標準コースタイム 約4時間40分
八方台登山口--30分--中ノ湯跡--1時間15分--弘法清水小屋--25分--磐梯山山頂--2時間30分--翁島口登山口
〔13:55〕表磐梯側の「天狗岩」:大岩が微妙なバランスで積み重なっている場所を回り込む。これも「天狗岩」と呼ぶらしい。操っている人の動きがわかるくらいの距離に、パラグライダーが気持ちよさそうに飛んでいる。

四合目 |
〔14:10〕
四合目:岩にペンキで「四合目」と書かれた場所を通過。容赦ない急な下りで脚が疲れ、膝のバネも利かず、スピードが落ちてきていた。
岩場を通過すると灌木の間に埋もれそうな細い登山道を行くのだが、やはり一直線に下る一方。ゴンドラ駅への分岐はまだかな、まだかな…。
〔15:40〕ロープ場:ゴンドラ駅への分岐までの間に、翁島口コースで唯一の難所「ロープ場」が現れなくてはならない。そのロープ場にようやく到着。張られたロープを握り岩の縁を渡ると、3mくらいの高さの大岩の上に立っていることがわかった。垂直に切り立っているわけではないが、歩いて下りることは不可能。山側は足場が悪く、岩の斜面のあまり無い足掛かりを頼りに下りるしかなさそう。夫はさっさと後ろ向きの三点確保で下りてしまった。足が短い(短躯)と、こういう場所は大の苦手。かえって登る方が腕の力も使えるので、おそらくそれほど苦労せずに登れそうな感じだが、下りるとなると足掛かりになるような突起にコンパスが届かず…(^^;
で、後ろ向き、三点確保はできず、お尻を落とし、加えて夫にサポートしてもらい少々難儀しながらなんとか着地(笑)
※ということなので、小学生以下の子供を連れている場合、「下り」に使うのはお勧めしません。

ロープ場 |

ロープ場:足元は3m程度下 |

下から見たロープ場 |
※上の「下から見たロープ場」の写真(夫が撮影…着地したらもうグッタリで、写真を撮る元気なし)は真下から撮影していないので、“見た目”と少し違います。
ロープ場を過ぎたのに観光ゴンドラ乗り場への分岐が現れない。ゴンドラの下り運行最終時間は16時である。四合目を過ぎてから歩行スピードがぐんと落ちたが、それでも最終ゴンドラに間に合う気でいた。おかしい、気づかず通り過ぎてしまった?そんなはずもない。樹林帯になり登山道は歩きやすくなったが、下りの傾斜は緩くはならずに膝に堪える。ついに膝痛が出始めた。ゴンドラの走行音が聞こえるのに、案内標識も分岐も未だ遠い? う〜ん、もう間に合わないかも…。

観光ゴンドラ乗り場への案内 |
16時。ついにアウト! ゴンドラの最終時間に間に合わないという、まさかの事態(私にとっては想定外、しかし夫は「不安的中」だったらしい…笑)。こうなったら登山口まで歩いて下りるしかない。
〔16:15〕観光ゴンドラ乗り場への分岐:着いた!が、もう遅い(笑)。「膝が笑ってませんか 観光ゴンドラで楽々下山→」の案内板が憎らしい(笑)

岩の上の祠 |
〔16:40〕
岩の上の祠:大きな岩の上に小さな祠。この辺りはスキー場のリフトに平行した登山道を下る。
疲れていたため、ロープ場と観光ゴンドラ乗り場とこの岩の上の祠の通過ポイントの距離感覚が普段と違っていた。ロープ場〜観光ゴンドラ乗り場〜岩の上の祠の間はそれぞれ25分かかっている。もう膝の痛みで早く歩けなかったので、ヨチヨチ歩行だった。実感ではもっと時間がかかっているような感じ。しかし普段なら10〜15分くらいか?

