HOME > 山行一覧 > 加入道山・大室山(2002年4月1日)


加入道山・大室山

--- 静かなブナ林の稜線歩き ---

【余計な前書き】 近県でありながら我が家から丹沢は遠い。特に東丹沢の山々は電車とバスでアプローチする我が家には不便で、登山コースも長めだから日帰りしにくい。かといって登山口付近には温泉宿がない。反対に西丹沢の場合は、東丹沢の人気コースと比較すればブナ林が踏み荒らされずに残っていて、かつ登山口にある温泉が大いに魅力である。ということで、まず思い切って不便この上ない山梨県側道志村へ入り、神奈川県丹沢の山々を歩くことにした。

3月31日 晴れ、夕方雷雨

 午後の電車で山梨の都留市に向かった。沿線のあちらこちらで満開の桜が美しかった。丹沢山塊と山梨の道志山塊に挟まれて細長い道志村は、バスの本数も少なく、今でも秘境の趣き漂う村落だった。桜もここではまだ2分咲き。夫が前夜に予定があり、早朝出発で道志山塊を歩けなかったのが残念。

道志温泉 日野出屋旅館

日野出屋旅館
日野出屋旅館
 泊まった旅館は山のガイドブック等にも紹介されている鉱泉宿、日野出屋旅館。ご主人が収集したアンティークの柱時計がたくさん掛かり、黒塗りの障子に家紋や墨文字の屋号などまるで旅籠の雰囲気。タイムスリップしたかのようで楽しい。お風呂はひとつだが河原に露天風呂があるらしい。宿泊客は私たちだけだった。山菜尽くしのお料理が美味しく、名物のシシ鍋は野菜たっぷり。囲炉裏で焼いたアユがふんわり焼けていて絶品だった。朝食時間を早め(6時か6時半)にしていただけるため、登山者には便利である。

参考サイト→富士五湖テレビ

おすすめの適期
季節 1月-2月 3月-4月 5月-6月 7月-8月初旬 8月中旬-9月 10月-11月
中旬
11月下旬
-12月
適期 ○4月後半
備考 山野草 新緑 紅葉・展望 展望

4月1日 晴れのち曇り



コースタイム 標準タイム 6時間
旅館7:40出発〜(?)〜登山道入り口8:10〜8:50あずまや9:05〜(休憩)〜白石峠11:00〜11:15加入道山(昼食)12:15〜破風口12:45〜13:45大室山13:50〜14:00分岐14:10〜15:30犬越路15:40〜(休憩)〜用木沢出合17:10〜(電話寄り道10分)〜西丹沢自然教室17:50到着 <自己タイム 7時間50分>


 宿の前の国道413号線と橋を渡り、道志の湯への案内に導かれて車道を行く。道志の湯バス停の側に公衆トイレがある。この先の分岐路にはちゃんと「←加入道山・白石峠」への道標があり、迷うことはない。

道志山塊と富士山
道志山塊と富士山
 登山道に入り緩やかに登っていくとまもなくあずまや。道志の山並みの上に富士山がほんの少しだけ頭を覗かせているのに気がついた。裾の泥汚れ防止のためにスパッツを着けて再び出発した。白石峠急登コースは既に荒れていて進めないようになっている。あずまやの左脇の急登を登りだすと、左足の靴とかかとが擦れ始めた。このままではマズイな…と思いつつもスパッツを着けてしまって面倒なので、しばらくそのままで登っていった。完全に靴擦れを起こして、やむなく手当てのために休憩をとった。



白石峠から加入道山へむかう尾根道
白石峠から加入道山へ向かう

ベンチのある箇所を通過。急登の連続である。2泊3日のザックの重さ+トホホな自分の体重を持ち上げるつらさが堪える。靴擦れも痛い。

 大理石採石場跡付近では、大理石とおぼしき小石が散らばる。斜面の登山道では崩壊した箇所があり、飛び越えなければならなかった。白石峠手前でようやくハイカー(カップル)にあった。神ノ川ヒュッテから来たとのこと。



加入道山山頂
加入道山山頂
 計画より1時間遅れたタイムで加入道山到着。山頂の幅広い尾根上にベンチがあり、尾根下に避難小屋がある。山頂からは木の間越に少しは展望があるはずだが、空は曇り始めていた。おまけに寒い。ランチをしながら、大室山には行かず白石峠から白石沢コースで下山すべきかどうか協議した。自らの無体力を省みず“なんとかなるじゃん”の私が「行きたい」と主張、慎重派の夫も明るいうちの18時まで下りれば良いと判断して出発した。

