成都から日隆へ

第1日目 7月16日 成田 → 成都(泊)

 成田発17時25分の全日空直行便で、中国時間21時30分成都に到着。空港でディスプレイのパンダを見て、あ、パンダのふるさとにやってきたんだなと実感した。出口でツアー全行程を案内してくれる現地ガイドさんの出迎えを受けた。空港から出ると熱帯夜の東京と同じように蒸し暑かった。

 この晩の宿泊は空港に一番近いホテルだが、送迎バスでぐるぐる回り、チェックインして部屋に落ち着いたのは22時半時過ぎ。翌日は長距離移動なので出発は6時30分。シャワーを浴びてさっさと寝るだけ。眠りにつきそうになったとき、耳元にプ~ンというあの嫌な音が…。なんと蚊がいる!…だからベッドサイドテーブルの下に「電気蚊取り」が用意してあったのかぁ。中国製のマット式電気蚊取りの効き目のお陰でぐっすり眠った。


第2日目 7月17日 成都 → 夢筆山峠 → 日隆

 実は旅行会社から最終的な催行決定の連絡があったとき、この日の成都から四姑娘山山麓の村「日隆」へのドライブルートの変更も伝えられていた。予定では成都から雅安(ヤーアン)を経由し、標高4114mの「夾金山(ジャオジンシャン)峠」を越える南回りルートだった。しかしルート途中で土砂崩れがあり、復旧工事完了に間に合わないので北回りルートを使うとのこと。北回りルートは遠回りになるうえ、南回りより道路整備状況が悪いらしい。南回りルートなら所要時間9時間(約380㎞)だが、北回りになり所要時間11時間くらい(約493㎞)になった。

 ドライブ中のスマートフォンのGPSログをGoogle マイマップにインポートした地図です。右端の拡大アイコンをクリックすると、別画面で大きな地図が開きます。

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成都空港商務酒店(Airport Express Hotel)
成都空港商務酒店
(Airport Express Hotel)

 6時40分に成都のホテルを出発。

 成都の街は中心街は高層のオフィスビルが建ち並び、郊外にはやはり高層の大規模なマンション群が幾つも現れる。そして緑豊かな大きな公園がある。

 公園脇やバスの停留所付近では、歩道を箒で丁寧に掃いている清掃員が必ずいる。ところが誰もちりとりやゴミ袋を持っていなくて、ゴミを車道に掃き捨てている。こんなところも中国人の「公共」に対する考え方の現れ(日本との違い)の一端かもしれない。

 車は成都の市街地を抜け、長江の上流部である珉江沿いに北上していく。2時間くらいの間隔でトイレ利用と休憩を兼ねて途中下車する。初めのトイレタイムはドライブインのような施設だったが、その先はもう、日本のようにドライブインやサービスエリアはない。

復興した四川大地震の震源地 汶川
復興した四川大地震の震源地 汶川
復興した四川大地震の震源地 汶川
復興した四川大地震の震源地 汶川

 車窓に見える山並みも高くなってくる。10時30分頃にトイレタイムで下車した村落では、蒸し暑かった成都と異なり風が涼しく心地よかった。あとでGPSのログを確認すると、標高1378mだった。

 途中9時10分頃に通過した「汶川:ぶんせん (汶=さんずい+文)」という町は、2008年四川大地震の震源地である。

米亜羅(ミアラ)村のレストランで昼食
米亜羅(ミアラ)村のレストランで昼食

〔11:35~12:25〕昼食:米亜羅(ミアラ)鎮という小さな町のレストランで昼食。標高2700mくらいにある米亜羅は、チベット族の村で紅葉の景勝地だそうだ。

卓克基鎮のチベット族文化観光区
卓克基鎮のチベット族文化観光区
卓克基鎮のチベット族文化観光区
卓克基鎮のチベット族文化観光区

〔14:05~14:20〕卓克基:今日の目的地「日隆(リーロン)」と第4日目の宿泊地「馬爾康(マルカム)」との分岐点である「卓克基」という町で休憩タイム。チベット族文化観光区となっていて、マニ車を設けた小橋で渓流を渡った山裾に、石造りの民家が並ぶ。渓流に沿った遊歩道があり、民宿くらいの小規模な宿泊施設がある。道路に出した椅子に座り、おばあさんが刺繍をしている。のどかで美しい集落だった。

夢筆山(メンビシャン)峠 / 標高4050m

〔15:05~15:25〕日隆(リーロン)へは分岐の卓克基から南下していく。夢筆山(メンビシャン)峠はその途中にある。

 標高4000mを超えているので車を降りるとさすがに風が冷たかったが、陽差しが降り注いでいるので上着を着なくても寒くなかった。ゆっくり歩けば息苦しさは感じないが、「標高4000m超」が初体験の夫は少し頭痛がすると言う。

夢筆山(メンビシャン)峠 / 標高4050m
夢筆山(メンビシャン)峠
夢筆山(メンビシャン)峠からの展望
夢筆山(メンビシャン)峠からの展望

 車道脇の峠の標高は4050mで、すぐそばのタルチョー(チベットの青・白・赤・緑・黄の五色の祈祷旗)がはためくこんもりとした頂が、標高4114mの夢筆山(メンビシャン)である。峠の周囲が砂礫地のせいか、花はあまり見当たらなかった。峠の展望台からの展望は、どの辺りが見えているのかさっぱりわからない(笑)

 このあたり、四川省西部の山岳地帯の緯度は日本の奄美大島と同じくらいなので、標高4000m前後の山々も緑に覆われて青々している。しかし岩が多い山、もろい岩が風化した山もあり、いったん豪雨があれば車道のあちらこちらで落石や崖崩れ、土砂崩れが起きる。

ルンタ
ルンタ

 展望台の隅などに風で吹き寄せられた小さな紙片(5㎝四方)が溜まっている。ゴミではない。紙片はタルチョーと同じに五色あり、手に取ってみると馬の絵が印刷されていた。おそらくタルチョー同様仏教の教えを広めるために、まき散らしたのだと思う。

 帰国してから調べると、この紙片は「ルンタ(lung ta)」と呼ばれるものだとわかった。

風の馬が描かれている場合にルンタと特に呼ばれ、仏法が風に乗って拡がるよう願いが込められている。他に願い事や六字大明呪、四神(虎、麒麟、鳳凰、龍)などが描かれている場合もある。

--- Wikipedia タルチョーの項 より引用


 さらに、『「ルンタ(lung ta)」とは、チベット語で「風(lung)の馬(ta)」』だそうで、さらに『(日本の)神社の絵馬は、ルンタがルーツ』なのだそうだ。

《参考》

About Lung-ta Project / ルンタ・プロジェクト »

ルンタ、タルチョ、風の馬 »

夢筆山(メンビシャン)峠から日隆への車窓風景
夢筆山峠から日隆への車窓風景

 時折落石防止ネットが張られた崖下やネットが張られていない急斜面の崖下を通過するときは、心穏やかではいられない。それでも青空が美しい車窓の景色を楽しんだ。17時55分に日隆(リーロン)での宿泊ホテル、嘉絨陽光大酒店(ジアロン・グランド・ホテル)に到着した。


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