九寨溝から成都へ (2)

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華洋花園城大酒店(ガーデン・シティ・ホテル / Chengdu Garden City Hotel)

 成都パンダ繁育研究基地の見学を終えて宿泊するホテルへ。チェックイン後は夕食時間までフリータイムになった。この時間を利用して武侯祠、杜甫草堂などへのオプショナルツアーを申し込めたが、私たちはお土産ショッピングにフリータイムを当てるため申し込まなかった。夜8時開演の川劇鑑賞のオプショナルツアーに申し込んでいたが、これもキャンセルして中国最後の夜はのんびり過ごすことにした。

 中国到着日に利用した「成都空港商務酒店」と比べたら快適なホテルだった。客室はこぢんまりしているが機能的には充分で、寝具はこざっぱりとしている。ロビーも無駄に広くなく(笑)、喫茶コーナーがある。ホテルの隣には日本と同様のベーカリーがあった。繁華街の中にあるのでショッピングに便利。

華洋花園城大酒店
客室
ホテル客室窓から
ホテル客室窓から

 成都にはイトーヨーカドーがあり買い物しやすそうなので行くつもりでいたが、聞けば華洋花園城大酒店から少々遠いそうである。華洋花園城大酒店のすぐ近くにフランス資本のスーパーマーケット「カルフール」があることを教えてもらい行ってみた。「家楽福」の看板が出ていたビルはすぐわかった。カルフールの中国語表記は「家楽福」なのか、なるほど。ビルの1階には少し高級なブティックが入っている。カルフールは2階に雑貨や電化製品売り場がある普通のスーパーマーケットだった。しかし2階のショッピングモールを歩いていたらお茶の専門店を見つけた。試飲コーナーもある。日本人と見てジャスミンティーを勧められたが、四川省峨眉山産の緑茶を購入。

 買い物を終えてホテルロビーのカフェでコーヒーを飲むことにしたのだが、注文カウンターで私の片言中国語も片言英語も通じないのである。というか、どうやらコーヒーはメニューにないか売り切れらしい。コーヒー好きの夫もコーヒー好きでもない私も、中国に来てから一度も飲んでいないコーヒーが無性に飲みたくなっていた。で、ホテルのすぐ近くのスタバへ行くことに。

スターバックス
スターバックス

 店内に入り掲げられている価格表を見ると…高い! 最低価格で26元(約520円)である。夫が財布を見て中国元の現金が52元しかないと言う(笑)

 中国語でのメニュー表記がわからないので店長とおぼしき青年と英語でやり取り。が、注文カウンターの店員に注文が通じない。最後の手段で筆談を試みた。

 我々は旅行者で手持ち現金が52元だけである事を英会話と漢字文とで伝えると、彼が手元で見られるメニューを出してきた。これで注文ができると思いきや、このメニューでは最低価格のカフェラテが27元になっているではないか。

 クレジット決済ができないようなのですごすごと店を出かけたら、店員に呼び止められた。店長に相談してOKが出たらしい。レシートを見るとマイカップ持ち込みの割引で対応したようだ。店長の技量かスターバックスの店員教育の成果か、いずれにせよあのイケメン店長の中国らしくないサービス精神に感激。お陰でよく冷えたカフェラテで、疲れも吹っ飛び旅の良い思い出もできた。でもコーヒーチェーン店で26元は高いな(笑)

 中国元の現金を残さずに使い切ってスッキリしたら、夫が夕食の時のビール代がなくなってしまったと言う。で、現地ガイドさんに個人的に両替をお願いした(^^ゞ

レストラン 欽善斎

欽善斎
欽善斎

 夕食は杜甫草堂の近くにある薬膳(料理)のレストランでということで、杜甫草堂のオプショナルツアーに出かけたメンバー以外はホテルに集合し、車でレストランへ。「欽善斎」は成都でも有名なレストランらしく、構えが立派で店内も広かった。ロビーには食材の珍しい乾燥キノコなどが並べてある。日本人を含む観光客や地元の人で繁盛している。テーブルに付くとアルコール度数が高い白酒が配られて乾杯。

