磐梯山
| 余計な前書き 9月の敬老の日の祝日が連休になっても、今まではどの山に行こうか迷うことが多かった。9月半ばでは標高がある山でさえ、秋山とも言えず中途半端なシーズンだったからである。今年から敬老の日と秋分の日の祝日が合体し、巡り合わせ次第では大型連休、通称シルバーウィークになることになった。ETC割引導入の影響もあるので計画は早めにしておいた方が良さそう…ということで、8月に入ってすぐに磐梯山行きを決め宿泊の手配も済ませておいた。
登りは一番楽な八方台登山口からにした。私たちが山歩きを始めて少し経った頃、磐梯山登山を計画したことがある。猪苗代からの表登山道コースにしろ裏磐梯からのコースにしろ、私たちには標準タイムでの日帰り登山をする自信がなく、当時はまだ営業していた八方台の「中ノ湯」に宿泊して登る計画を立てた。このときは結局実現できず、そのうちに中ノ湯は休業しついには廃業してしまった。そして2007年2月にスノーシューで裏磐梯を訪れたとき(参照:山行記録)に、磐梯山に登りたいという気持ちが再び高まったのだった。

猪苗代駅付近から見た“表”磐梯山 |
2007年2月に利用した裏磐梯猫魔ホテルが、八方台登山口への便が良いので再び宿泊することにした。宿泊客が利用可能な東京からの直通シャトルバスは、片道2500円という破格の料金なので利用しない手はない。渋滞がかなり心配ではあったが、この日は泊まるだけなので、夜までに到着すれば良い。当日バスは案の定大渋滞の東北自動車道を避けて常磐自動車道を行き、途中までは若干渋滞したが思ったより早く、予定時刻の2時間弱の遅れ程度でホテルに到着した。 |
五色沼
ホテルのチェックイン後、好天なので付近を散策することにした。ホテル前から前回は雪雲に姿を隠していた磐梯山がよく見えて、翌日の登山の期待が高まった。直通シャトルバスが猪苗代を行くときに見た表磐梯の山容とは、同じ山とは思えない裏磐梯の荒々しい姿である。車道に出て夫が前回スノーシューで歩いた方向へと歩こうとするのを制止して、私は人で賑わう物産館を指さした。何故なら「五色沼入り口」の看板が目に入ったからである。

裏磐梯高原バス停に停車中の
桧原湖周遊レトロバス「森のくまさん」 |
猫魔ホテルと五色沼遊歩道は離れていると思い込んでいて、スノーシューのレポートにも『ツアーに参加しなければ猫魔ホテルから裏磐梯高原駅バス停まで歩き、五色沼遊歩道をスノーシューで歩いた後五色沼入り口バス停から路線バスで裏磐梯高原駅バス停まで戻るということになる』と書いていたのだが、実は裏磐梯高原バス停は猫魔ホテルのすぐ傍だったのだ。
冬景色とでは印象が変わるが、記憶を辿れば、スノーシューツアーはバス停向かいの物産館脇から歩き始めたのに間違いない。集合場所がロイヤルホテルだったので仕方ないとはいえ、時間的にはかなり無駄なことをしていた訳だった(笑)
というわけで、物産館の中を抜けると五色沼遊歩道の散策路入り口がある。奥の毘沙門沼まで歩いて戻ってくる時間はないので、途中まで歩くことにした。しかしそろそろ夕方というのに、散策している人の多さには驚いた。町中の繁華街並みだ。向こうから歩いてくるカップルの、女性の足元はハイヒールのサンダル。やはりここは繁華街か…(笑)
それでも明るい陽差しの下での散策は楽しい。青沼は神秘的な青緑色が一層美しく、白銀の季節での景色とはまた違って見えた。群青の水面のるり沼では、向こうに磐梯山が西日に染まりそびえている。短い散策を堪能してホテルへ戻った。
裏磐梯猫魔ホテル
前回宿泊したときには、ホテル側の事情(予約したスタンダードツインの部屋が空いていなくて、代替にデラックススイートの部屋を用意してくれた。もちろんスタンダードツイン料金で。)で良い思いをしてしまったが、今回はそのような幸運はなくて、予約したままの和室の客室だった(笑)。しかしこのホテルは施設やお料理の水準に比して料金設定がリーズナブルなので、何度も利用したいホテルである。
→裏磐梯猫魔ホテル
→前回のホテルのレポート
《温泉について》 大浴場(内湯)の大きなお風呂は沸かし湯ではなく、10%の温泉投入があるらしい。ただしやはり源泉掛け流しの小さな浴槽が良い。また前回は真冬だったので露天風呂は寒くて、しかも雪という天気のため景色の印象が薄く、思い出が全く残っていない。ところが今回入ってみたら、鉄分が酸化した明るい褐色の濁り湯で、しかも目の前に桧原湖が見下ろせる素晴らしい露天風呂なのだった。五色沼散策から帰り、桧原湖の夕暮れを見ながら浸かる贅沢なひとときが忘れられない。
※今回は宿泊客が多くてお風呂の撮影は不可能でした。