MAP:翁島口コース |
実は出発前にネットで個人山行記のウェブページを読みあさった。その中にこのロープ場を過ぎればすぐに(登りの場合はすぐ手前に)観光ゴンドラ乗り場への分岐があるかのような記述の記録があり、それが頭に強くインプットされてしまったらしい。そのため「間に合うはず」と思い込んだり、尚更「まだ着かない」と不安になったりしたのだろう。
【教訓】他人の山行記録は所詮“自分視点”で書かれているので、鵜呑みにしてはいけない。…ということで、この山行記録もアテになりませんので、念のため(笑)
と、茶化したが、このサイトのポリシーは「持っている&取得した情報は全て公開し、無駄に詳しい記録が神髄」なので、GPSログのデータを元にした地図を作成してみた。(地図画像は最大画面で)
「ロープ場」の標高は1351m(GPSログによる)で、そこからは狭まった等高線の急な下り。そしてゴンドラ乗り場への分岐の標高は1214m(GPSログによる)。岩の上の祠がある地点の標高は1109m(GPSログによる)。距離の計算はしていない。距離感は人様々だが、地図で見るところ、少なくとも3地点は隣接はしていないことは確か。
〔17:20〕スキー場:日が暮れないうちに下山しなくてはと気が急くが、足が言うことを聞かず歩幅は小さくスピードは亀の如し(^^; 車道とぶつかってスキー場のゲレンデに下りる箇所までたどり着いたときは、まだ夕闇が迫る前でそびえる磐梯山が見えた。あの頂きに登ったのだという感慨に浸っている時間はなかった。芝生のゲレンデに下りてそのまま突っ切って下りるのが“本来”のコースらしい。しかし膝の関節はもう傾斜が急なゲレンデを下れない状態だった。
宿泊する押立温泉の旅館住吉館に電話をして、登山口まで車で迎えに来て貰うよう頼んだ。距離はあるが緩やかな林道で翁島登山口に下ることにした。下っていくと車両通行止めのゲートがあった。旅館のお迎えが翁島登山口と指示されたのは、このゲートのせいらしい。ゲートを潜るとすぐに翁島登山口がある車道に下りた。想像以上に時間超過になってしまった「下山」がこのとき17時55分、ようやく終わったのだった。
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【いつもは書かない余計な&大事な後書き】 翁島口コースでの下山時間がことのほかかかってしまった。私自身の体力不足を思い知らされる登山になった。しかしこのコースの情報が余りに少なく、計画段階で把握し切れていなかったのも一因だった。過小評価せず時間設定にもう1時間余裕を持たせ、ホテルの朝食を利用しないで1時間早く出発すれば問題なかった。
コースの情報不足については例えば標準コースタイムは、一般的な登山地図(山と高原地図(2003年版)/昭文社)では登りに要するのは2時間40分、下りは1時間30分となっている。今は絶版の1993年発行のアルペンガイド『東北の山』では、登り2時間20分、下り1時間30分である。私の足の遅さと2泊3日分のザックを背負っているいう条件を当てはめないでも、中高年ではいくらなんでも1時間30分では無理だろう。そこで計画では磐梯町のサイトにある「磐梯山登山マップ2009」を参考にして、下り2時間30分と想定した。このように標準コースタイムの情報にバラツキがあるだけでなく、登山道状況についての情報も極めて少ない。ガイドブックでさえ「急なのでゆっくり登り、慎重に下ろう」でお終い(笑)。どちらかというと地元の登山者の一部がトレーニング目的も兼ねて登るコースになっているようであり、ネット上の個人の記録も他のルートに比べやはり少ない。
また翁島登山口から押立温泉(住吉館)までの徒歩での所要時間も、登山地図や手持ちのガイドブックでくまなく調べていたのだが、いずれも30分程度になっていた。しかし迎えに来てくれた旅館の方(女将さん)によれば、歩けば1時間半はかかるとか。なんだかなあ…。
ということで、後悔しているかと言うと、決してそうではない(笑)。絶景の中を歩く翁島口コースの魅力は捨てがたい。ただしもう一度翁島口コースを歩くなら、「猪苗代リゾートホテルに宿泊して朝一番のゴンドラを利用して登る→八方台登山口へ下山」という計画が良さそうである。また沼ノ平や銅沼も歩いてみたいし、川上温泉も気になっている。登山中他の登山者との会話で、八方台口から翁島口への登山だと告げると怪訝な顔をされ「車はどうするの?」と言われたり、翁島口コースを下山中は「登りも下りもキツイですね」と往復しているのを前提に話しかけられた。マイカー登山が羨ましくなるときも多いが、今回だけはマイカー登山は気の毒だとさえ思った。“表”と“裏”の山容がまるっきり違い、それぞれ異なる雰囲気を持つ複数の登山コースがある磐梯山こそ、「登り」と「下り」の変化を楽しむ山だと思うからだ。
最後に。たとえ下山中に日が暮れてしまっても、ヘッドランプなど装備は持っているので不安はなかった。ただ予約した旅館へ連絡するタイミング(スキー場に出るまで携帯FOMAは一時的に圏外)や、チェックインが遅くなり迷惑を掛けることになるのが気になった。結果として旅館が一番忙しい夕食開始時に迎えをお願いして迷惑を掛けてしまったが、快く迎えに来てくださって感謝している。
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押立温泉 住吉館
押立(おったて)温泉は表磐梯山山麓標高650mにある。住吉館はJR猪苗代駅からは車で10分ほどの距離だとは思えない、静かな環境にあった。チェックインの際はバタバタしてしまったが、翌朝になると玄関前にきれいな庭園があるのがわかった。登山口まで迎えに来てくださった女将さんが、明るくて気さくで話し好きなのが好印象。宿の飼い犬(名前はりん)も温和しいのに人なつこく可愛い。
→押立温泉 住吉館
夕食の料理のメインが炉端焼きというのは、旅館としては珍しい。秋の山の幸をシンプルに焼いて頂く。特にナメコやシメジなどのキノコがとても美味しかった。

住吉館の夕食は炉端焼き |
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単純泉(鉄泉の濁り湯)の内湯 |
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無色透明単純泉の露天風呂 |
内湯の源泉は鉄分含有の少し茶色の単純泉。広い裏庭にある露天風呂(朝と夜に女性専用タイムあり)は、無色透明の単純泉。どちらもちょうど良い湯加減の掛け流しである。露天風呂は猪苗代リゾートホテルの源泉からの引湯とのこと。何度も入浴するうちに、膝の痛みもいつしか消えていた。
9月22日 曇り

JR猪苗代駅 |
帰京する翌朝は曇り。タクシーで猪苗代駅に向かう途中見えた磐梯山には、雨雲が垂れ込めていた。
翁島は野口英世の故郷であり、猪苗代駅前広場には野口英世のレリーフや記念碑がある。猪苗代湖の観光で賑わっているとばかり思っていたが、駅前は閑散としていて土産物屋も少なかった。観光もマイカーの便が良い場所が賑わい、どこへ行っても鉄道の駅前は寂れる一方で悲しくなる。