 薬膳というだけあり見たことがない食材も使っていて、スープに使われている白いキノコのようなものがわからなかった。いや、何となく何処かで食べたような…。メンバーの女性陣とアレじゃないかコレじゃないかと話したが結論が出ず、思い切って近くにいた女性店員に尋ねてみた。会話でははかどらないときはやっぱり筆談。彼女は渡したメモ用紙に「竹笙」(「笙」の字は実際は中国の簡体字で)と「bamboo fungus」のふたつの単語を書いてくれた。調べるとキヌガサタケのことである。ああ、そうだ。御在所岳の山行で泊まった旅館で食べたっけ。

 総じてお料理の味付けがあまりくどくなく、日本人好みで美味しい。とくにコースの途中の口直し用に出された、梨を刻んで煮たスープかおしるこのような薬膳スイーツと、デザートのほんのりだけ甘い小豆のおしるこはとても美味。この旅ではデザートにほぼお目にかからず、薄い一切れのスイカが出されたことが1度か2度というくらいなので、ことさら美味しく感じたのかも(笑)

武侯祠大街(大通り)/ 成都
武侯祠大街
武侯祠大街(大通り)/ 成都
武侯祠大街
成都市街地の車窓風景
成都市街地
ホテル客室窓からの夜景
ホテル客室窓からの夜景

 夕食後に皆でレストラン近くの大きな土産物店に入った。なんだ、そんなことなら昼間のオプショナルツアーに行けば良かった。

 途中で川劇鑑賞を申し込んだメンバーを劇場の前で下ろしてホテルへ帰った。翌朝の出発時間も早いのでキャンセルしたが、やはり本場の川劇は見るべきだったかも(^^;


第9日目 7月24日 帰国

 宿泊した華洋花園城大酒店の朝食ビュッフェは充実していて、しかも中華料理だけではなく洋食やパンやフルーツもあった。しかし6時からの朝食で6時30分出発だから慌ただしい。

 ホテルの前でツアー専用車の到着を待っていると、同宿していたらしい日本の某旅行社の観光ツアーも出発前の集合らしく日本人でいっぱい。成田空港から成都への直行便は何社ものツアーが入って満席だったのに、そういえば行く先々ではほとんど日本人のツアーに出合わなかったなぁ…と思っていると、その某社ツアー参加の人に声をかけられ、どこの旅行会社のツアーかと聞かれた。質問に答えて、黄龍・九寨溝の前に四姑娘山山麓でハイキングをしてきたと説明すると、ハイキングってどのくらい歩くのかとの質問。これに答えている最中に私たちの専用車が到着したもよう。ツアーリーダーの「早く乗ってくださ~い」の呼び声でお喋りも時間切れ(笑)

 空港にはどこのツアーよりも早い到着で、チェックインもスムーズだった。ツアーリーダーさんは競争に勝ったように喜んでいて、気持ちは解るが今回の旅、こんな風に急かされる状況が多々あって、なんだかなぁ…という気もしてしまうのである。

 9時15分、飛行機は中国大陸から飛び立った。


おわりに

 書き足りなかったことなどをアトランダムに。

腹式呼吸

 登山のとき、標高が3100mを超えたくらいから呼吸が非常に苦しくなり、まともに登れなくなってしまう。これが今回思っていた以上にひどかった。ネパールでは今回ほど苦しまずに4200mまで登ることができた。今から思えばそのときの添乗員さんとネパール人の登山ガイドさんの、ペースの取り方は見事だったと思う。そしてあれから7年経ち、私自身が加齢と運動不足を甘く考えていたことは否定できない。しかし最大の原因は腹式呼吸ができないことにありそうだ。そういえばネバールのヒマラヤトレッキングの旅行前には、何日も腹式呼吸の練習をしていたっけ(^^ゞ

