?が雲海の上に頭を出している。山荘の前のベンチに女性が横たわり友人に左足脛を保冷剤入りパックで冷やしてもらっていた。骨折だそうだ。聞くところによれば、山荘から近い幕営指定地の付近のなんでもない場所で転倒したらしい。夕方になって救護のヘリコプターが山荘前の展望台に砂塵を巻き上げて着陸し、怪我人を運んでいった。県警のヘリなら無料、民間のヘリになれば90万円とか(登山保険未加入なら)。

 夕食前は談話室でくつろぐ。窓からは爺が岳と稜線上の種池山荘が見える。夕陽が剣岳のシルエットを浮かび上がらせて沈んでいった。夕食のテーブルでは大阪からのご夫婦と話が弾んだ。

冷池山荘について 若い従業員がきびきびと働いていて気持ちが良い。雪渓がないので下の沢から引いている水は貴重。宿泊者は一人1リットルの飲み水配給券がもらえる。
冷池山荘のホームページ