山頂をふたりじめを見る

加入道山 標高:1418m
大室山(大群山
標高:1588m

山行日 2002/04/01
場所 神奈川県丹沢
交通 登山口:富士急行線都留市バス45分和出村
温泉ページへ 道志温泉
中川温泉
温泉ページへ
MAP 場所:地図リンク



壊れた階段
壊れた階段
 始めのうちこそ広くて快適な尾根道だが、すぐにグングン下って痩せた尾根の鞍部が破風口である。土流失止めの丸太の階段での登降が多くなってきた。整備してもハイカーが多いため、手入れ追いつかぬほど登山道が荒れてしまうようだ。ハイカーが少ない道志から加入道山への登りの方が歩きやすかった。すっかりガスってしまい行く手の大室山も背後の加入道山も見えない。すれ違った単独行氏に訊ねると用木沢出合から登ったとのことなので、前週雨が多くて多少心配していた沢の水量のことを聞いたら全く問題がないとのこと。

早くもバイケイソウの芽
早くもバイケイソウの芽
ブナ林の中の木道を行く
ブナ林の中の木道を行く
 登り返すとブナのなかの気持ちが良い尾根道になり、登山道の周囲には今年は早くもバイケイソウがいたるところにニョキニョキと芽を出していた。林床の山野草も木々の芽吹きもまだなので、その緑がうれしかった。やがて木道が現れて、昨年登った檜洞丸を思い起こさせた。

大室山山頂
大室山山頂
 大室山山頂手前の犬越路との分岐にザックを置き、空身で山頂を往復した。新緑の頃には美しくブナ林が輝き、ゆっくりしたくなる所だろう。立ち枯れが多い丹沢のブナだが、加入道山から大室山の稜線のブナ林は、比較的自然のままに残っているという。展望には恵まれないが静かで好ましい山頂である。ガスのなかのブナ林も幻想的だった。

犬越路
犬越路
 分岐に戻っておやつを食べてから下山開始。丸太の階段や、土の流失止めに置かれた土嚢での階段状の道を下る。神ノ川・檜洞丸との分岐、犬越路には避難小屋があり、その前にアセビの木が1本、白い花が鈴なりに満開だった。本来なら富士山を含め好展望なのに、ガスが晴れず残念だった。午後3時半にまだ標高1000m以上の場所に居ることにさすがに焦りを感じて、短い休憩で再び下山を開始した。

沢を渡る
沢を渡る
 樹林帯を過ぎると涸れた沢を下りるようになり、やがて丸木橋などで何度も沢を渡り返しながら下る。河原に下りるとマメサクラが咲いていた。河原にケルンがある場所で対岸に渡る箇所が判りにくくて、少し通り過ぎてしまった。もしガスが濃いままだと完全に迷ったことだろう。増水時に壊れた木橋の箇所など2,3箇所で飛び石伝いに渡渉する。

 ようやく鉄製の大きな橋を何本か渡るようになり、最後に大きな鉄橋を渡り用木沢出合の車道に到着。腕時計を見れば17時10分、箒沢バス停(西丹沢自然教室)はここから車道を歩いて30分。最終バス(17時15分発)に間に合うはずもなかった。頼みのケイタイも圏外で、トボトボと車道を下りていくと途中のオートキャンプ場玄関前に公衆電話を発見!夫が予約した中川温泉の宿にチェックインが遅れる旨連絡した。このときタクシーも呼べたのだが、夫が電話での会話で「西丹沢自然教室から中川温泉まで徒歩30分」(車で30分と勘違い?)と聞いたらしい。そのときの私は疲労から思考停止状態だったようで、その言葉を鵜呑みにしたうえ、タクシーを呼ぶと新松田駅から来るので1時間以上かかると思い込んでいた。(電話番号をメモしてきたタクシー会社が、もう少し手前の山北駅の営業所だと気づいたのは翌日のことだった。)

 再び車道を歩けば左手に見覚えのある「檜洞丸ツツジコース」登山口。昨年のメル友BUNさんとの檜洞丸山行の思い出が懐かしくて疲れも吹っ飛んだ。西丹沢自然教室は閉館していたがトイレは使用できた。公衆電話もあった。しかし中川温泉までの距離に気づき、結局ヒッチハイクしかないことを悟ったのは、次の停留所辺りだった。



中川温泉 あしがら荘

満開の桜並木
中川温泉 車道の桜並木
 中川温泉では某有名旅館に宿泊したかったが満室で予約が取れなかった。予約できたのが「あしがら荘」。施設面ではとり得はないが、露天風呂は広く岩風呂、檜風呂の2つ。

あしがら荘