 マイペースでゆっくり登りさえすれば、ツアーのペースに決定的に遅れるわけではない。各ポイント到着時点で5分程度の遅れなのだが、この5分が克服できない。この5分のために、黄龍では五彩池最奥の展望台は諦めざるを得なかった。今回のツアーでも全体のペースを乱したり足を引っ張ってしまったという事態はないのだが、ご心配をかけたことは申し訳なく思う。ただ今までのツアー参加経験では、こんな私でもツアーと共に遅れずに歩かせてくれていたわけで、登山ガイドさんの技量の差もありそうだし、何より道路渋滞のためにハイキングを急かされるという日程の組み方は要再考ではないか。

 高山病に関しては、どうやら私は高度障害には強いようである(^^) 軽い頭痛が続いた夫も深刻な障害はなく、徐々に順応していたようだ。

世界自然遺産

 黄龍と九寨溝、その景観は甲乙付けがたく素晴らしかった。失いたくない世界の絶景のひとつだと思う。黄龍はその景観が、長い時間をかけて積もった石灰華によって造形されてきた。景観の美しさとともに、悠久の時間にも思いを馳せると感動もひとしおだった。だからこそ時間をかけて景観を眺めて回りたかった。ロープウェイを利用すると混んでいる場合は乗車待ち時間が生じるので、「往復歩く」ことにしたのだと思うが、どう考えてもロープウェイで上がり下りながら観光する方が余裕ができる。しかもロープウェイ山上駅からのルートには、玉翠峯を望み黄龍の全体を俯瞰できる展望台があるそうである。「黄龍」の名前の由来である金色の龍が谷を駆け上るような景色は、ぜひとも見たかった。

 九寨溝は黄龍より有名で人気が高い。観光客の入場数制限をしていても、オンシーズンなら人の混雑を避けることができない。人で混雑した観光地は嫌いな私たちだが、九寨溝は別格の「観光地」だった。

チベット問題

 旅をした四川省アバ・チベット族チャン族自治州には、いわゆる「チベット問題」がある。

 自治州内を移動中、国道や県道に警察の大型バスによる移動検問所が設けられていて、頻繁に警察(公安)の検問があった。四姑娘山の山麓エリアや州都の馬爾康(マルカム)付近、紅原でのことである。現地ガイド氏の説明では崖崩れが多くそのための事故も多いこと、最近増えている観光バスの定員オーバーなどの不正を取り締まるためだそうである。旅行社のバスは通行するための登録が必要であるというような事も聞いた。

 しかし何回かあった検問のうち一度だけだが、警察官が我々のツアーの専用マイクロバスに乗り込んできたことがあった。そして断りもせずにデジカメで我々一人一人の顔を撮影していった。さすがにこれにはムッとしたが、抗議する間もなかったし騒いだところでメリットがない。日本とは政治体制が違う国なのだ。他のメンバーも黙ったまま。この当時に四川省で大きな抵抗運動があったわけではないのに、なぜここまで警戒するのだろう…。

 後で思えば自治州内でも九寨溝エリアは検問がなかった。九寨溝エリアの道路事情が良いことは確かだが、馬爾康(マルカム)周辺はチベット族の抵抗運動が活発な四川省西部に近いため、人の出入りに神経質になっているのではないかという疑念が生まれた。また四姑娘山の山麓エリア、馬爾康近郊では、ほとんどのチベット風民家の屋根に大きな中国国旗が掲げられている。他の地区では見なかった。これも中央政府(共産党)との軋轢を避けたるためではないかと思ったのは、深読みしすぎだろうか…。


 1990年に桂林(広西チワン族自治区)を旅行し1993年に北京を訪れているが、今や多くの中国の人たちが豊かになって自由な旅行もできるようになった。50年くらい前の日本と同じに、まだ有名な観光地へ押し寄せる風潮が目立つ。しかし移動中、河原にキャンピングカーを停めてバーベキューをしている家族も見かけた。若い人たちは四姑娘山を展望する尾根でホーストレッキングを楽しんでいる。自然そのものを楽しむレジャーもそのうち広まっていくのだろう。今回訪れたところが、今後過度の開発や自然環境の変化で、美しい景観が壊されることがないようにと願う。

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