岩木山
みちのくの温泉と山旅
| 【余計な前書き】 白馬岳から帰宅して1週間後、私達は青森の弘前駅にいた。この年の夏、北海道・東北地方は例年にない猛暑に見舞われて、北海道ではクーラーが品切れなどのニュースになっていた。弘前駅前に下り立つとなるほど東京より厳しいたいへんな暑さ。特に弘前は暑い所だそうでこの日の最高気温38℃だった。嶽温泉へ向かうバスが町の中心街に入るとねぷた(neputa)祭りの山車とそこかしこですれ違った。岩木山が見えてきた。津軽富士と呼ばれるだけありコニーデ型の山容が美しく、バスの窓から見とれてしまった。 |
嶽温泉 小島旅館
 百沢のねぷた祭り |
嶽温泉での宿、小島旅館は純和風の造りの大きな構え。フロントではなく帳場がある。部屋にはクーラーがないばかりか、西日が当たりサウナのようになっていて参った。しかし日が暮れると涼しくなり過ごしやすくはなった。窓の軒下にはイワツバメが巣を作り、なにより温泉の泉質がとても良い、湯治場の雰囲気を残す宿である。ご主人も良い方で、登山道マップを用意してくださった。夜7時半頃祭囃子が聞こえたので玄関に下りると、地元百沢のこじんまりしたねぷた祭りの山車が宿の前に。引き手やお囃子も小・中学、高校生だ。宿の御主人がご祝儀を盆にのせて差し出すのも、いかにも地元の生活に密着した祭りらしく、素朴ながらも情緒的で感動した。
→嶽温泉 小島旅館ホームページ
コースタイム 標準タイム 3時間25分
岩木山八合目8:55出発〜分岐(休憩)〜鳳鳴ヒュッテ10:05〜10:35岩木山頂(軽食)11:55〜鳳鳴ヒュッテ12:20〜リフト乗り場12:50〜(リフト)〜13:05八合目駐車場(食事)13:50〜(休憩)〜嶽温泉16:15到着 <自己タイム
4時間30分>
岩木山への登山道は5ルートあり、百沢からの登山道が一般的だ。私達は嶽温泉そのものも目的のひとつの“山旅”なので安直だが八合目から登ることにした。弘前から津軽・岩木スカイラインで八合目まで行くバスは、今年から廃線になり、嶽温泉〜八合目の間のシャトルバスに変更になっていた。バスの窓から岩木山を仰ぎ見ると、スカイラインがうねうねと山を傷つけているのが痛々しく、楽に登らせてもらうので複雑な心境になる。
今日の弘前の最高気温は35℃になるとの事。標高1247mの八合目でも相当の暑さだった。ここまでマイカーでやってきたハイカー(観光客?)は皆リフト乗り場に向かったので、登山道を歩き出したのは私達だけだった。樹林のなか、風が全く通らない蒸し暑い道だった。尾根に上がっても陽射しが強くとにかく暑い。
鳥の海噴火口を見下ろしながら回り込むと、登山道は岩がごろごろした登りが山頂まで続いた。鳳鳴ヒュッテで百沢からの道と出会う。ここから山頂までは大岩ごろごろの急登で暑さも影響して少しバテぎみ。ところがリフト利用の超軽装の人たちはカラ身、涼しげなショートパンツでどんどん登っていく。悔しい。なかにはサンダル(突っかけサンダルも!)の若い男性も何人も見受けられ、何だこの人たちは…と呆れてしまった。
 岩木山山頂 |
山頂は周りをさえぎる山が全くないので気分が良い。しかし気温が高いため展望は霞んでしまって残念。日本海に長く伸びる七里長浜は良くわかった。山頂においてもザックに付けた小さな寒暖計では気温30度。避難小屋があり、中のベンチで少し昼寝をして暑さバテを解消した。
 鞍部から山頂を見る |
鞍部まで下りてからは八合目までリフトを利用することにした。八合目にある食堂で昼食後、岳登山道で下山を始める。登山道入り口はヤブに覆われていて不安になったが、すぐに道は明確になった。下り始めは急でその後ブナ林のなかの展望がない道になる。やはり風が通らない分暑さが堪える。今朝、宿のロビーでお会いした同宿のご夫婦が、前日にこの岳登山道を3時間かけて登ったと聞いたが、さぞ暑かっただろうと思った。
スキーコースの標識が現れてからは時々広い道になった。スカイライン沿いのコースなのだが幸い静かで、美しいブナの緑のなかを二人きりでのんびりと下った。嶽温泉への分岐の目印のスキー標識13を待ちながら下りていくと、何時の間にか7の標識が現れて慌てた。見落としたはずはないと思いしばらくそのまま下ると登山道標識もある分岐に着いた。分岐から15分で泊まっている宿のお隣のホテルの脇に下り立った。出発前宿で頂いた詳しい説明が書かれたマップが役に立った。
この岳登山道は学校登山によく利用されているとの事で、歩きやすく立派なブナ林が気持ちが良い道である。しかし今回は夏も半ばなのでお花に出会うこともなく、暑さがこたえた。新緑か紅葉の時期が良さそうだ。