9月21日 晴れ
標準コースタイム 約4時間40分
八方台登山口--30分--中ノ湯跡--1時間15分--弘法清水小屋--25分--磐梯山山頂--2時間30分--翁島口登山口

GPSログによる
ルートマップ |
 コース断面図 |

グーグルアースによる
ルートマップ |
猫魔ホテルから八方台登山口までの路線バスがないので、タクシーを利用するしかない。大型連休中の観光地なので、出発前に裏磐梯高原にあるタクシー営業所に電話を入れて予約しておいた。タクシーが進む磐梯山ゴールドラインはだんだん道幅が狭くなり、近年八方台登山口からの登山者が増加しても路線バスが運行されない理由がわかった。ホテルから登山口までたったの10分で到着したが、有料道路料金730円を含めて3400円也。登山口の駐車場は既に満車の様子。
〔8:10〕
出発:八方台登山口の標高は1194mなので標高差600m強、約2時間の登りである。休憩を入れても11時頃には山頂に立てそうだ。登り始めはブナ林の中の広くて傾斜が緩い道を行く。ちょうどウォーミングアップになって良い。

中ノ湯跡 |
〔8:40〜8:45〕
中ノ湯跡:やがて硫黄の臭いがしてきて、中ノ湯跡が近いことを知る。廃墟になった中ノ湯温泉と、湯畑のような池がある。泊まっていたかもしれない温泉旅館が荒れたままの様子は悲しい。仮に再建されれば泊まってみたいと思った。
身体も温まり、服装の調整をしてこの先からの本格的な登りに備えた。

エゾリンドウ |
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林の中を登る |
本格的な登りの前にいったん木道歩きがある。木道の脇にたくさん咲くエゾリンドウの色に目を奪われた。
そして本当の登りが始まる。だんだん急になるが、何度か展望ポイントがあり、その都度眺めを楽しむために一息つけるのがうれしい。

桧原湖と右奥に西吾妻山 |
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桧原湖・飯豊山・月山の眺め |
桧原湖を見下ろすようになり、桧原湖の手前の樹林に目を凝らすと点在する五色沼も見える。独特の色をした青沼は小さくても見分けやすい。西吾妻山と連なる東吾妻山、そして万年雪を抱いた飯豊の山々、遠く月山の頂まで見えた。
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〔10:15〜10:35〕天狗岩広場(お花畑):弘法清水とお花畑がある天狗岩広場との分岐に着いた。ハイカーが多いため、ここまでザックを下ろして休憩するチャンスがなく、しかもお腹が空いていた。弘法清水へそのまま向かわず、お花畑に寄って休憩することに。夏なら高山植物の花を堪能できるお花畑は、今はナナカマドの紅葉が目を楽しませてくれた。見上げるとこれから登って行く山頂部の斜面もかなり色づいていた。紅葉を期待して来なかっただけに、平年より早かった今年の紅葉は偶然の幸運としか言いようがない。

天狗岩広場から見た紅葉する山頂 |
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天狗岩広場から櫛ヶ峰 |
天狗岩広場を進んで火口壁に立ち、間近の櫛ヶ峰と遠くの展望を楽しんでいる人たちが見える。櫛ヶ峰の奥には西吾妻山、そして東吾妻山から東側は見事な雲海が広がっている。しかし私たちは余裕がないので分岐に戻り、弘法清水へ向かった。